幸福の科学【反邪宗門=〇未満】Ⅰ【目次/概要】
設立
1981年、東京大学法学部を卒業した大川隆法は、総合商社トーメン(現豊田通商)三菱商事出羽無違に在職の傍ら、上記「霊言集」などを出版しながら教団設立の準備をしていた。1986年7月15日に退社後、具体的な団体設立の計画に着手。10月6日に任意団体として教団を設立した。その設立直前から、根本経典『正心法語』や基本書という宗教理論書『太陽の法』など短期間に多数の執筆を行い、これを機に書籍出版活動を活発に行った。これらの書籍が書店を通して日本各地に流通し、また入会する会員が増え、組織の全国展開へとつながった。1988年5月には関西支部が開所し、日本各地に支部展開が始まる[16]。1991年3月7日に宗教法人格を取得した。
「幸福の科学」の英語名は 2008年2月までは The Institute for Research in Human Happiness であり、頭字語の IRH である略称を使用していた。ローマ字表記の Kofuku-no-Kagaku や Kōfuku-no-Kagaku 等も用いられる。
2008年2月から、世界通称として英語による正式名称を Happy Science とした。これは、世界伝道において、解りやすい名称にした[17]とされている。
教義
宗教法人「幸福の科学」では、大川隆法が多数の法話で説いた「仏法真理」を教義とし、仏法真理の探究・学習・伝道を通じての「この世とあの世を貫く幸福」と地上ユートピアの建設を目指しているとする[3]。
修行の実践については、現代の四正道として「愛・知・反省・発展」を提唱している。人間は神の子・仏の子であることを自覚した上で他者へ愛を与え、真理を探求し、自分の心を見つめ直し、社会全体を向上させる心構えを持つことを現世の「魂修行」とする[18][19]。また、世界観として多元宇宙論を展開し、三次元世界(この世)は根源神に近づくための「魂の修行の場所」とされている[18]。
これらの教義は伝統宗教とのつながりが弱く[20]、先行する新宗教である生長の家とGLAの影響を強く受けている[3][18][19]。
本尊
宗教法人「幸福の科学」の本尊は、霊天上界に存在するとされる、至高神 エル・カンターレ(El Cantare)である。
詳細は「エル・カンターレ」を参照
組織・施設
総合本部、写真1
「幸福の科学」発祥の地・東京都杉並区西荻南にある建物。
1989年12月まで総合本部として使われて、その後、関東本部・東京本部・東京西部支部・杉並支部などに使用され、現在は青年部・学生部拠点として使用している。
総合本部、写真2
東京都千代田区紀尾井町にある紀尾井町ビル
1989年12月から1996年3月までの間、ここの4階に総合本部を設置していた。その後期には5階部分にも増床していた。
総合本部、写真3
東京都品川区の首都高速道路戸越出入口付近
右側に、幸福の科学、戸越国際精舎があり、左側には旧総合本部(1996年4月 - 1999年10月)現・戸越精舎がある。
総合本部
1986年10月の教団発足当時、寺社における寺務や社務所に相当する支部や本部を総括する「総合本部」は、東京都杉並区西荻南に事務所を設け設立した。1987年6月13日に杉並区松庵へ移転して一時的に「東京本部」とした後、1988年4月16日に西荻窪駅前のビル(右 写真1)杉並区西萩南へ移転して再び「総合本部」とした。
その後、総合本部は、1989年12月20日に千代田区の紀尾井町ビル(右 写真2)4階に移転後、1996年4月1日には自己資産ビルとしての品川区平塚の総合本部ビル(右 写真3)に移転、1999年10月31日には現状の品川区東五反田の新総合本部ビルに移転している。
また、1996年7月10日には、総本山・宇都宮正心館(後に「総本山・正心館」に改称)が竣工され、8月に開山した。1999年10月までの一時期、総合本部の一部の機能をこの宇都宮に移転したことがあった。
組織
教団組織は、総裁である大川隆法に代表される。
組織の分類では、会内で婦人部の総称として位置づけられている「女性部」。
「青年部」「学生部」「中堅部」「親子の会」
その他に、壮年部的な位置づけにあたる「百歳まで生きる会」(1997年3月発足)などがある。
施設
地方本部、支部、拠点、布教所などが日本国内・世界各地にあり、「支部精舎」と呼ばれる施設も数多く建立されている。国内の支部および支部精舎の所在地は、公式ホームページ内の「お近くの幸福の科学」[21]等で公表されている。
- 日本国内の支部数・拠点数:600ヵ所
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- 内、支部精舎数:240ヵ所
- 布教所数:約1万2000ヵ所
