休み明けの火曜日。
そう、スタートが火曜日と言うことは、
今週は4日で土曜日が来ます！
これだけで、何だかトキメキですよ～！
何だかウキウキ・・
久しぶりの我が病棟は、ガラガラでした。
部長医師の不在と、オペ日の月曜日が休みだったためで、
定床より20名近くも少ないではありませんか。
もう、みんなお正月のようだったと、しっかりのんびりムードです。
たまにはいいかっ。
しかし、そんな気分はすぐに一掃されました。
大きなオペが3件、入院が10人、それに急変！と慌しく一日が始まりました。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
今日は、自分がまだまだ・・・だと言う事を実感しました。
私と全く同じ病状の方が入院されてきたのです。
（普段は外科の患者は入院しないのですが・・）
診断は下行結腸癌。
腫瘍で腸が狭窄をきたし、内視鏡が通過せず、サブ・イレウス状態であること。
明後日、バリウムではなくガストログラフインを使用しての注腸透視を行うこと。
来週、手術を受けること。
これらは、４ヶ月前の私と全く同じなのです。
しかも、症状も同じ・・
患者様は70歳の男性で、
奥様が、本人には告知をしないで欲しいと願われたため、本人は病名を知らないのです。
患者様とお話すると、あの時が蘇ってきてしまうのです。
胸がキュ～～～～ンとなってしまう。
しかも、本人は「腸が少し細くなっているから手術する」と思っていらっしゃる。
それも辛いことです・・・・
そして又別の患者様が、化学療法をすることになり、
抗がん剤を準備し始めました。
抗がん剤の名前を聞くのが・・やはり苦しいのです。
この自分も先週抗がん剤を入れていた・・・その事実にどきっとしてしまう。
また、あるがんの手術を受け、今日退院されるKさんがこんな事を仰った。
『手術前の1ヶ月が本当に辛くて辛くて、何度も命を絶とうと考えました。がんであること、それも10年くらい再発の危険を考えないといけないと言われ、その間どうやって生きて行ったらいいのかと思うと、辛くてたまりませんでした。でも、家族や友だちが私を支えてくれて、私一人の命ではないんだと思えたんです。それで前向きに考えられるようになったんです。手術後も心配なことはありますが、皆さんに支えてもらって、今日退院する事が出来たんだと思います。これからも前向きにがんばって行きます』
Kさんは、手術はしましたが当初予定した術式では出来ず、
十分には取り切れなかったのです。
それも知っていて、この言葉を言えるK,さんでした。
私は涙をこらえるのが精一杯でしたねー。
告知を受け入院し手術をし退院するまでの2ヶ月間で彼女は変わりました。
おこがましい言い方を許されるなら、彼女は成長しました。
病気とちゃんと向き合う事が出来てきたのです。
不安でおどおどした表情や
しくしく泣いていた最初の頃が思い出されましたが、
最近は、とても明るい表情が多くなって・・
そして、今日のKさんは何かをふっきった潔さがありました。
『皆さんに支えられたお陰です。ありがとうございました。』
と何度も何度も仰るKさん。
ご主人と娘さんが迎えにこられ、
お友達から送られた退院祝いの花束を抱えて、笑顔で退院されたKさん。
『よく頑張られましたね』とお見送りしましたが、
無理してないかな・・・と心配も。
Kさんを見ていると自分と重なってしまいます。
笑顔で帰られたけど、
いつもいつも前向きでいられるとは限らない。
それが普通だもん。
そんな時、話しを聴いて差し上げたいな・・と今日はとても思った。
けれど、特に言わなかった。
Kさんには家族もお友達も居て、ちゃんと支えてくれるだろうから。
で、話を戻して、
何がダメダメなのか・・・と申しますと、
私は、ナースでありながら、ナースとして仕事をしながら
患者である自分の気持ちが、表に出て来てしまう事に気づいたのです。
ん・んーーー。
でも、これは仕方がないことかな？ （と、今思った。）
患者である自分の気持ちも、無理に消さないでいいのかも・・。
自分の気持ちが中心になって
それに邪魔されたり、仕事にならないくらい取り乱したら問題だけど、
そうじゃなかったら、
患者の思いが分かる・・というメリットの部分だけを生かしたらいいんですよね。
それこそが私ががんになって、そしてナースとして働く意味なんですから。
でも、今日は辛かった事の方が多かったから・・・まだまだです。