今週から回帰分析を開始したので分析の基礎となる統計的なところをまとめておきます。
このブログでは次の為替レート決定モデルを想定しており、日米の金利差を唯一の説明変数とする単回帰モデルとなっています。
(1)為替レート決定モデル
為替レート(JPY/USD)=α+β(米国金利(Ru)-日本金利(Rj))+残差項(ε)
*但し残差項(ε)は平均0、標準偏差σの正規分布にしたがうランダムウォークと仮定
なお、日米の金利は各国の10年物国債の利回りを使っています。
残差項(ε)は、相場における金利以外の理由による全くのランダムな動きを表しており、平均=0、標準偏差(σ)の正規分布に従うものと仮定しておきます。
つまりこのモデルでは金利により説明できる相場変動 「α+β(米国金利(Ru)-日本金利(Rj))」の部分と全くランダムに変化している残差項(ε)とに分けて、為替レートの変化の度合いを見ていくことになります。
(2)各用語の意味
α(アルファ):
回帰におけるY軸との切片で、このモデルでは仮に金利差がゼロになった場合の為替レートを示します。
β(ベータ):
金利の変化に対する為替相場の変化の感度を示しており、例えばベータが「10」の場合、1%金利差が変化すると10円、0.1%金利差が変化すると1円為替レートが変化することになります。
εのσ(ボラティリティー):
このブログでは残差項(ε)の標準偏差(σ)をボラティリティーと定義します。仮にεが正規分布とするならば為替レートは、回帰式の理論値( 「α+β(米国金利(Ru)-日本金利(Rj))」)の±1σ以内に67%、±2σ以内に94%の確率で存在しているはずです。つまり、ある日の為替レートが回帰式の理論値から±2σ以上かい離することは6%以下の確率でしか起こらないことになり、「その日の金利差から考えれば高すぎる若しくは安すぎる水準」であることが考えられます。
*但しεがモデルの前提のとおり、正規分布にしたがう場合。
(3)モデルの検定
相関係数:
2つのデータがどの程度連動して動いているかの指数。このブログでは為替レートと金利差の相関係数を計算しています。相関係数は必ず-1以上、+1以下となる性質があり、相関係数が+1とは2つのデータが完全に連動して変化していることを意味し、-1の場合は全く反対の動きをしていることを表しています。また、ゼロの場合は2つのデータは全く関連性なくバラバラに変化することになります。
R2(決定係数):
回帰モデルの説明力を表す指標。この指数は0以上1以下の値をとり、1に近ければ近いほどモデルの説明力が高いことを示します。
有意F
回帰モデルが全体的に全く意味のないものかどうかを判定している指数。この値が0.05以下であれば統計学ではその回帰モデルにはそこそこ意味がありそうだということになり、0.05以上であればその回帰モデルは疑わしいと判断されます。
*ただし5%有意水準において
*統計的厳密さには欠ける表現があるところは、ご容赦ください。