こんにちは。波瀬川です。

 

早いもので、今年も2月に入りました。

 

まだまだ寒い日が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

 

 

 

さて、先日お知らせしました通り、

 

2月5日(日)は、当館のシンポジウムを東広島市 豊栄生涯学習センターにて開催いたしました!

 

昨年夏に企画展を行った、豊栄支所に併設されている建物です。

 

中には、図書館やアゼイリアホールなどがあります。

 

これは、当日早朝の会場。

 

前日から準備を行なっていたため、すでに横断幕や懸垂幕が設置されています。

 

 

当館スタッフも現地入りし、準備を開始。

 

当日の詳細な日程を確認しています。

 

 

映像・PA装置の動作チェックにも、余念がありません。

 

 

 

 

 

 

9:30、受付が開始されると、早速たくさんの来場者の方々が。

 

当日飛び込み参加の方も加わり、想定以上の来場者数となりました。

 

 

会場は、次第に多数の来場者で賑わってまいりました。

 

 

 

 

 

 

10:00になり、いよいよ開会!

 

まずは、当館の中坪館長によるご挨拶。

 

 

続いて、髙垣東広島市長にスピーチを行なっていただきました。

 

行政からみた東広島地域活性化の課題点を通して、Town & Gown Office事業の概要をご説明いただきました。

 

山あり、川あり、海あり、さらに国立大学や国際的に活動する企業まで立地する東広島市。

 

さらに、都市部の集積化と周辺地域の過疎化。

 

実は東広島市を取り巻く状況は、日本の社会をそのまま縮小化したものといえます。

 

新しい行政事業のモデル都市として、この上ない街なのです。

 

 

 

続いて、当館の清水准教授による、

 

オオサンショウウオの保全活動と、エコミュージアムの可能性についての講演が行われました。

 

 

当館が推進している「エコミュージアム」は、地域の資源そのものが展示・公開の対象です。

 

したがって、県央地域に生息する特別天然記念物オオサンショウウオも、公開の対象となります。

 

また、この概念では、地域の住民(協力者)は、博物館でいうところの学芸員とみなしています。

 

このため、清水准教授が取り組む、オオサンショウウオ(展示対象)を地域住民(学芸員)とともに保全する活動も、

 

エコミュージアムの範疇とみなすことができます。

 

 

 

 

 

 

続いて、再び中坪館長が登壇し、講演が始まりました。

 

館長の持ち味でもある明朗な語り口で、夏の企画展の振り返りがなされました。

 

私たちは、エコミュージアムの取り組みとして

 

地域の小〜高校生といった若年層に、教育活動を通して働きかけています。

 

私たちは、博物館を学校や家庭とはまた違う「第3の学び場」として位置づけ、

 

自然豊かな地域資源を活用し、新たな視点をもった教育機関としての方向性を模索しております。

 

未来の担い手である皆さんに、地域資源の重要性を知っていただくこと。

 

そうした意識を持った皆さんに、将来、地域の発展に寄与していただくこと。

 

私たちはここに持続可能性を見出し、長期的な活動としていくことを標榜しております。

 

昨年の企画展は、その施策の実験でもあったのです。

 

 

 

 

少しのインターバルを挟み、パネルディスカッションが始まりました。

 

 

ここでは、中坪館長や清水准教授のほか、東広島市にお住まいの四人の方々にパネラーとして登壇いただき、

 

それぞれの立場からみた、県央地域活性化についてのご意見を述べていただきました。

 

 

乃美地域センター長、爲平 邦彦さん。

 

古くより豊栄町の町おこしに関わっていらっしゃいました。

 

現在はオオサンショウウオの宿も管理されており、当館もお世話になっている方です。

 

豊栄町で農業を営む、兼平 早苗さん。

 

茨城県で東日本大震災を経験されたことを契機に、一家で豊栄町に移住されました。

 

「森のおうちえん」「生活の森オーガニックマルシェ」といった、地域のコミュニティ活動の主催もされています。

 

広島大学理学部に在籍する学生、弘松 瑤希(たまき)さん。

 

コケ植物を研究するため、その研究を行なっている広島大学へ入学されました。

 

当館の学生スタッフ「HUMs」のメンバーでもあり、企画展などのイベントでも積極的に参画いただいております。

 

 

東広島市立福富小・中学校校長 中谷 成男先生。

 

福富町は、豊栄町、河内町と共に県央地域を構成する自治体です。

 

こちらの生徒の皆さんは、ミコシギクなど貴重な動植物の保全活動を当館の関係職員とともに行なっています。

 

 

 

 

 

若い移住者の方々を中心に、この地では「充実した教育」を望む声が上がっています。

 

また、国立大学として莫大な研究成果・資源を有する、広島大学。

 

いわば、教育における需要と供給。この双方が存在する、東広島市。

 

過疎化が進む一方、こうした課題が顕在化しつつあるのが、県央地域の実態なのです。

 

 

 

 

 

パネルディスカッションを終え、淺野副館長による、閉会のご挨拶。

 

 

こうして、この日のシンポジウムは盛況のうちに終了いたしました。

 

私たちとしても、非常に密度の高いシンポジウムになったのではと感じております。

 

なかなかお伝えできない博物館(エコミュージアム)の概念ですが、

 

こうしたイベントが、地域の皆さまに知っていただく機会となれば幸いです。

 

ご来場いただいた皆さま、本当にありがとうございました!

 

そして、お疲れ様でした!