【米国市況】株は小反落、アップルが下げに転じる-ドル139円台後半
Vildana Hajric、Isabelle Lee、Namitha Jagadeesh
2023年6月6日 5:56 JST
石油株も下げに転じる、サウジ追加減産表明で上昇後
ISM非製造業景況指数がほぼ活動停止の水準、ドルや利回りが低下
The Nasdaq MarketSite in the Times Square neighborhood of New York, U.S., on Tuesday, May 31, 2022.
The Nasdaq MarketSite in the Times Square neighborhood of New York, U.S., on Tuesday, May 31, 2022. Photographer: Michael Nagle/Bloomberg
5日の米株式相場は小反落。薄商いとなる中、テクノロジー株やエネルギー銘柄が下げに転じた。
株式 終値 前営業日比 変化率
S&P500種株価指数 4273.79 -8.58 -0.20%
ダウ工業株30種平均 33562.86 -199.90 -0.59%
ナスダック総合指数 13229.43 -11.34 -0.09%
S&P500種株価指数ではテクノロジー銘柄が下げを主導した。アップルは複合現実(MR)ヘッドセットへの期待から一時2%上昇したが、ヘッドセット発表後には下げに転じた。石油大手のシェブロンとエクソンモービルも安い。サウジアラビアの追加削減表明で上昇したが、下げに転じた。
米供給管理協会(ISM)が発表した5月の非製造業総合景況指数は、予想外に低下しほぼ活動停滞の水準となった。
米ISM非製造業景況指数、ほぼ活動停滞の水準-仕入れ価格低下
大型ハイテク株の上昇や利上げ休止観測で、S&P500種はこれまで大きく上昇してきた。しかし連邦公開市場委員会(FOMC)が6月の会合で金利を維持しても、その後の金利を引き上げる余地を残すとの見方が強まっており、リスクは続いている。
July Fed Hike Seen as More Likely
出所:ブルームバーグ
キャピタル・エコノミクスの米国担当次席エコノミスト、アンドルー・ハンター氏は「ISM指数の弱さは、最近改善しているS&Pグローバル購買担当者指数(PMI)とは対照的だ。S&PのPMIは年率約2%の国内総生産(GDP)成長率と整合している。ISM指数は5月の雇用統計とは劇的に異なる側面をはっきりと描いている」と述べた。
地区連銀の景況指数なども考慮すると、GDPは第2四半期に小幅な成長にとどまる可能性があるとハンター氏は指摘した。
ヌビーンのサイラ・マリク最高投資責任者(CIO)は、金融引き締めの成長抑制効果が経済に浸透し、2024年に緩やかなリセッション(景気後退)に入ると予想。「高インフレが続く可能性が高く、有意義なインフレ対策となり得る実物資産が役に立つと考えている」と述べ、農地に言及した。
米国債
米国債利回りはISM指数を受けて低下したが、前週末終値近辺にじりじりと戻した。
国債 直近値 前営業日比(BP) 変化率
米30年債利回り 3.88% -0.5 -0.12%
米10年債利回り 3.68% -0.8 -0.21%
米2年債利回り 4.46% -3.3 -0.74%
米東部時間 16時55分
外為
外国為替市場ではドル指数がISM指数をきっかけに下げに転じた。朝方のドルは1ドル=140円近辺で推移していたが、一時139円25銭まで下落した。
為替 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1240.79 -0.71 -0.06%
ドル/円 ¥139.57 -¥0.35 -0.25%
ユーロ/ドル $1.0713 $0.05 0.05%
米東部時間 16時55分
クレディ・アグリコルの為替ストラテジスト、バレンティン・マリノフ氏は「ISM指数はひどく悪いというわけではないが、失望感からリセッション懸念が再燃する可能性があり、来週のFOMC会合を前にタカ派的な利上げ小休止シナリオが後退する可能性がある」と話した。「特にリスク関連通貨および資源国通貨に対し、ドルには押し目買いが引き続き入るはずだ」と語った。
原油
ニューヨーク原油相場は3日続伸。サウジアラビアの自主減産を受けて買いが先行したが、その実現を見極めようとする動きから伸び悩んだ。全般的にリスク回避のセンチメントが強かったことも上値を圧迫した。
サウジが7月に日量100万バレルの原油供給を追加削減すると表明したのをきっかけに、一時は5%近く上昇する場面もあったが、その大半を失った。
サウジが100万バレル自主減産へ、OPECプラス会合-原油先物急伸
CIBCプライベート・ウェルスのシニア・エネルギー・トレーダー、レベッカ・バビン氏は市場の反応が限定的だったことについて、「原油トレーダーが持続的な上昇の材料として、OPECプラスの減産を恐れていない新たな証左だ」と指摘。「減産は相場の下振れリスクを抑制するが、需要が下半期の楽観的な見通しに近いものになるとの見方を強めるものではない」と語った。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前営業日比41セント(0.6%)高の1バレル=72.15ドル。ロンドンICEの北海ブレント8月限は58セント高い76.71ドル。
OPEC+ Seeks to Arrest Oil Price Slide | Production cuts provide limited support over past 9 months
北海ブレント原油先物出所:ICE
金
ニューヨーク金相場は小反発。ISM指数を受けて国債利回りが低下したことから金買いが優勢になった。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は、前営業日比4.70ドル(0.2%)高の1オンス=1974.30ドルで終了した。スポット価格はニューヨーク時間午後1時49分現在、0.6%高の1959.75ドル。
ただ、スポット価格が1950ドルを下回るようだと下落圧力が強まる可能性があると、TDセキュリティーズの商品担当シニアストラテジスト、ダニエル・ガリ氏が指摘。1930ドルを割り込めば、トレンドに追随する投資家が金のポジションを全て手じまう可能性があると述べた。
原題:Stocks Fall as Tech Rally Halts, Oil Pares Gain: Markets Wrap(抜粋)
Treasuries End Choppy Session With Small Gains After Weak Data(抜粋)
Dollar Weakens After ISM; Aussie Higher Before RBA: Inside G-10(抜粋)
Oil Nudged Higher by Saudi Surprise Cut as Traders Wait and See(抜粋)
Gold Gains as B