漆黒の制服が揺れる。
雲雀は、骸と再度戦うために
黒曜に向かおうとしていた。
明日には未来に戻らなくてはいけないため、
それまでにカタをつけたかったのだ。
しかし、そんなことで無駄な怪我をしてはいけないと、
ツナやディーノには止められている。
だがそんなことを聞く雲雀ではない。
雲雀は応接室のドアを開いた。
「どこ行く気だ?」
しかしドアのまえで静止したのは、
腕をくんだディーノ・・・
「何のよう?貴方には関係ないよ」
「あのなあ・・・ツナにも言われてんだろ。ボスの言うことくらいちゃんと聞けよ・・・」
「ボス? ・・・僕にはそんなこと関係ないね。」
そう言う雲雀の手には、
すでにトンファーが握られていた。
「僕の道を妨げるヤツは容赦なく・・・・咬み殺す」
まさに風を切る勢いで、
雲雀はディーノに向かってトンファーを振り下ろす。
だが、
すでに察していたかのように、
容易にムチで止められた。
「ワオ。 さすがってとこかな?」
「・・・・・」
無言のディーノだが、
そのムチはギチギチと音を立て、
異様な威圧感を放っている。
「いい加減にしろ・・・・餓鬼かよ・・・」
「・・・・・うるさいよ・・・ !」
ディーノの一言に怒りを見せた雲雀は、
ほんの一瞬の隙に気がつかなかった。
雲雀の腕はすでに、
自らのトンファーとともに
ディーノのムチに巻きつけられていた。
「なっ・・・・」
「ちょっとはマシな性格にしてやるよ」
雲雀は、
自由を奪われる――――・・・
――――――――・・・
静まりかえった応接室・・・
かすかに響く音は、
床とトンファーが擦れる音と・・・
ムチが軋む音と・・
甘い吐息―――――――
「ハ//・・・・これ・・・はずせ・・・」
「駄目。 お前ただ強くても常識ってもんがないからさ」
「ぁっ//・・・・っ・・・・///・・・・・」
「俺が今しっかり教えてやるよ」
ディーノは雲雀の体を指でなぞると耳元に言葉を発した。
「まず1つめ」
「っ・・///・・・・」
「人の言うことはちゃんと聞け」
「黙ってよ・・・・ハ//・・・・ぁ//・・・」
悪態をつく雲雀だが、
すぐにディーノの手つきが強まる。
「ぁっ////っ・・・・・・・・」
「分かったか?」
「・・・・・はい・・・・ぁぅ//・・・」
「じゃあ2つめ。無茶はしない。少しくらい人に頼る」
「ひっ//・・ぁっ//・・・はい・・・」
「3つめ」
ディーノは真っ赤な頬に涙を伝わせる雲雀を抱え、
自分の膝の上に向い合うように座らせた。
「ぁっ///待っ//・・っ///・・・・・・ハ」
「素直になること」
そう言うディーノだが、
雲雀はすでに返事をする気力もなく、
ただ激しく呼吸をしながら涙目で見つめるだけ・・・・・
「分かったか?」
「・・・・ふぇ//・・・・ぁ//・・・」
「返事」
無理だと分かっていても、
すこしでも素直になるように
ディーノは無理を強いる。
「ハ//・・・ぁ//・・・はい・・・」
もうすでに何を言ってるか自分でも理解していないだろう。
それでも必死に口を動かし、
うるむ瞳で
必死にディーノを見つめた。
「素直でよろしいw」
そしてディーノは、
雲雀の額にそっと口付けをする――――
我儘な姫には
指導の意を――――――――
素直な姫には
愛の手を―――――――――――
この漆黒の姫には・・・
何を与えよう―――――――――――
END