閉経してもホルモン療法が必要なのですか?~女性ホルモンが低下した体の中での折り合い~ | 広島大学病院乳腺外科ブログ ~広島の乳がん医療に取り組みます~

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広島大学病院乳腺外科スタッフが、乳がんのこと、日常のこと、感じたことなどを交代で綴っていきます。ぜひ、気軽にコメントもいただければうれしいです!
注:このブログは広島大学公式ブログではありません。発言内容は個人の見解であり、広島大学とは一切関係ありません。

こんにちは

 

広島大学病院乳腺外科 恵美です。

今日は、午前の遺伝子診療科でのカウンセリングをすべて終えて急いで午後の外勤へ向かうため車に乗り込むと

フロントパネルが示した温度はなんと

『30℃』滝汗

 

・・・そりゃあ・・・汗も出ますねあせる

 

吹き出す汗がホットフラッシュなのか、医師の自分でも見分けがつかないこの数日です。

夜中に暑くて目覚めるのですが・・・

果たして、室温が高いのか、自分の体が熱いのかはてなマーク

わからないため、右や左の子供たちの顔や腕を触って確認

 

冷たい・・・私だけか・・・

 

この時期に熱中症になってしまう方もいらっしゃいますので、まだ5月ですが水分補給には注意しましょう。

 

私の半端ない発汗は女性ホルモン値の低下によるもので、乳がん術後のホルモン療法中の方のお悩みは皆さんの程度には及ばないと思いますが大抵は経験できています。

 

乳がんのホルモン療法中に年齢や化学療法、卵巣切除手術などで閉経された方から

『閉経してもホルモン療法が必要なのですか?』

という質問をいただくことがあります。

 

卵巣からの女性ホルモンの分泌がなくなってているのに、まだ治療を継続する必要があるのか

確かに、そう思われても不思議ではありません。

 

ご存知の方も多いと思いますが、卵巣からの女性ホルモン分泌が低下していくと、女性の体の中では別の経路で女性ホルモンが産生されるようになります。

その経路とは、腎臓の少し上(頭側)にある”副腎”という様々なホルモンを分泌する組織から女性でも男性ホルモンが分泌されているのですが、その男性ホルモンが『アロマターゼ』という脂肪などからでる酵素によって女性ホルモンに変換されるのです。

こうして、閉経後も急に男性化したりすることはなく、女性らしさは保たれるのですが、女性ホルモン値のレベルは下がるため

皆さんも私も経験するような『更年期症状』なるものが現れます。

しかし、ちゃんと女性ホルモンは体の中で産生されていますので、ホルモン感受性のある乳がんの方では閉経後はアロマターゼを阻害する閉経後のホルモン療法薬を勧められますし、ホルモン療法は引き続き必要なのです。

言葉の使い方が間違っているかもしれませんが

『女性ホルモンの低下』と、『女性ホルモンの補充』の折り合いがつかない結果

汗をかいたり、気分が落ち込んだり、体重が増えやすかったり、骨粗しょう症になったり、足がつったり・・・笑い泣き

するのです。

 

 


 

ある一定期間で体の中で何らかの折り合いがついて症状が軽くなる方もおられますが

長い間、辛い症状を抱えられる方もおられます。

 

仕方がないことだとわかっていても、何とかお楽に過ごしていただけるように

症状に応じて漢方薬や対処できるお薬などで症状を軽減できるようご提案しますので

ご相談ください。

 

 

さて、折しも、私のブログ更新の日に飛び込んできたビッグニュース

外勤を終えて移動の車中で娘から連絡

『星野源と新垣結衣が結婚って速報出てるよ』

びっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくり

 

車中で今年一番の叫びをいたしました照れ

ご結婚おめでとうございますラブラブ

こんなに他人のことで幸せな気分になれることがあるのか!というくらい幸せを勝手に感じてしまいます。

 

星野源さんのドラマの主題歌にもなっている新曲に関するエピソードで

『自分と同じでないこと、違うことに心が乱れてしまうことが多いけれども、本来別々の環境で育って価値観も違う者同士で、逆に “同じもの” を見つけていくことに幸せを感じられるほうがいい』

(これは私の完全な記憶の中での咀嚼した解釈ですが)

というようなコメントを聞いて、今更ながら夫婦という他人との関係性について、自分の感受性を修正できたらと考え、夫に対して笑顔で対応できることが増えつつあったこの頃でしたので、ことさら嬉しい出来事でした。

 

夫婦の関係だけでなく

今後も乳がん治療を含む当たり前の医療がちゃんと行えるよう

コロナ禍での困難とも折り合いをつけてみんなで乗り越えてゆければと思います。