僕は馬鹿だった・・
一晩だけの遊びのつもりが・・
あんなに好きだったのに・・
彼女はもう僕の隣には・・いない・・
戻らない時間・・
戻せない時間・・
あれから数年・・
僕の行きつけの練習場、7番打席で起きた奇跡・・
打席の後ろの “そこ” に彼女は微笑みながら立っていた・・
僕は数年前に付き合っていた彼女と再会を果した・・
驚きと嬉しさに戸惑う僕を尻目に、彼女はそれが必然であったかのように、僕の心に入り込んでくる・・
彼女から漂うエタニティーの香りと、ちょっぴり甘目の口調・・
僕の煙草の煙に寄せる眉間の皺・・
すべてがあの頃のままだ・・
再会という甘美な刺激は、懐かしみとともにほのかな興奮も運んでくる・・
僕たちは時間を忘れ、我を忘れ、数年という空白にあるお互いの隙間を埋めようと必死だった・・
この時間を埋めるには、僕たちはあまりにも歳をとりすぎているのかもしれない・・
でも・・
“あのとき”彼女を繋ぎ止めなかった後悔は、二度としたくないんだ!
僕は今の環境を捨てでも彼女と一緒にいたい!
その言葉を聞いた彼女は何も言わず、ゆっくりと車に乗り込む・・
ドアを閉めた瞬間、彼女は僕の顔を見ながらニコリと微笑んだ・・
あれから数日・・
いつもの練習場に彼女の姿は・・いない・・
最後に見せた彼女の微笑み・・なんとなくはわかってはいたんだ・・
今夜も僕は、7番打席で彼女を待っている・・
ちょっぴり曲がった煙草・・煙がやけに目にしみるぜ・・
あれは・・幻か?!?
「スイング」ってこんな感じじゃない・・??