戦争は情報操作によって意図的に作られるものです。  



「戦争が好きな政治家や企業家など、この世界にはいない」

「戦争はできるだけ回避しようと関係者たちは努力しているのに、どうしても回避できないから勃発してしまう」


このように、考えている人がほとんどではないでしょうか?


だが残念ながらそれは間違いです。

1990年10月10日、米国議会下院の公聴会で、「ナイラ」というクウェート人の15歳の少女が証言台に立ち、彼女がクエートの産婦人科病院で目撃した『乳児虐殺事件』を、涙ながらにイラク兵がいかに残虐だったか証言したことがあります。


           〈 ナイラ 〉

「乱入してきたイラク兵たちは、生まれたばかりの赤ちゃんを入れた保育器が並ぶ部屋を見つけると、 赤ちゃんを一人ずつ取り出し、床に投げつけました・・・冷たい床の上で、 赤ちゃんは息を引きっていったのです」と。

この証言は全国民はテレビ放映され、 イラク兵の残虐行為に米国の世論を動かして湾岸戦争に入した一因ともなりました。

ブッシュ (父) 大統領も、「心の底から嫌悪を感じる・・・彼らは相応の報いを受けることになる」と怒りを露わにし、このニュースは国連安保理事会での議論にも影響し、安保理はイラクに対する武力制裁を容認したのです。

そして1991年1月、 米英軍を主力とする多国籍軍がイラクらを攻撃し、この湾岸戦争で10万人以上のイラク殺されてイラクは敗北したのです。 

イラクは父ブッシュが露わにした「相応の報い」を受けたのです。ところが、解放されたクエートで『乳児虐殺事件』の取材をしても何の情報も出てきません。

疑問に思ったニューヨークタイムズ紙の記者がナイラの身元を調査した結果、 彼女は駐米クエート大使のクエートには住んでおらず、 彼女の証言は全て「芝居」 だったことが明らかになったのです。

しかも彼女は、ずっと米国で育っていて、一度も母国のクエートに行ったことがなかったのです。

戦争をやりたという米国の勢力と、クエート政府が米国のPR会社「ヒル・アンド・ノウルトン」に報酬を支払い、同社が『乳児虐殺』の台本を書き、 ナイラを女優として雇い、芝居をさせていたのです。

こうすることで、戦争することを米国民に納得させたというわけなのです。

このことが明らかになった時、同社は世論の非難を浴びましたが、戦争は既に米国の勝利で終結していたので、それ以上の追及はされませんでした。
 
イラク攻撃は、米国の国益のために国民を騙して起こした戦争だったというわけです。ほとんどの米国人は、イラクとクエートの位置関係を把握していません。

そんなよくわからないイスラム教の国が、隣のイスラム教の国に攻め込んだと聞いても、何の興味も湧かないのです。

ですが、『イラク兵が保育器の赤ちゃんを床に投げ捨てた』と聞けば、その恐ろしいイメージが頭に焼きつき【イラク=悪】という図式ができあがるのです。

ヒル・アンド・ノウルトン社のPRは嘘の情報だとバレましたが、結果的には目的を果たし大成功したということなのです。こうして、戦争は広告会社のPR技術によって操作されていたのです。

全ては広告によって、その国の国民の心をふるい立たせ、戦争に導き、正当化されているのです。
またこの戦争では、『イラク軍がクエートの油田を破壊しペルシア湾が汚染された』という情報が油まみれの水鳥の映像とともに流されました。
しかし実はこれも、 油田を爆撃したのは米軍だったことがわかっています。

     〈油まみれの水島〉