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- (2014年4月現在)
研修・礼拝施設は「精舎」と呼ばれている。日本国内にある主な精舎は下記の通り。
総本山・正心館(栃木県宇都宮市)1996年8月4日開設
総本山・未来館(栃木県宇都宮市)1997年11月2日開設
総本山・日光精舎(栃木県日光市)1998年7月18日開設
総本山・那須精舎 (栃木県那須郡那須町)2004年5月30日開設
東京正心館(東京都港区高輪)2001年12月8日開設
聖地・四国正心館(徳島県鳴門市)2000年7月7日開設
北海道正心館(北海道札幌市中央区)2003年8月7日開設
東北・田沢湖正心館(秋田県仙北市)2003年4月17日開設
秋田信仰館(秋田県由利本荘市)2007年4月8日開設
日本再建祈念館(宮城県仙台市)2011年10月30日開設
仙台正心館(宮城県仙台市)2011年10月30日起工、2012年7月開設
雌伏館(千葉県柏市)2005年3月23日開設
千葉正心館(千葉県長生郡長生村)2005年7月27日開設
ユートピア活動推進館(東京都港区赤坂)2012年5月13日開設
戸越精舎(東京都品川区平塚)1996年5月8日開設
戸越国際精舎(東京都品川区戸越)2008年10月5日開設
ヤング・ブッダ渋谷精舎(東京都渋谷区鶯谷町)2005年12月25日開設
新宿精舎(東京都新宿区高田馬場)2006年11月1日開設
初転法輪記念館(東京都荒川区西日暮里)
横浜正心館(神奈川県横浜市)2012年4月29日開設
箱根精舎(神奈川県足柄下郡箱根町)2002年8月27日開設
新潟正心館(新潟県新潟市中央区)2008年1月1日開設
中部正心館(静岡県浜松市)2002年4月17日開設
名古屋記念館(愛知県名古屋市東区)2003年5月5日開設
名古屋正心館(愛知県名古屋市中村区亀島)2016年6月5日開設
北陸正心館(石川県羽咋市)2004年9月7日開設
琵琶湖正心館(滋賀県滋賀郡志賀町)1998年12月20日開設
大阪中央精舎(大阪府大阪市中央区)2007年4月28日開設
大阪正心館(大阪府大阪市北区)2007年12月23日開設
中国正心館(岡山県玉野市)2004年4月17日開設
聖地・四国本部精舎(徳島県徳島市)2004年10月17日開設
アジア国際精舎 福岡正心館(福岡県福岡市)2010年11月23日開設
湯布院正心館(大分県由布市)1999年7月20日開設
九州本部研修所(熊本県葦北郡)2005年8月7日開設
沖縄正心館(沖縄県国頭郡)2005年4月17日
上記以外の研修施設の歴史としては、1988年9月に幸福の科学研修ホール(東京都杉並区西荻南)を開設、1990年12月16日に四国研修道場(鳴門市、現・四国正心館の境内地内)を竣工、1991年8月1日には幸福の科学研修センター(東京都中野区弥生町)を開設した。1996年5月8日には、東京道場(旧東京正心館)を品川区大崎に開設したが、その後、総合本部ビルと呼ばれていた品川区平塚の施設へ移転し、戸越精舎として主に首都圏を中心に住む学生の会員が利用する研修施設となった。
大川の出身地である四国・徳島は「聖地」とされ、生誕地の徳島県吉野川市川島町には、参拝施設「川島特別支部」がある。鳴門市の聖地・四国正心館境内には、父で名誉顧問・善川三朗(本名:中川忠義、故人)を偲ぶ「善川三朗記念堂」がある。
その他の宗教施設としては、2006年4月15日、総本山・那須精舎(栃木県那須郡那須町)の境内に、「総本山・那須精舎付属 来世幸福園」が開園した。来世幸福園の中心には「大ストゥーパ」が建立され、幸福の科学の信仰の象徴となっている。「大ストゥーパ」の周辺には、3つの納骨堂(「在家菩薩堂」「三帰誓願堂」「涅槃堂」)が建立されている。 2011年5月には、聖地・四国正心館の隣接地にも「来世幸福園」が開園した。
2005年9月には、2005年日本国際博覧会(愛知万博「愛・地球博」)のネパール館で展示された貴重な文化遺産である(ハラティ・マタ寺院の復元物)を購入し、総本山・正心館の境内に建立された「ネパール釈尊館」の中に移設している。館内には寺院のほかに、釈尊への信仰に基づいた仏教美術の数々が展示されており、一般公開されている。
2015年に千葉県に「幸福の科学大学(仮称)」を開学することを計画し、準備を進めていた。しかし、2014年10月、文部科学省の大学設置審議会は、同大学の設置を認めないことを文部科学大臣に答申した。さらに文部科学省は、「審査の過程で認可を強要するような不適切な行為があった」として、今後最長5年間にわたって、学校法人幸福の科学学園による大学の設置を認めない方針を決定した。[22][23]。これに対し、幸福の科学側は引き続き文科省に抗議を行うとともに幸福の科学大学を私塾として開設し、ハッピー・サイエンス・ユニバーシティとの名称で開校した[24]。