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何故か、台湾にて

気がついたら台湾にいました。

ところてんのように生きています。

今まで、なぜか私の一対一の生徒は

優秀な子がそろっていました。


そこに現れた、T君。


以前も少し書きましたが

日本語は頑張っていますが

それ以外の勉強は、全然してこなかった子です。


わたくし

苦戦しております。








私の自慢の、優秀な生徒達。


まぁ私が優秀にさせたわけじゃないから

私が自慢するところではないんだけど。


小学五年生、中学二年生、高校一年生の

それぞれ、男の子。


彼らは、クラスで一番をとるような頭のいい子で

更に、とても素直で、話も上手。


「話が上手」というのは

色々なことに興味を持ち、主体性を持っているから

話題があって、話を盛り上げることができる。




では、T君。二十歳。


まず、私が今、困っていることは

彼、基礎知識がない。


今は「みんなの日本語」の中級Ⅱの教科書で

出てくる単語も難しくなってくるところ。


先日、単語を導入していて困ったのは

「発展途上国」と「先進国」。


「例えば、どんな国が途上国ですか?」

と聞いても、わからない。


「えーっとですね、例えば、カンボジアや…」


と、例をあげてみる。

きょとんとした顔をするので、辞書で調べ、中国語で「カンボジア」と書く。

すると、さらに、きょとん顔。

日本語の問題ではなく、「カンボジア」という国自体を知らないらしかった。



「(   )では人口が増えているが、(   )では減っている」


途上国とは何ぞや、先進国とは何ぞや、それがわからないので

こういった穴埋め問題も、わからない。


途上国と先進国という概念を、日本語で教えたけれど

いくら直接法といえど、これは

中国語で、社会の時間に勉強しておく方が

よっぽど効率がいいと思った。




「AはBほど~じゃない」

という文法を導入したとき。


「中国は広いですね。でも、もっと広い国がありますね。

 どこですか?」


「…アメリカ?」


「んー、いいえ、じゃあ、世界で一番広い国はどこですか?」


「わかりません」


めげるな自分。

次、いってみよう。


「じゃあ、この文法と、阿里山・玉山を使って

 文章を作ってください。」


阿里山(ありさん)と玉山(たまやま)というのは、台湾にある有名な山。

阿里山も高いが、玉山は台湾で一番高い。

なので、「阿里山は玉山ほど高くありません」というような文ができる。


悩むT君。

しばし悩んだあと、こう言った。


「私、歴史はあまり勉強しませんでしたから

 阿里山と玉山さん、どっちが高いか、わかりません」


山は、「さん」と読むときと、「やま」と読むときがあり

ごっちゃになって、「玉山さん」と言ったT君。

それじゃ、ただの人の名前だ。

「玉山さん」だったら、阿里山のほうが、よっぽど高いだろう。


というか、自分の国で、一番高い山ぐらい知っておこう。

ちなみに歴史で山のことは勉強しないよ。




などなど、突っ込み所の多い、T君。


更に困っていることは、彼

主体性が全くない。


今まで、見かねたお母さんに言われるがまま

日本語を勉強し、留学し

そして、地震のことで台湾に帰ってきた。


特に趣味もない。

強いて言えば、日本語。


なので、話題が少ない。


唯一、彼の主体性が見えたのは

日本へ留学する前の、あの先生が好き、ということだった。




T君、「日本語能力試験一級を受ける」という目標があるが

私が今、思っているのは

先に中国語の文章で読解力をつけた方がいいんじゃないか

ということ。


一級ともなれば、読解も難しくなり

T君の場合、それを中国語で読んでも、理解できないんじゃないか

という恐れがある。


そして、「一級をとれば仕事が見つかる」と思っているT君。

その前に、アルバイトをしたりして

社会経験を積んだ方がいいんじゃないかなと思っている私。








などなど、色々と思うところのある私です。


