「う゛おぉぉおおい!いるかクソボス」




スクアーロは、勢いよくザンザスの自室の扉を開けた。




仕事の話が山のようにあったのだ。




だが、



いつも座っている椅子に、ザンザスの姿は見えない・・・





「なんだよ・・・いねえのか?」





1人で使うには広すぎる部屋を見渡すが、見当たらない。




ふと、



近くにあったソファーを見ると、




そのソファーには、堂々と座り、寝息をたてるザンザスの姿――――





「・・・寝てんのかよ・・・」




仕事があるというのに・・・と呆れるスクアーロだが、




世話焼きの精神が出てしまったのだろう。




近くにあった毛布を手に取り、




そっとザンザスにかけた。




「ったく・・・こんなとこで寝たら風邪ひくじゃねぇか」




どんなに文句を言い、




どんなに悪態をついても、




やはり目の前の存在は、





スクアーロにとって、かけがえのない大切な




恋人――――――





―――――――





グイッ



「?!うわっ」




突然、



ソファーから延びた手に、




スクアーロは引きずり込まれた。




「よう」



「・・・んだよ・・・起きてんのか」




スクアーロが引っ張られたのは、




ザンザスの上。




「いや。 寝てたんだが



 テメーの視線を感じてな」




「な///・・・ だれがテメーなんかを見るかよ!」




必死に弁解をするが、




その表情は、果実のように紅く染まっていた―――




「だいたいテメーがそんなとこで寝るのが・・・」




「おい」




スクアーロの文句も虚しく、




ザンザスの一言に途切れさせられた。




「寒い」




「はぁ?! 毛布かけてんだろうが」




「こんなんじゃダメだ」




するとザンザスは、スクアーロの背中に手をまわし、




濃厚な口付けを落とす・・・・





「んっ///・・・ハ」




前にも後ろにも逃げ場のないスクアーロは、




ただただそのキスに溺れるしかない・・・





「お前の温度は、こんな毛布じゃ足りねえんだよ」





―――――――・・・







「んっ//・・・ぁっ//・・・・ぁ」




流される・・・・・





飲みこまれる――――――――――





「ぁぅっ///・・・・ぁっ」





アイツのペースに・・・





アイツの言葉に――――――





溺れる――――――




「どうだ?」




溶けそうだ・・・・・





「ぁ/・・・・暖かい・・・」




コイツの温度に・・・・・





愛という熱に――――




「上出来だ」





融点は・・・・





もうすぐそこらしい――――――――




END

「なぁ獄寺~ 好きっていってくれよ」



「バーカ。誰がんなはずかしいこというかよ」




山本と獄寺は恋仲だった。



互いに相手の事が好きで、結ばれた仲。



だがそんな中に嵐のようにやってきた事件・・



ツナが、山本にキスをしてきた――――――












―――――――――――・・・・



「獄寺っ」



「山本?」



ツナにキスされた次の日、



獄寺はまだ、山本にそのことを話してはいなかった。



ツナも、冗談だと言っていたし、



何よりこの仲を壊したくない。



そんな不安な気持ちが溢れ、




今だに言いだせずにいた・・・




「今日さ、俺ん家来てくれねえか?」



「ぇっ・・・どうしてだよ?」




「来週、テストじゃねーか。勉強教えてくれよ;;」



「ぁっ・・ああ。わかった。」



なぜだか、



獄寺はあせってしまう。



いつ言ったらいいんだろう・・・



なんて言ったらいいんだろう・・・・



そんなことを考えて、



放課後になった―――――――







―――――――――――。


「ただいまー。親父、今から獄寺に勉強教えてもらうから」




「お邪魔します・・」



「そうかい。そんじゃ俺は、ちょっと出前に行ってくる」



山本の父親は静かに部屋を出た。



恋人と2人きりの空間を邪魔するほど、この人は野暮ではない。



だが今の獄寺にとって、



2人きりは息苦しかった。



あのことを、どう話せばいいか・・・・



そればかり考えていて、



まったくペンが進まない・・・



「獄寺?・・・・」




もうこんな空気が続くのはいやだと考えた獄寺は、



とうとう話しを切り出した。



「あのなっ・・・山本・・」



「そういえば獄寺」



だが、



獄寺が話し始めたとたん、山本はそれを遮断する。



重い空気がながれ、



