ファンタジーⅠ基礎的意味【前半】
ファンタジーの舞台
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現代的なファンタジーの典型的なドラゴン
現代におけるファンタジー作品の舞台となる場所や時代は様々である。一例としてヨーロッパ、オリエントや古代日本、中華帝国など、各地・各時代を背景世界のモデルとした作品が挙げられるが、(作品が創作された時点での)現代や、全く架空の世界を舞台にした作品も多い。
日本で「ファンタジー」と言う場合、ヨーロッパ風の世界で繰り広げられる物語を指すことがある[要出典]。このようなファンタジーは時代背景、小道具、登場人物のふるまいなどは通念上のヨーロッパ世界をモデルとしているが、実際に人々が抱いていたり、仮定される世界観を、直接あるいは間接的に設定やストーリーに取り入れているのが特徴である。よく題材や道具立てに使われる要素として、ドラゴン(竜)や妖精を代表とする各種の怪物、魔法、王家、囚われの姫君の救出、立身出世などが挙げられる。[疑問点 – ノート]
『アーサー王と円卓の騎士』(1922)、N・C・ワイエスによる馬上試合のイラストレーション
しかし一方で日本で創作されたファンタジーの物語の一部には、「中世風」の物語を謳いつつも設定で、明らかに中世欧州には存在しなかった着想が用いられることがある。一例としては、貴族を完全に従え、王国の隅々にまで支配権を行き渡らせる君主が挙げられる。実際の中世欧州での王権は後の絶対王政時代ほどには強大でなく、領土統治も封建制に立脚した地方分権が基本であった。王権が強化され君主による中央集権的な統治が本格化するのは、封建制が崩壊し、有力貴族が力を失った絶対王政時代のことである。また、戦争で用いる武具に関しても、プレートアーマーを身に着けた兵士が主となって争い戦う姿が散見されるが、プレートアーマーが普及するのは15世紀のことであり、盛期中世の兵士は革鎧や鎖帷子を着用するのが一般的であった。騎士たちも、中には皇帝直属の独立した帝国騎士(ドイツ語版)もいたが、騎士全盛期のドイツでは多くの平騎士は元来諸侯に仕える家士の身分であった[7]。このように後の時代の要素やイリーガルな着想を含んでいながら、それを一纏めにしてしまっていることが、結果として中世欧州に対する誤ったイメージを生み出している[要出典]。
こうした誤解には単なる作者側の知識不足(中世と近世を区別していないこと)だけでなく、中世“風”と明記されていながらそれを現実的な中世として真に受けてしまう、いわば受け取る側の問題や、時代区分における中世がかなり長い期間を指す用語である上に、その前後の時代区分に従って解釈が変化するという歴史学に関する問題も存在する(一般的には、社会が大きく変化した宗教改革期を近代の始まりとして1500年前後を中世の終わりとするが、長いスパンの社会変動を捉えて中世が17・18世紀まで継続したとみる論者もおり、通説が必ずしも自明であるわけではない[8])。
ファンタジーの下位ジャンル
前述の通り、ファンタジーはかなり性格の異なる複数の作品群が含まれており、それらは下位ジャンルを形成している。こういった下位ジャンルについては、容易に分けられるものではなく、学術的に確立しているわけでもない。これらを以下に挙げる。
- ハイ・ファンタジー:異世界、特に超自然現象が当たり前に存在する世界を舞台としたファンタジー。
- エピック・ファンタジー:叙事詩ファンタジー。
- ヒロイック・ファンタジー:英雄ファンタジー。主に主人公が超常的な力を持ち、悪の勢力を討ち果たしていく形式のもの。
- 歴史ファンタジー
- ダーク・ファンタジー:重苦しい展開や悲劇的展開を重視したファンタジー。
- バトル・ファンタジー
- トリップ・ファンタジー:現実(をモデルにした世界)の住人が異世界に移動し、そこで何らかの活躍をするファンタジー。
- ロー・ファンタジー:現実をモデルにした世界に超自然的要素が加味されたファンタジー。
- サイエンス・ファンタジー:SFとファンタジーの要素を混合した作品。
