長年営業をやる者として
手にしたかった
最高優績の地位は
実際
手にしてみると
あっけないもので
自分のエネルギー
全てを一点集中させて
出し切ったものの
喜びに
浸る間もなく
いつまでも
人から褒められ
認められ
続けるわけでもなく
翌日４月１日には
また０から始まり
いつも通りの
毎日になった
表彰式は豪華に
椿山荘で行われた
豪華な食事が並んだが
周りは知らない人ばかりで
言わば
日々競い合っている
ライバルなわけで
心を許せる
楽しい食事会とは
正直思えなかった
スーツも気合いを入れて
新しく新調して出席した
なのに
最高優績を
手にしても
自分の中で
何かが変わることもなく
満たされることもなく
こんなもんか・・
という虚しさで終わった
「たら」
「れば」
は
所詮
妄想の話で
怖れから
始まるものは
最終的には
怖れに着地した
これは
三次元で生きると
どうしてもハマりやすい
罠になっているが
この頃の私は
そんなことも知らずに
ああなったら！
あれが手に入ったら！
あの人みたいになったら！
きっと良くなるはずだ！！
そう信じて
全力で走ってみたが
何処にも
たどり着きもせず
自己満足で終わった
営業という仕事は
もはや私の喜びでは
なくなっていたが
営業を止めることは
仕事を辞めることなので
簡単に止まるという
選択は出来なかった
しかし
前年度で
自分のエネルギーを
出し切ったからなのか
空回りを始め
勢いが全く無くなり
数字が挙がらなくなって
成す術がなくなった
これから
突入する
停滞から
落ちて行く
自分の人生に
恐怖を感じながら
私は
どうすることも出来ずに
胸に弾ける違和感を
感じたのであった
つづく・・
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