下記のやり取りは、とある男性利用者が稀に陥る状況で、その心境が伺えます。
大体はこのような流れになります。


①ココはどこですかアップ

施設名をお答えすると住所も尋ねてくる。
今は無きご実家が実際にご近所であった為、少し安心される。


②私は何でココに居るんですかアップ

お子さんは独立してて、現在は奥様(既に…)も医療型の施設に入居してて、お子さんが独居においての食事(無難)の心配をされたからとお答えする。
事情は把握出来るので納得はされる。


③私はいつまでココにアップ

奥様の病状が回復してご実家に戻れるまでとお答えする。
但し、長期間ではないというニュアンスに心がけないと不穏になる。


④もうどれぐらい私はココにアップ

正直にお答えしても大丈夫だが、1年ぐらいに抑えたほうが吉。


⑤家族は誰か面会に来てますかアップ月に1回は来てくれてますかアップ

名前(名)でお答えすると面識があることに少し安心される。
実際に週1~2回は来て下さってるので正直にお答えする。


⑥ココの支払いは子供がやってくれてますかアップ

経済的に迷惑をかけてないという安心感を与えたいところなので、ご自身の年金で十分足りているとお答えする。


といった感じです。

当然ながら、お答えする内容についてはお子さんと相談した上で共通のものに。

短期記憶がかなり低下している方なので、質問の繰り返し具合はその都度違います。



不安になる部分もその流れも実に正常なだけに、その恐怖心は計り知れないものでしょうね。

介護の難しいところは、こういった心情を理解した上で支援していかなければいけないことです。
「はぁ…また聞きに来たよ…」といった印象だけが先行していると相手に伝わってしまう(無意識に言葉に出る)もので、不穏を煽ります。

何度でも聞きに来て下さい的なニュアンスが伝われば、納得には至らなくても信用はされるといった感じですね。


たまに通用しないこともありますが、ソコが奥の深いところみたいな。
最近、服薬ゼリー(錠剤などは潰してゼリーに混ぜます)が欠かせなくなっている利用者が増えています。

①錠剤そのものが薬だと認識出来ず、いつまでも飲み込まない方

2名

②水と一緒に飲み込む方法がわからなくなった方

1名

③むせ込みが酷い方

1名

④真似がしたくなる方

1名

といったラインナップでございます。

①の方は仕方ありませんよね。ご本人に責任はありませんしね。

②の方は時と場合によるケースもある訳ですが、安全を優先です。

③の方はお年寄りに良くありがちですね。ウチはまだ少ないほうかもしれません。

④の方もこういう施設では珍しくありませんよね。点眼でさえ羨ましがる訳で。


本来は飲み慣れてるというイメージもある訳で、実際に普通にお上手な方も居ます。

しかし、以前も触れましたが、嚥下(飲み込む)機能の低下というのは本当に深刻でして、一歩間違えば…です。


施設によっては飲み物に混ぜる場合もあるようですが、
ウチの場合はデザート感覚という利点を使わせてもらっています。

俗に言う別腹。

ただ、良薬は口に苦しということわざもありまして、やっぱ苦いようです爆弾


まぁ、こういう部分ほどご家族の方はショックを受けられますね。
見返りを求めてはいけないとは思いつつも、利用者から
「ありがとう」
って言われると疲れがぶっ飛んだ気がします。

かゆい所に手が届くような、そんな支援を理想にしてる僕ですが、利用者の本心とは単純そうに見えて実は複雑でして、意識しすぎると五月蝿がられることも。

単純に考えれば私達と同じような感情を持っている訳で、その受け取り方に少し違いがあるみたいな。

大事なのは言うまでもなくタイミングです。

また、その利用者の好まれる間の取り方や支援内容という部分も重要で、新人スタッフの鬼門だったりします。
言っちゃあ何ですが、そのスタッフの持って生まれた人柄(簡単には変えられないアップ)も重要ですね爆弾

でも、自分の辞書にはないから…と、新しい引き出しを作ろうとしない方は必ず居ますよね。
しかも、自分には向いてないのかな…と言い訳をしたり。

誰だって努力してるんですけどね爆弾

僕だってもしこの仕事を選んでなかったら、全然違う自分だったと思いますよ。

そういえば先週のこと、とある利用者の居室の引き出しから「自分が自分じゃなくなっていく」と綴られた古い紙切れが出てきました。
字が書けなくなってから随分経ちますから、それ以前か、もしくは入居前から持っていてたまたま発見していなかったモノなのかは定かではありませんが、
なりたくて認知症になった方なんていない
ということを再確認させられました。


お礼を言われて優しくなれる瞬間も時には必要ですが、
いつ何時でも優しい存在でありたいなと思わされます。