もっと早く観る事が出来ただろう宇宙ステーションを、2021年になってから初めて観たのは17日、今日の夕方だった。

 

横浜の妹から久し振りにメールが来て、今日の観られる時間と方角が知らせてあった。もっと前から見られただろうが、私は今年になって、そんなに関心を持たなかった。昨年、どれだけ観た事だろう。観ればわくわくするが、もう寒さは沢山だった。

 

何だかんだ言っても、数年前に宇宙ステーションが見られると教えてくれたのは妹だった。今日は、6時7分から10分までと書いてあった。それは横浜辺りの時間帯で、神戸辺りは6分から9分の3分間だ。時間の範囲は全国的にも1分位の差しかないから、微小な違いでしかない。だが、それが問題で、7分から見たとして9分には消えるから、2分しか観られないのは如何にも残念である。

 

妹のメールには、「・・18:07ごろ南の空低くに見え始め、左へ動き18:10に見えなくなります。・・」とあった。メールを見たのは17時30分前だったから、見るには見られる。けれど、暖房の部屋で、仮想の寒さと闘っていた。だが、体は勝手に動いていた。15時55分にカインズに向かった。

 

南の低い空を見た。辺りは黄昏ていたが、雲がないのは空の環境から分かった。南の高い位置には、13日の新月から5日目の上弦の月が明るかった。下の方を漠然と見ていた。星は輝き始めていたが、ISSは何処にもない。腕時計は6分になっていた。また見えないのか、と思っていた。それも、ぶるぶる震えながら。コートは着ていなかったから、この寒さは矢張り耐え難い。

 

すると、南の目平より上の方に、左に少しずつ動く小さな星を見つけた。30秒位は見えなかったから、結論を言えば、消えるまでの2分30秒は確実に観る事が出来た。もう、飛行機には騙されない。如何にもISSかと思わせるそれは、こんなややこしい時間に限って1機は飛ぶ。タイミングが良すぎるので、最初の頃はそうだと信じていた。大きな違いは、飛行機は赤く点滅しながら飛んでいる。それには騙される事はなくなった。

 

速くなったり遅くなったりする事はなく、宝石のようなISSは空の線路を弧を描いてゆっくり移動して行く。

 

山の後ろや建物の間から出て来る訳でもなく、又そのような所に隠れて消えるのではない。太陽はそうであるが、ISSは地球の陰から突然出て来るから、どこに見え出すかは分からない。突然見え出すのだ。

 

段々高くなり、オリオン座の下の方の星リゲルとサイフの間に入り、真中の3つの星ミンタカとアルニラムとアルニタクを通りベラトリックスとペテルギウスを抜けた。壮大なロマンだった。暫く観ていると、急に暗くなり、まだ空にあると言うのに、消えてた。地球の陰に隠れてしまったのだ。

 

こんなに美しく見えた事もそうそうはない。これ以上眺めてはいられない。寒さが蘇って来た。今後もISSは愚か宇宙ショーが目白押しだろうが、暫くは宇宙ステーションはお預けにして置こう。うーん、どうかな。寒くなくなったら又出掛けるかな。オリオン座のペテルギウスは太陽の約1,000倍の大きさだと思うと、それだけであのオリオン座の左上の赤い星を見たくなる。

 

宗次郎は「天空のオリオン」と言う曲を作り、オカリナを吹き始めた頃私は、この曲を得意になって吹いたものだった。下手な時に限って自分の音に酔い痴れるのだから、一体どうなっているのだろうと思う。今は、吹いていて酔い痴れるなどと言う事はない。

 

高く空に上がって行くほどに、益々澄んで輝くオリオンの星。今日の黄昏は、人口の宇宙ステーションと天空のオリオンの、またと見られないだろう美しいショーを観た思いだった。