レスベラトロールはブドウの果皮赤ワインに含まれる赤色色素のポリフェノールです(白ワインにはほとんど含まれません!)。レスベラトロールも抗酸化作用が高く、体内の活性酸素を除去してくれます。


 レスベラトロールの優れた特徴は、ヒトの長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)をスイッチオンの状態にしてくれることです。


 長寿遺伝子とは、人が長生きできるように体質を変化させる遺伝子のことで、もう少し具体的にいうと、体の各細胞が老化や死滅しないように働いてくれる遺伝子です。おそらく、人類がその歴史の中で飢餓を何度も経験するうちに獲得したのでしょう。


 ところが、この長寿遺伝子は、本来誰でも持ち合わせているモノなのですが、飽食の時代に生きる現代人が、飢餓状態になることはほとんどなく、この遺伝子は普段はスイッチオフの状態になっています。このスイッチをオンにする方法が、今回紹介しておりますレスベラトロールを摂取することです(カロリー制限によっても、長寿遺伝子を覚醒することが出来ますが、これは長続きしませんね)。これにより、細胞の寿命が長くなるようにはたらき、老化のスピードを遅らせることが出来るのです。

 

 これと関連した話題を一つ上げておきたいと思います。フランス人は、食生活の中で高脂肪食を摂ることが多いにもかかわらず、他の国々に比べて心臓病のリスクが低いことが調査でわかりました。これはフレンチパラドックスと言われており、フランス人が赤ワインを飲む習慣と関連があるのでないかと推測されています。つまり、赤ワインに含まれるポリフェノールによる抗酸化作用(動脈硬化の進展を防ぐ)や、レスベラトロールによる長寿遺伝子をオンの状態にすることがその背景にあるのではないかと考えられています。