東日本大震災から… 

 

2011年3月11日の東日本大震災から、今日で13年です。
 
当時、私は小学校1年生でした。
 
被災地からは遠く離れたところに住んでいたので、特に被害を受けたわけではないですが、震災の記憶はしっかりあります。
 
それほど東日本大震災は凄惨なものでした。
 
 
 

 

人生経験とものの見方

 

先に書いたように、被災地からは確かに離れた場所に住んでいましたが、自分の家は海からかなり近いところにあります。
 
テレビでは繰り返し津波の映像が流されていて、津波警報も出されていたから、自分のところにも津波が来るのではないかと当時はすごく不安になっていました。
 
朝、目覚めたら、辺り一面水に浸かっているんじゃないかと本気で思っていました。
 
 
まったく同じ状況が目の前にあったとしても、子どもと大人では感じ方が異なってきます。
 
ものの見方は人生経験に依存します。
 
 
私が見た東日本大震災は、7年間生きた子どもから見た震災です。
 
そのとき私は、東日本大震災のような震災は7年に1度起きるものだと思いました。
 
どうやらそうではないらしいというのは、後々わかってくるわけですが…。
 
 
 
 

 

1人の子どもがいれば生きていける

 

「天災は忘れた頃にやってくる」
科学者で随筆家である寺田寅彦の有名な言葉です。
 
寅彦は、著書の中でこう語っています。
 

 

こういう災害を防ぐには、人間の寿命を十倍か百倍に延ばすか、ただしは地震津浪の週期を十分の一か百分の一に縮めるかすればよい。そうすれば災害はもはや災害でなく五風十雨の亜類となってしまうであろう。

しかしそれが出来ない相談であるとすれば、残る唯一の方法は人間がもう少し過去の記録を忘れないように努力するより外はないであろう。

 

寺田寅彦『地震雑感 津浪と人間:寺田寅彦随筆選集』

 

 
寅彦の考えは、人の寿命を伸ばすか地震の周期を縮めることで、災害を日常のものにしてしまおうというものですが、これは7歳の子どもの存在と置き換えて考えることができます。
 
もし、目の前に大震災を7年に1度起きるという見方をする子どもがいたら、さらにその子どもが一生7歳で居続けることができたら、これから来る震災を突き放して生きていくことはできないと思います。
 
 
7歳の自分を忘れないように、生きていきたいです。