東加古川駅で下りて自治会長 Iさんに言われたようにタクシーで団地の集会所前に行った。加西市のいこいの村への小さな送迎バス2台に約35人が分乗した。ここから40分位かかるが、うんと田舎の自然と山の渋い紅葉が感動を呼ぶ程美しかった。

 

5日(日)と6日(月)は、自治会の住人が参加する所謂お楽しみ会で、2日共12時から45分位オカリナの演奏を依頼されていた。会長以外は2日間同じ人はいない。どちらも大広間に35人が集まって、ランチとビールでオカリナを聴こうとお招きを頂いたのだ。

 

私の演奏の後は2時半頃までカラオケで歌を楽しむ会で、歌える人は夫々の独壇場と言えた。

 

黙食と言う言葉が行き届いていたのか、何と言う静けさかと思う程で、こちらが途中で皆さんに笑って貰おうと喋った事の1つがこれだ。

 

「あるおばあさんがゆっくりとした足取りで、コンビニにペットボトルのお茶を買いに入って来ました。店員さんが気を利かせて奥まで取りに行きました。『この【お~いお茶】でいいですか』と聞いたら、『私は少ないお茶がいい』と言ったんです」

 

笑った人とそうでない人が半々くらいだっただろうか。私が演奏した曲は7曲で、曲名は次の通り。

 

1.故郷の原風景

2.エーデルワイス

3.津軽海峡・冬景色

4.崖の上のポニョ

5.ウイスキーが、お好きでしょ

6.コンドルは飛んでいく

7.かあさんの歌

 

アンコールがあったので、事前に聞いていた皆さんの好きな歌「神田川」を吹いた。全曲控え目な拍手を頂いたが、少しは喜んで貰えたのではないかと思っている。ただ、大きな問題があった。CDの伴奏を流して貰う人がぶっつけ本番。リハーサルなど出来なかった私もぶっつけ本番。マイクは通さない生音で演奏する事にしていたが、大きな伴奏の音にしたのにも拘らず全体に浮遊して流れる音ははっきり掴み難かったのだ。

 

これが私には一番困った事だった。演奏するのに音がずれたりする事は致命的だからだ。リズムもはっきりし合わなかったら、恐怖である。こんな事は経験から想像出来ても、初めて観る大広間だ。兎に角楽しそうに演奏しながら、いつもより集中しなければならないと思った。ずれているなと感じた時もあったが、それでも楽しんで貰えたことには感謝しかない。

 

加古川の友達が2人、車で迎えに来てくれていて、演奏を聴いて弁当を食べた後は、その車に乗って帰る事にした。車がなかったら、2時半まで待って送迎バスに乗る事になっていた。加古川駅の近くのカフェで、暫くコーヒーを飲みながら気の置けない者同士で談笑した。オカリナ演奏に就いては、オカリナの音は後ろまでよく聞こえたと言った。それと、伴奏の音はもう少し小さくした方がいいと言って、それが次の日に大いに参考になった。

 

次の日(6日)も同じパターンだが、この日はいつもCDを動かしたり止めたりしてくれるKi君が来てくれた。前日はどうしても避けられない用事で、来れなかったのは初めての事だった。

 

12時までに時間が20分位あり、後ろの機器をしっかり動かして、昨日のように1曲が終わって止めてもその曲が流れたり次の曲が流れたりしないように2人で研究した。試行錯誤で何とかKi君が上手くやってくれた。

 

この日は5番目の曲を入れ替えて「太陽がいっぱい」にした。昨日の事があってか、自分に余裕が生まれた気がした。それに、Ki君と東加古川駅で会って彼がくれた、以前は演奏の時は事前に飲んでいた「リポビタンD」を飲んだ。1時間半もすると顔が火照り体中が熱くなる。そんな効果もあって、自由に演奏出来たようだ。

 

今日は送迎バスに乗らなければならないから、頂いた弁当を2人で食べた後自治会長の Iさんのバナナのたたき売りの口上を見せて貰った。仕入れた上等のバナナが、飛ぶように売れた。沢山の房でもかなり安く、何人かが前に出て買った。最後に6、7本は付いていただろうか、それは100円と言った途端、沢山の人が前に出て買い、すっかりなくなってしまった。

 

後にKi君と座っていたからか、全てが終わり皆が後ろから出て行く時に、「ありがとう」の言葉を沢山貰った。昨日は車で帰って最後まで残っていなかったからだとしても、何だかほっとして力が抜けたようになった。1日目の反省から改善が出来た所為もあり、慣れた所為もあるのだろう。

 

バスに乗って再び来た道を戻って行く。集会所で下りると、家に帰る人達からまたまた「ありがとう」などの声をかけて貰った。I さんは、家が目の前の人にタクシーの電話番号を聞いて、呼んでくれた。

 

Ki君も神戸の住人だ。一緒にJRの電車に乗り、私は垂水駅で下りた。彼はそのまま乗り、地下鉄に乗り換えて、幾つか駅を戻らなければならない。いつも手伝ってくれて有り難い事だ。言葉は悪いが、とても重宝している。今年はもう1度だけ、加古川で10数人の仲間と、勿論彼も一緒の飲み会がある。コロナの中の忘年会だが、皆の親切や出会った事は忘れてはならないと思っている。