しかし、私もただの語学塾の講師なので

どこまで突っ込んでいいものか、よくわかりません。


ただ、T君を見ながら

「自分もちゃんと勉強しなきゃな」

と思うのでした。

お仕事は午後から夜までなので

朝は、のんびりしています。


午前中は、リラックスできる

至福の一時であります。








ガガガガガガ

コーンコーンコーンコーン


眠っていたところを、起こされる。

上の階だか下の階だかで、工事をしている。


台湾の家は、しょっちゅうリフォームをする。

外から見るとボロボロのマンションも

実は中に入ると、きれいだったりする。


おかげで、どこかから、頻繁に工事の音が響いてくる。


うるさい。

うるさいけど、まだ寝たい。


そんな強い気持ちのもと、眠りに戻る。



ピーヒャラヒョー

ドーンドーンドーン


音楽が聞こえてくる。


台湾では、よく中華式パレードのようなものが催される。

何か宗教的な、おめでたい日に

音楽を奏でながら、行進する。


その音楽というのが、気が抜けてしまうようなもので

しかも街を練り歩くので、なかなか去らない。



ピーヒョロピープー パーヒャラヒョー(笛)

ドーンドーンドーン(太鼓)

ガガガガガガガ(工事)

シャーン!(シンバルみたいな、ドラみたいな)

カンカンカンカン(工事)

ズバババババ!!(爆竹)


ピーポーピーポーピーポー…



「あぁもう!わかったから!」


と叫んで起きたのは、10時。

何かが一生懸命、私を起こそうとしているのかと思った。



まずは手帳(台湾式)を開き、今日は何の日か確認してみる。


4/25 (旧暦3/23)

媽祖生


媽祖というのは、道教における、航海の女神。

どうやら今日は彼女の誕生日らしい。


ズババババババ!!


爆竹が鳴り響く。









台湾は、道教と仏教が混在していて

そのぶん、おめでたい日も多いように思います。


しょっちゅう、どこかでお祭り騒ぎ。

何かまずい日となれば、店を閉めます。


なんだか面白いところです、台湾。

先日、母と、台湾南部の

高雄と台南へ行ってきました。


一泊二日の慌ただしい旅行でしたが

案外、見て周れるものです。







台湾には、南北に新幹線が走っていて

それに乗ると、北の都市・台北から南の都市・高雄まで

一時間半ちょいで行ける。

便利。


高雄は、台湾第二の都市と言われていて

最近、どんどん開発が進んでいるらしい。


ただ、観光するような場所は少ない。

私も母も、高雄に友達がいたので

友達に会いがてら、高雄へ。


友達とご飯を食べ、少し観光もして

次は台南へ。



高雄から、特急列車で三十分ほど北に行くと

台南に着く。


台南は歴史のある都市で

日本でいう京都のようなところ。

昔、政治の中心は台南だったらしい。


17世紀ぐらい

台湾は、オランダ人に占領されていた。

台南を拠点に、貿易をしていたんだか、なんだか。


それを、鄭成功という人が、追っ払った。

鄭成功は、台湾では英雄。


以前、授業で坂本龍馬の話をして


「日本の歴史上の人物で、坂本龍馬は人気があります。

 台湾にもそういう人がいますか?」


と生徒に聞いたら、鄭成功だと言っていた。


なので、台南には

鄭成功に関するお寺やお城がたくさんある。


ちなみに鄭成功のお母さんは日本人らしい。

鄭成功は日本人とのハーフ。



などなど。断片的な情報。


実は私も母も、ちゃんと勉強していかなかったので

台南へ行っても、何がなんだか、よくわかっていなかった。


展示物の、中国語の解説を読んでみたり

英語の解説を読んでみたり

日本人ツアーに紛れてみたりして

少しずつ情報を集め、ストーリーを作っていった。


だから、正しいかどうかは、わからない。

実はスペイン人が占領していたのかもしれないし

鄭成功は韓国人とのハーフだったかもしれない。







台湾南部は、台北と違い

空気がきれいで、住みやすそうなところでした。


食べ物もおいしいので、一度、行ってみてはいかがでしょう。


その際は、あらかじめ歴史を勉強しておくことをお勧めします。