こんばんは。
広島大学病院 乳腺外科 木村優里 です。
乳がんにおける大きな海外の学会で、サンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS)というアメリカで行われる学会があります
そこで去年の年末に発表された内容ではありますが、進行再発のトリプルネガティブ乳癌に対して、既存の化学療法に免疫チェックポイント阻害薬であるキイトルーダというお薬を上乗せすることで、OS(全生存期間)が延長するという結果が、The New England Journal of Medicineという大きな雑誌に論文掲載されましたので、ご紹介します
なんともすばらしい結果です
こちらの治療は、既に実臨床でも日本で使用しています
とはいっても、PD-L1が陽性の患者さんが対象ですので、トリプルネガティブ乳癌のなかでも38.1%程度です。
しかし、治療の選択肢が限られるトリプルネガティブ乳癌において、この結果は非常に大きな治療戦略となっています
たくさん新しいお薬も増えていますが、その中でも一つずつ確実なエビデンスが積み重なっていくと、患者さんにとって、副作用はあるけれど、お薬の治療をがんばろうという気持ちとか、安心感とかに、少しでもつながればと思っております
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