溜息を吐いたが、それは公式通りのものではなかった。失望ではなく、疑念の残る首を傾げる感動のようだった。

 

2020年10月25日の、これが宇宙ステーションなのか。私は車を、宇宙観測基地にしているカインズの2階目線の駐車場に乗り入れた。西側の太陽は大きく眩く、とても対峙出来るものではなかった。

 

車を降りると西端の角に立ち、空を一通り眺めた。見え始める4時55分までには7、8分はある。見える方向は北北東である。方位磁石で確認した。この軌道なら、太陽を見つめながら追いかける事はなく、寧ろ背に受けながら見る事になる。

 

車が上って来たリ、下りて行ったりした。こんな事をしているのは、少なくてもここでは私だけのようだ。余り関心がないのだろうか。あっても、特に知ろうとはしないのだろうか。

 

空は青く晴れて雲もなく、絶好の日和だ。今日は4時37分には消えると言うから、見えるのは2分位だろう。昨日は雲量が多く、今日よりは1時間遅かった。それは西に見える筈だったが、大きな雲が立ちはだかっていた。雲の切れ目に見えるか、それを過ぎると雲から顔を覗かせるかで、何とか見えると考えた。しかし、全く観る事は出来なかった。

 

愈々35分に後1分となった。北北東の中ほどの高さにいきなり地球の陰から現れると言う。あっ、これだ。その方向に突然現れて進んで行く。やっと見えた思いに何故か溜息が漏れた。今まで観たものより、随分大きかった。それに、羽がキラキラと黒く光りながら飛んで行く。だが、どうしてもそれは鳥なんかではなかった。しかし、高度がこんなに低く見える時もあるのだろうか。これが疑念だったが、真っすぐに同じ速さで飛んで行く。

 

消え行く方角が、白い月の辺りだったから、北東ではないような気もする。私は、ずっと目で追っていたが、両端がキラキラと反射しながら飛んで行った。遂に消えたが、勿論飛行機なんかではない。同じ時間に、よく似たものが軌道まで同じ様に飛ぶのだろうか。しかも、こんなにはっきり見える空のキャンバスを背に。

 

キラキラ輝いたのは、後の強い太陽光によるものだったとは思える。余程条件が良かったのだろう。そう思う事にしたが、普通宇宙ステーションは400kmの高さを飛んでいる。それが、パネルまで見えるのだろうか。1つの星のように、それが線となって見えると解説されているから、この物体は一体何だろうと思ってしまった。条件が余りにもよく、ここまで見えたのだろうと思わずにはいられない。明日見たら、また暫くは見られないが、明日は兵庫では北西に午後5時22分から25分まで見える。

 

それが、今日の宇宙ステーションを確信させるカギを握っているかも知れないと思った。それにしても、心の中では信じようとしている。そのはっきりしない状況が、それでも私に感動を与え、疑念を齎した溜息となって吐き出されたのだった。

 

明日、天気になあれ。