獄寺は戸惑った。



「・・・クラスのやつが、獄寺がツナにキスしてたって話を聞いたんだけど」



「・・・・っ?!」



獄寺は、瞬間顔を真っ青にして、



額を少量の汗が伝った。



「どういうこと?」



声はいつもの優しい口調だった。



だが、



顔は真剣で、何よりその表情に、



獄寺は少し恐怖を覚える・・・




「ぇっ・・・いや・・・あの・・・・」



頭の整理がつかず、



一言一言があやふやになる。




「獄寺・・・」



その間にも山本は、



ゆっくりと獄寺に沿う。



ゆっくり、ゆっくり沿いながら、



獄寺をおいつめた。



反射的に引き腰になっていた獄寺は、



とうとう背中に壁が当たる。



「なんで逃げるんだよ?」



「いやっ・・・その・・あのさっ・・・・」



怖いという感情を必死に押し殺そうとしているときだった。



突然、山本は獄寺の後ろに回り込み、



一瞬の間に、落ちていたタオルを器用につかい、獄寺の手を1つにまとめた。



「なっ?!・・・何しやがる!」




「・・・・・・」



山本は無言のまま獄寺を見つめると、



おもむろに唇を重ねた。



「んっ・・・ん//・・・・ぁ・・・」



それは、いつもと違う、



乱暴なキス―――――




「・・・ツナにも・・・同じことしたのか・・?」



絡められていた舌を引き離し、



山本が小さい声で言う。



「違っ・・・・ハ//・・・」



その反応に、山本は一瞬眉を動かし、



手元にあったペンを手に取る。



「そんなに言えねえようなことなのかよ・・・」



「山本!違うっ・・・あれは・・・・ぁっ///あ!///」



不意に、山本の手にあったペンの先が、



獄寺の胸元をツンと突いた。



「獄寺は・・・ツナの事が好きだったってわけか」




問い詰めるように、



胸の突起をペンの先で弄る。



「ぁっ//・・・ふ//・・・違・・・//・・・あれ・・・は・・・10代目が・・」



「ツナが?」



「10代目が・・・///・・ぁっ//・・・俺に・・//」



必死に状況を説明していたが、



「あ!///ぁっ//・・・・ぁ」



山本は、獄寺のシャツのボタンをはずし、



直に体をペン先で弄る。



「・・・キスした事は、否定しないのな・・・」



「やっ////・・・・ぅ///・・・ぁ」



想像以上の刺激に、



獄寺の口からは、甘い吐息が漏れた。



「・・・じゃあ・・・獄寺は、俺とツナ、どっちが好きなんだよ」



問いかけているのに、



胸の突起を何度もペン先で弾くので、



獄寺は返答できない。



「ね?答えろよ獄寺・・・・」



「ハ//・・・ぁっ//・・・っ・・山・・・も・・と//・・・」



「聞こえない」



「ぁ//・・・・山本//・・・・ぁっ///ハ///・・・ぅ//・・・


 た・・・けし・・が・・・好き・////」



そう言った獄寺は、



精一杯首を伸ばし、



山本に口付けをした。



最初は驚いていた山本だったが




すぐに獄寺の頬に手を添え、



深く深く、



口付けを返す――――




「ハ//・・・ぁ・////・・・ぁ//・・・」



2人が離れたところから、透明な糸が引く・・・



「・・・・やっと、言ってくれたなw」



「ハ//・・・・・は?・・・///・・」



山本は、獄寺の手を解きながら、、



楽しそうに語る。



「あんまりにも獄寺から好きって言ってくれねえから、



 ツナに協力してもらったんだw」



「はぁ?!」



山本の話によると、



そのことをツナに話すと、



リボーン絡みで協力したらしい。



当然、あのキスも、2人の唇の間に、



リボーンが特殊なフィルターを張っていたそうだ。



「なっ・・・なっ・・・・/////////」



獄寺は当然、羞恥に頬を染める。





「嬉しかったぜw獄寺w」



「///////////////////////」







それから数日、獄寺が山本に口を聞かなかったのは、



まぁ当然のことだろう・・・・




END


「ツっくーん お友達よー」



日曜日。



学校も休みで、一人家でゆっくりとしていたツナに、



1階から、母が声をかけた。



誰だろうと思いつつ、



1階へ降りてみると、そこにいるのは



「クローム?!」



玄関で、恥ずかしそうに立っている少女は、



クローム髑髏だった。



「ボス・・・・ごめんなさい。突然来て・・・」



「いやっ・・それはいいんだけど・・どうしたの?」




めったに人前に出たがらないクロームが、



わざわざ足を運ぶほどだ。



