桂皮エキス(シナモン)は、主にクスノキ科の桂樹から抽出されます。桂皮エキスは漢方薬の成分としておなじみで、体を温めたり、胃腸のはたらきを良くして、体調を整えるために用いられます。さらに、桂皮エキスにはポリフェノールが含まれており、やはり高い抗酸化作用があります。そして、桂皮エキスには、もう一つ特徴があり、それは抗糖化作用が優れていることです。
糖化とは、糖分とタンパク質が熱によってくっついたものです。身近な例では、小麦粉(糖分)を牛乳や卵(タンパク質)と混ぜて焼き上げた(熱)ホットケーキやパン生地などの、表面が焦げた部分がそうです。
このように糖化によって得られたものを「糖化産物(AGE)」といい、体内では分解されにくく、蓄積する性質があります。体内のタンパク質も、体の中に糖分がたくさんあると、体温で熱せられ、AGEが発生し、体内に蓄積しやすくなります。また、食べ物からもAGEは摂取されますが、大部分は消化の段階で分解されるものの、一部は体内に蓄積されてしまいますので、やはりよくありません。
体内では、主にコラーゲンというタンパクが糖化されやすく、コラーゲンは肌や血管、骨に多く分布しています。そのため、これらが糖化されると、シミやしわ、動脈硬化、骨粗鬆症などの発症リスクが上昇します。他にも、AGEによって、白内障やアルツハイマー型認知症のリスクが高まることも分かっています。
このように糖化反応は、血糖値が高いほど、体の熱で体内のタンパクと反応し、AGEが生成され、また、その期間が長いほど、どんどんAGEは蓄積されてしまいます。そんな糖化反応を抑えるのが桂皮エキスなのです。こうしてみると、「酸化(体のサビ)」と「糖化(体のコゲ)」を抑える桂皮エキスは、美容や健康にとても有用だという事がわかります。