葉状腫瘍 | 広島大学病院乳腺外科ブログ ~広島の乳がん医療に取り組みます~

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広島大学病院乳腺外科スタッフが、乳がんのこと、日常のこと、感じたことなどを交代で綴っていきます。ぜひ、気軽にコメントもいただければうれしいです!
注:このブログは広島大学公式ブログではありません。発言内容は個人の見解であり、広島大学とは一切関係ありません。

こんにちは。

広島大学病院 乳腺外科の鈴木です。

 

橋詰先生のブログにもありましたが、6月30日より

乳癌学会が開催されます。

私も現在、発表するスライド作りをしています本

今回学会で発表する内容は、葉状腫瘍についてです。

というわけで今日のブログも葉状腫瘍について書いていこうと思います足あと

 

葉状腫瘍は乳房にできる腫瘍の1つで、

上皮組織と結合織が混合して腫瘍化”したものです。

 

ちなみに、乳がんは“上皮細胞”ががん化したものをさしますメモ

 

すべての乳房腫瘍の中で1%未満の頻度で、とても稀な病気です。

 

葉状腫瘍という名の通り、腫瘍は木の葉に似たパターンで成長します🍃

 

(図はMy pathologyReportより引用)

 

特徴としては、

40代の女性に多く、増大スピードが速いことです。

急に大きくなることで、腫瘍が露出したり、潰瘍ができる場合もありますハッ

 

治療は、基本的に手術を行います。

乳房部分切除・乳房全切除どちらでも、腫瘍が十分に取りきれることが大切です。

乳がんで行うホルモンの治療や抗癌剤、放射線での治療はあまり行われません。

 

さらに、葉状腫瘍は、“良性”、“悪性”、その間の“境界悪性”、という3つに分類されますが、悪性の場合は他の臓器に転移したり、再発する可能性があります。

しかし、頻度は少ないですが、良性であっても局所再発をすることや、悪性転化する場合もあるので注意が必要です注意

 

今回学会で発表する症例も、最近1年間で急激に増大し、受診されたときには25㎝もの大きさになっていました。

手術でしっかりと切除できて、現在は再発なく経過されています合格

 

以前のブログで、がんはゆっくりと大きくなると書きましたが、必ずしも悪性とは限らない葉状腫瘍の方が増大スピードが速いことが多いんですねひらめき電球