何か大切な理由があるのだろうと、



ツナはそう思った。




「ボス・・・お願いがあるの」



「?何?」



「何も聞かずに・・・私をボスの部屋に入れてほしいの」



「ぇ?!」



突然そんなことを言われ、



ツナは驚きの声が出る。



「それはちょっと;;・・・何も片付けてない部屋に


 女の子を入れるわけには・・」




「お願いボス・・・ 骸様の命令なの」



「・・・骸の?」



ツナと骸は、みなに知られていないが



仲がいい。



というより、恋人だった。




だが最近、



骸はクロームから姿を表わさない。



それを心配に思っていたのだ。



「わかった。 こっち」



「ありがとう」



クロームは小さく笑うと、



小さな動作で、ツナの部屋に入った。





「そのへんに座って;;ごめんな汚くて」



「大丈夫。それより骸様が・・・」



そう言った時だった。


突然、クロームの動作が停止する。



「クローム?」



不審に思ったツナは、



クロームの顔を覗き込む。



するとその顔はすでに



骸―――――――



「骸っ・・・んっ//・・・・」



覗きこんだ所を不意つかれ、



勢いよく唇が重なった。



無理な体勢だったので、



ツナはすぐに、後ろに倒れこんでしまった。



「んっ///・・・ハ//・・待っ・・・骸・・・」



「おやおや。そっけないじゃないですか」



「ハ//・・・今まで・・・何してたんだ・・・よ・・・」



「そんなこと・・・」




「ぁっ//・・・ぁ//・・・今は・・・こんなことしてないで・・・


 おまえと話を・・・」



「あとにしましょう。 僕には時間が少ない」




ひさびさに触れる骸の感触が、


ツナにとっては



どこか懐かしく、



つい流される―――――



しなければいけないこと・・・



聞きたいことが



たくさんあったのに―――――








―――――――・・・





「ぁっ//・・ハ//・・・なんで・・・そんなに・・・」



呂律が怪しくなるツナだが、



必死にそう骸に問いかけた。



「時間が少ないからです・・・


 クロームの中に入るだけでもかなり辛い・・・それに加えて


 この姿になると、それなりの力を使わなければならないんですよ」




「それって・・・ハ/・・・骸の命に関わったり・・・ハァ///・・しないんだろうな・・・」



「・・・どうでしょうね・・・ですが、僕自身それなりの負担は負っています。


 クロームに無理をさせているのも事実です・・・」



クロームからこの姿になることは、



容易では無いようで・・・



そのため、



この姿を保つ時間を短縮するしかないのだ。




「じゃあ//・・・・・早く戻ったらいいじゃんか・・・」



「つれないですね・・・ひさびさに会えたんですよ。


 僕に栄養補給をさせてくれてもいいんじゃないですか?」




「ぁっ///・・ぁぅ//・・・・ハ//・・」



骸の熱が、



鼓動が、



ツナに直接伝わる・・・・



お互いにどれだけ辛い思いをしているか。



そんなことも、



すべて共有されるようだった。




「骸・・・・・///・・・」



「はい?」



「無理は・・・しないでいいから・・・」





だから・・・・・




いなくならないで・・・



愛しさの証拠を残してほしい――――




それから



また、



無理はしないでいいから




いつか




いつか・・・・・・



会いに来て―――――




待ってるから。



END

山本は、獄寺の事が好きだった。



今になっての感情ではなく、



知り合った10年前から・・・



ずっと―――――





だが、



そんな山本の感情は報われない。




獄寺は、ツナと恋仲だった・・・



10年間、



ずっとずっと、



2人を見ているだけで、



そんな関係を壊したくない・・・・




せめて・・・




この仲間という関係を




壊したくない一心で、




ずっと、




我慢をしてきたのだ・・・・







――――――――――――



「山本っ丁度よかった」



ツナは10年間何も変わらない。



意志が強くて、




なんだかんだでしっかり仕事をこなす。




俺は、



こんなツナだからこそ、



10年もの間、我慢できたのかもしれない。




ツナには、



すべてにおいて、



勝てるところがなかったから・・・




「10代目っこちらにいらっしゃったんですか」



「獄寺くんっ」




それに、



獄寺はツナといるときが