- おとぎ話ファンタジー:漠然とした設定、ステレオタイプの人物、擬人観、魔法が普通に受け入れられている、といった伝承文学の特徴を有したファンタジー。
- ゲームファンタジー:レベル・勇者・ステータス・モンスター・魔王など、RPGの諸要素の存在を前提とした世界を描くファンタジー。
それぞれの下位ジャンルについての詳細は、個別の記事を参照されたい。
代表的な作品
日本以外の作品
ライマン・フランク・ボーム『オズの魔法使い』(1900)。イラストレーションはW・W・デンズロー
『ピーター・パン』の映画ポスター(1924)
- ☆2007年度 映画:テラビシアにかける橋
- ☆1994年度 映画:マスク
- ☆1989年度 ユニバーサル映画:フィールド・オブ・ドリームス
- 指輪物語(J・R・R・トールキン)→(映画:ロード・オブ・ザ・リング)
- ホビットの冒険(J・R・R・トールキン)→(映画:ホビット (映画))
- ナルニア国物語シリーズ(C・S・ルイス)→(映画:ナルニア国物語)
- ゲド戦記(アーシュラ・K・ル=グウィン)→(アニメ映画:ゲド戦記)
- メアリー・ポピンズシリーズ(パメラ・トラバース)→(ミュージカル映画:メリー・ポピンズ)
- オズの魔法使いシリーズ(ライマン・フランク・ボーム他)→(ミュージカル映画:オズの魔法使い)
- ドリトル先生シリーズ(ヒュー・ロフティング)
- クマのプーさんシリーズ(A・A・ミルン)→(アニメ映画:くまのプーさん 完全保存版)
- ムーミンシリーズ(トーベ・ヤンソン)→(TVアニメ:楽しいムーミン一家)
- モモ(ミヒャエル・エンデ)
- はてしない物語(ミヒャエル・エンデ)→(映画:ネバーエンディング・ストーリー)
- 死の王(平たい地球シリーズ) (タニス・リー)
- アヴァロンの霧(マリオン・ジマー・ブラッドリー)
- パーンの竜騎士シリーズ(アン・マキャフリイ)
- エターナル・チャンピオンシリーズ(マイケル・ムアコック)
- 英雄コナンシリーズ(ロバート・E・ハワード)→(映画:コナン・ザ・グレートシリーズ)
- 魔法の国ザンスシリーズ(ピアズ・アンソニイ)
- イルスの竪琴3部作(パトリシア・A・マキリップ)
- 魔法使いハウルと火の悪魔(ハウルの動く城シリーズ)(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ))→(アニメ映画:ハウルの動く城)
- デイルマーク王国史シリーズ(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ)
- ベルガリアード物語/マロリオン物語シリーズ(デイヴィッド・エディングス)
- エレニア記/タムール記シリーズ(デイヴィッド・エディングス)
- ヴァルデマール年代記シリーズ(マーセデス・ラッキー)
- 影の棲む城(五神教シリーズ)(L・M・ビジョルド)
- 氷と炎の歌シリーズ(ジョージ・R・R・マーティン)
- ファーシーアの一族シリーズ(ロビン・ホブ)
- ネシャン・サーガ(ラルフ・イーザウ)
- 暁の円卓シリーズ(ラルフ・イーザウ)
- ドラゴンランスシリーズ(マーガレット・ワイス、トレイシー・ヒックマン他)
- スペルシンガー・サーガ(アラン・ディーン・フォスター)
- 真実の剣シリーズ(テリー・グッドカインド)
- 時の車輪シリーズ(ロバート・ジョーダン)
- ファファード&グレイ・マウザーシリーズ(フリッツ・ライバー)
- ダレン・シャンシリーズ(ダレン・シャン)
- バーティミアス3部作(ジョナサン・ストラウド)
- ハリー・ポッターシリーズ(J・K・ローリング)→(映画:ハリー・ポッター)×
- ドラゴンライダー(クリストファー・パオリーニ)→(映画:エラゴン)
- ライラの冒険3部作(フィリップ・プルマン)→(映画:ライラの冒険)
- キングキラー・クロニクル(パトリック・ロスファス)
- ルーンの子供たち(チョン・ミンヒ)→(ゲーム:テイルズウィーバー)
- ArcheAge もみの木と鷹(チョン・ミンヒ)→(ゲーム:ArcheAge)
他多数