今日は父の手術の日。
開始は8:30.
今回はじっくり観ている余裕はなく、放射線棟に移送を手伝い、ちょっと顔だけ出して、
先生方にお願いし、仕事に戻った。
午後、ある研修に出席したかったため、
今日すべき事を、午前中に全て済ませておきたかった。
しかし、朝からいろいろあって・・・
まず、患者家族からのクレームがあり、その対応に大忙し・・
そして、もうすぐ退院の方の家族との面談をし、
午後の会議の準備もしなければ・・
その合間に、父の様子を見に、チョコチョコ1階上の病室に出かけて・・
そして私は、患者として肝庇護剤の注射も受けに行かなければならない。
しかし、こういう日は何だか張りきってしまう私。
父の事は、妹に頼んで、お昼のお弁当をさささっと食べ、私は車で研修先に向かった。
外は昨日とはうって変わっていいお天気!
雲も青空バックに気持ちよさそうに浮かんでいました。
(昨日は北海道では竜巻があり、ここ福井ではアラレが降ったのに・・)
私が、迷いながらも行きたい気持ちが勝ってしまった・・今日の研修とは・・
『がん看護実践力向上研修』の公開講座でした。
今、国はがん看護に力を入れており、
それを受けて県では、講義と実習を含めたこの研修を企画、参加者を募集しました。
そして、各病院から推薦されたナース数十名が、今週から研修に入ったのです。
で、今日は、その講義の一部が公開講座となったわけです。
わたしは、患者とナースの立場が半々の感じで参加しました。
講師は、北里大学病院の『がん看護専門看護師』の方でした。
若くて、美人!
テーマは、【がん看護の現状と今後の課題】
今日の話題は・・
・がん医療の現状
・がんサバイバーシップ
・意志決定への援助
・がんを抱える人とどう向き合うか でした。
気になった事、心に響いたことをあげてみますと・・・
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遺伝子治療が進めば、その人のがんに最も効く抗がん剤が特定できる。
つまり、効果があるかどうか分からずに治療を開始することはなくなるだろうし、
治療をしたが、結局効果がなかった・・と言うことはなくなるでしょう。
そして、10年後、がんの5年生存者は2倍になる・・
・・もっともっとupしてくれ~~~!!
がん体験者がどんどん増えるだろうし・・
がんサバイバーも増える・・
その体験を生かせられる様にしなければ・・
がんサバイバーシップとは・・
自らの人権やQOL=(クオリテイ・オブ・ライフ)を問い直し、
がんと共に意味ある人生を生き抜こうとする能動的で、主体的な姿勢
Self Advocacy=主張する。・・自らを語る。
・・自分自身のために自分自身の足で立つ!
人は誰しも、物事に立ち向かっていこうとする力を持っている!
Self Advocacyの力を強くする。
・がんをコントロールする。
・自分をコントロールする力を取り戻す。
がんに立ち向かう力を取り戻す!
じぶんの状況をコントロールする力を取り戻す!
がん医療には長いプロセスがある。
そのプロセス全体に目をむける必要がある。
そのプロセスとは
<予防期><診断期><治療期><長期生存期><再発気><終末期><悲嘆期>
講師の先生はがん患者家族や医療者に対して、
相談室を設け、様々な相談に応じているとの事だが、
医療者側から相談を受けるのは、このプロセスの中で、殆どが<再発気~終末期>の事が多い。
しかし、患者側からの相談が最も多いのは、<長期生存期>(治療が終わったあと・・)だと言う。
この事実は面白いと思った。
医療者側は、終末期に悩みや困難を感じているが、
患者側は、そうではない。
最も悩み苦しんでいるのは、
一応まだ元気な・・再発するかどうか分からない長期生存期だと言う事実。
今まさに私が、その治療後(手術後)の生存期にある。
患者はこの時期に大きな不安を感じているのだ・・・
私が今感じている不安・辛さは特別ではない。
他の方もそうなんだ・・
私だけではないんだ・・・・と思うと、気持ちが楽になった。
そして、これは乗り越えられる!と確信した。
患者は語りたい。
語って、分かってもらいたい。
また、自分の体験を人の役に立てたいと思っている。
語る場が欲しくて、ブログをつくり、そこで語り、他の同じ立場の人と語り合う。
その場がいま、どんどん広がっている・・。
この患者コミュニテイの力は非常に大きい物になっていると。
今の私の事を言われているようだった。
これでいいんだ・・と思った。
そして一方、ナースの立場から感じたこと。
患者様の尊厳を守ると言うことは。。。
その方を大切に思うこころ・・・ではないか。
ある患者家族が、ガン末期のお母様の病室に行くと、
いつも着物がキチンの整えられていて・・
髪もいつも綺麗にとかれていて・・
匂い(患者様からの悪臭)がしないように、気配りがされていて・・
そしてある日、
鼻のチューブを固定しているテープ(頬のところ)にお花の絵が書かれていた。
それを見た娘さんは
「母の好きなお花の事を話してくれている」と想像でき、
「母はここの看護師さん達にこんなにも大切にされている・・・」
と胸が熱くなった・・と言うのです。
一人一人がかけがえのない、大切な存在です。
お一人お一人を大切にした看護をしたい・・と思いました。
3時間の講義でした。
無理して出かけて良かったです。
内容を十分に記すことは出来ませんでしたが、
ひとつでも何か感じた事があったら嬉しいな・・・と思います。
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父は今頃眠りに着いたでしょうか・・
今日はちょっと辛かったみたいですが、
相変わらず、好き勝手な事を言っては、回りを笑わせている父でした。
おやすみなさい。