1番幸せそうだったから・・・




俺の出る幕なんてないんだろうな――――




「山本。俺、今から


 ミルフィオーレのボスと交渉に行ってくるから」



「ミルフィオーレの?・・・


 大丈夫なのか?俺も付き添って・・・」




だがツナは、



大丈夫。



そう一言言って、



1人で歩きだした。




めずらしく、獄寺はツナに付き添わない。



「獄寺は行かないのか?」



「・・・10代目が・・・危険だから1人で行くとおっしゃったんだよ」



そのときの獄寺は、



少し背中を押せば、



今にも走りだしそうで・・・



きっと、




精一杯、歩きだしそうになる足を



止めていたんだと思う。



ツナのことだから、



俺はまったく心配はなかった。




獄寺だって、



ツナだから、



信頼して1人で行かせたんだと思う。




それも、



ツナの魅力・・・




俺にはきっと、



そんな魅力はない。




だからもう、




獄寺の事はあきらめよう。



きっとそれが



獄寺の幸せなんだろうと・・・・




そう思った矢先だった。




突然。






ツナが死んだのは――――――――――




続く

それは、



突然に――――――――・・・









―――――――――――・・・




「ツナが・・・・死んだ?・・・」



それは突然だった。



さっきまで、




明るい笑顔で歩いて行ったツナ。




それが突然、



なんの前触れもなく




消えてしまった――――――




「俺のせいだ・・・・俺が・・・・」




獄寺はたぶん泣きはらしたんだと思う。



目が腫れた状態で、




その不法を、俺に伝えてきた。



「なっ・・・なんかの間違いだろ;;


 ツナがそう簡単に死んだりするわけねえじゃねえか;;」




俺は、認められなかった。



今まで・・・10年ものあいだ、



絶対に越えられないと思っていたツナが、




いなくなるような事は、




ましてや、恋人を遺して逝くようなことは




信じたくなかった・・・




「・・・・・いや・・・俺がこの目で見た・・・


 俺だって・・10代目が亡くなるなんて間違いだと思いてぇよ・・・



 でも・・・」




獄寺の顔は、今にも泣きだしそうで・・・



それをこらえるかのように、



グッと握りこぶしを作っていた。




「嘘だろ・・・・・・・・ツナが・・・・・」




「・・・・・・・・・・・・・・」




獄寺は無言のまま俯いて、




俺は・・・




中学のころ、野球の試合で負けた以来の




大量の涙を流していた・・・・・







―――――――――――・・・










ツナが死んで数日。




ボンゴレは酷い状況だった。




死んじまった奴らもたくさんいる。




それこそ、




ツナの偉大さを思い知らせれた・・・






俺は、もう泣くだけないた。




さすがに、いつも笑ってればなんとかなるとか思ってた俺でも




こればっかりは涙が止まらねえ・・




ずっと一緒にいて、一緒に困難を乗り越えてきた仲間だ。




そりゃ、何度か獄寺を手に入れたくて、




ツナを疎ましく思った時もあった。




でも、



それ以上に、それにいつも勝っていた感情・・




大切な仲間――――――





それなのに、



俺らのおかれている状況は最悪で・・・




仲間との別れをゆっくり惜しむこともできない・・・・




ミルフィオーレの戦力は確実に拡大し、




ボンゴレはいつ壊滅してもおかしくない状況だった。







―――――――――――――







「獄寺っ」



その日は、ミルフィオーレをどう対処するかを



話し合う会議だった。




アジトに各1つずつある、個人の個室。




俺の部屋は、獄寺の隣だったので、




こういう集まりのときは、いつも一緒に行っていた。




今日も声をかけようと、



獄寺の部屋をノックした。




「?あれ?まさか寝てんのか?;;」




もし寝ていたらまずいなと思って、




俺は獄寺の部屋に入る。




だがそこに、獄寺はいなかった。




「あれ?;;」




獄寺の机の上には、



1枚の紙切れがおいてあって




【山本へ


 10代目の棺によってから会議に行く】



と、書かれてあった。




じゃあ、あんまり邪魔しねえほうがいいな・・・




俺はそう思って、




部屋を出ようとしていた時、




小さな棚に、大切そうにおいてあるものが眼に入った、




それは




一通の手紙――――――




続く