芸術祭十月大歌舞伎
十八世 中村勘三郎七回忌追善
夜の部 演目
宮島のだんまり 大薩摩連中
義経千本桜
吉野山 清元連中 竹本連中
助六曲輪初花桜（すけろく くるわの はつざくら）
三浦屋格子先の場 長唄連中
勘三郎と団十郎が健在だった頃
テレビだったか？
仁左衛門との三人のトーク番組があり
勘三郎と団十郎はモーレツに元気！
ところが お二人は他界され
その頃どちらかといえば病弱だった仁左衛門
今回 勘三郎の七回忌追善でしかも 助六を演じて下さる
全く 人間（ひと）の運命ってわからないものだとつくづく思う
仁左衛門の助六は二十年ぶりとのこと
助六の恋人 傾城三浦屋揚巻 中村七之助
助六の兄 白酒売新兵衛 中村勘九郎
助六の母 満江 坂東玉三郎
三浦屋女房 片岡秀太郎
助六ものは舞台いっぱいに 花魁やかむろが居並ぶ
ぴっかぴかの吉原 なんとも華やか
歌舞伎ならではの演目
しかも主役の助六が仁左衛門だなんて 贅沢なこと！
おそらく これが最後の公演になるんだろう
ひとつ ひとつ しっかりと 眼に 心に 焼き付けておこう
秀太郎の三浦屋女房の可愛いこと いきなこと
ほんのちょっとの出演だけれど 出てくれただけで
ありがたい！
しかし、、、、、、
今回 何と言っても凄かったのが 中村勘九郎
助六の白酒売も 吉野山の狐忠信も完璧！
元々芝居の上手い人なんだけれど
勘九郎 またまた進化
狐忠信 本物の狐になって舞台から消えちゃうんじゃないか
鳥肌がたってしまいました
そしてちょっと涙ほろり
「勘三郎さん 見てますか？感動ですよ！これ」
来年のNHK大河ドラマは勘九郎が主役らしいけれど
あんまり いろいろ 頑張らないで
願わくば ずっと歌舞伎だけやってて欲しい
いつも いつも 本当に 本当に 良い舞台なんです
ところで七之助 十二分にがんばっているのですが
今回の玉三郎との共演で、、、、
玉三郎に有って七之助に無いもの、、、、、？
弥勒菩薩の様な
ふわ〜〜〜〜〜んと包み込んでくれる みたいな色気
優しさ 慈悲 みたいなもの？？？
（もちろん若い頃の玉三郎にも無かった）
いつの日か七之助に感じられる様に成れたら、、、、、
中村勘三郎七回忌追善なので 歌舞伎座のロビーには彼の遺影が、、、、、
目を閉じて 手をあわせる観客も、、、
あーもう七回忌 ついこの間の様な気もするし
ずっとずっと昔の様でもあり
過ぎ去った時間（とき）の感じ方って 不思議
遺影の前に設えられた花の白さが なんとも空しい