カエルマタです。

少し前になりますが、鞆の浦で講演会と現地説明会をさせていただきました。

鞆の浦では、平成21年に町内の社寺建築の悉皆調査を実施しました。
昭和戦前までの建築と判定した88棟の建物の実測図作成や詳細な年代判定、痕跡調査、細部意匠調査などを行いました。

今回は、その成果をもとに「新発見!鞆の社寺建築の魅力」と題したお話しをしました。



ありがたいことに、60名の方にお越し頂きました。

比較的古い建物が多いこと、それは裕福な商人が後ろ盾になっていること、さらに特異な細部意匠があることなどを中心にお話ししました。

講演の前後には、登録文化財に指定された南禅坊で現地説明会を実施しました。
こちらは、2回で110名の方にお越し頂きました。

ここの本堂は、幕末に建てられた典型的な浄土真宗の本堂で大変豪華です。特に正面の龍の彫刻は見事です。

また17世紀末期~18世紀初期の建築と推定される山門は、二階部分に鐘楼を備えた鐘楼門で、二階の窓に花頭窓を設けることなど大変格式が高いです。



一重目の屋根の鬼瓦には、猿がいるので是非探してみてください。

今回の講演会と現地説明会を通して、鞆の注目度を再認識しました。
参加された方の数もさることながら、皆さん非常に熱心だったことからもそれがよくわかります。(取材にも来ていただき、3紙に掲載していただきました)

またこのような機会を作って、地域の知られざる文化財の魅力を積極的に発信していきたいです。

なお、今回の講演は、以下の論考を元に行いました。興味のある方はご覧になってください。
「鞆の浦における社寺建築の建築年代と細部意匠」
「広島県福山市鞆町の「鞆の津塔」」