月1回のおしり注射か、毎日のお薬内服か。 | 広島大学病院乳腺外科ブログ ~広島の乳がん医療に取り組みます~

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広島大学病院乳腺外科スタッフが、乳がんのこと、日常のこと、感じたことなどを交代で綴っていきます。ぜひ、気軽にコメントもいただければうれしいです!
注:このブログは広島大学公式ブログではありません。発言内容は個人の見解であり、広島大学とは一切関係ありません。

 

 

 

こんばんは。

 

乳腺外科の 木村 優里 です。

 

 

みなさんは、1カ月に1回のおしりの注射予防接種とお薬を毎日内服する薬の、治療としてどちらかを選ばなければいけないとしたら、どちらを選びますか??

 

乳がんのホルモン療法の中にはフルベストラント(フェソロデックス)という注射のお薬があります予防接種アセアセ

月に1回、おしりへの注射なのですが、当然注射なので痛みは伴いますし、注射部位反応といって、打った場所が硬くなったりもしますタラー

 

長く治療が効いていることはとてもうれしいことなのですが、何年も治療を継続されている方は、だんだん注射部位反応や通院頻度も治療継続の負担となってくることもありますガーン

 

そんな中、新たなホルモン療法として、経口SERD薬というお薬の開発がすすんできています上差し

 

名前のとおり、経口なので、内服のお薬です薬

その中の先駆けとして、Elacestrant(エラセストラント)というお薬の結果をご紹介します。

 

 

治療歴のあるホルモン陽性HER2陰性乳がんに対して、

標準ホルモン療法と比べて、Elacestrant単剤
 

・病勢進行または死亡のリスクを30%減少

・ホルモン抵抗性(ESR1m陽性)でも45%リスク減少

 

の結果でした。
 

これだけで、フルベストラント(注射)の代替とはいえないのですが、注射以外にも内服薬という治療選択も増えること期待されますキラキラ

 

治療効果ももちろん大切ですが、治療は長く続いていくので、通院だったり投与経路だったり、患者さんの治療負担が少しでも軽減されることも大切ですねふんわりリボンキラキラ