あなどるなかれ、鍼治療 | 広島大学病院乳腺外科ブログ ~広島の乳がん医療に取り組みます~

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広島大学病院乳腺外科スタッフが、乳がんのこと、日常のこと、感じたことなどを交代で綴っていきます。ぜひ、気軽にコメントもいただければうれしいです!
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広島大学病院 乳腺外科の笹田です。


小さいころ、こんな漫画がありました。

 

以前に、鍼治療がアロマターゼ阻害薬の関節痛を軽くすることが紹介されていたと思いますが、

どうやら、抗がん剤による神経障害(主に、手足の症状)も軽くすることが報告されました。

sham acupancture(鍼治療したふり、プラセボ薬のようなもの)では、手足の痛みやチクチク感は改善しませんでしたが、

real acupancture(真剣な鍼治療)では、改善しています。

しびれに関しては、「したふり」でも良くなっていましたので、気持ち的なこともあるのでしょうか、、、

 

小規模な臨床試験ですが、ニューヨークのメモリアルスローンケタリングがんセンターから報告されています。

この病院はとても有名ですが、がん治療だけでなく、患者を支える統合医療として、鍼治療の他にも、音楽、マッサージ、リラクゼーション、ヨガ、瞑想など、いろいろな試みを行い、それをデータとして示そうとしているところがすばらしいです。

医師だけでなく、様々な職種が協力して行っていることがよく分かります。

 

抗がん剤による神経症状は、なかなか消えないため、患者さんは苦労されていますが、

鍼治療も試してみると、いくらか良くなるかもしれませんね。

 

経穴(ツボ?経絡秘孔?)をつくことが良いのかもしれませんが、最初の漫画のように速攻性があると良いのですが…

会得するためには血のにじむような努力があったことでしょう…