ネオワイズ彗星に出会える期待を持って、今日(29日)も日没後、会える奇跡を求めて出掛けた。

 

オカリナの上手いふんずさんがひとつ前のブログを読んでくれて、私の行動が不審者に思われないようにとのコメントを貰った事から、家の前で空を見上げる事は避ける事にした。もう1つは、街灯が明るくて周りの空がはっきり見えない事もあり、手で明かりを遮る事で肩が痛くなる事も我慢の限界だったからである。

 

日没後の7時30分頃に家を出た。天気予報では、垂水の辺りはこの5時間位の時間帯は雨だと書いてあった。外を見ると雨は降っていない。ひょっとしてと、微かな期待を抱いた。雲の隙間からは空が覗いている。歩いているのは西の方角だが、何とキャンバス全部を塗り潰したような雲が迫っていた。振り返った東の方にはそんなに雲はなく、キラッと数個の星さえ見る事が出来た。

 

西の方に空が見えなかったら、星どころか彗星など見える筈がなかった。それでも歩き、最初に家庭用品全般を扱っている大きな店の駐車場に上がった。磁石を出して見ると、自分がいる端っこは東側だから、向こうは西の空だ。しかし、やや明かりが多くて邪魔だったが、雲で覆われた空は、大きく広々としていた。ここは次の日からの候補の場所となった。

 

次にドラッグストアの横の暗い場所に向かったが、右手に明るいコインランドリーがあり、利用する人達の車もあった。奥に行ったが、人の車の側で西の空を見上げていたら不審に思われるかも知れなくて、ここは止めた。

 

スーパーマーケットに行ったが、明かりは多かったものの、西を向くとさほど気になる程でもなかった。しかし、人に見られる率は高い。10時までやっているので、ここは避けた方が無難だと思った。

 

次は、すぐ前のヤマダ電機に行き、そこから西と北西の間を見上げた。星はポツリポツリと、3つ4つ見る事が出来た。だが、回りは広く厚い雲で、他に星は見えなかった。風もなく、大きな雲は殆ど動く様子もなかった。このオープンな駐車場が観察にはいいかも知れない。店はもう閉まっていて、明かりは洩れず、人も殆どいなく。

 

今日は場所確認の下調べと言う事で、そろそろ帰る事にした。候補は2つが考えられた。

 

折角だから家庭用品全般を扱っている店の西側から駐車場に上がる道を歩いて上がった。西側を向くととても広く見えた。月もはっきり見えたが、邪魔になる明るさではなかった。8時30分だったか、駐車場のいくつかの明かりが全部消えた。ここがいいと思え、ここなら車で来てもチェーンで出入りを出来なくされる心配もない。歩くのは距離があり楽ではない。ビールを飲んでいなかったら車の方がずっといいと思った。

 

南の方にとても明るい惑星と、その東側に少し小さく暗い惑星が並んでいた。綺麗だなあと思った。この日にこんな星が見られるとは想像していなかった。明るい星が木星で、暗い星は土星だ。何だか得した気分だった。

 

車の通る坂を歩いて下りて、家へと向かった。星の数が増えたようだ。家にそろそろ着く頃に北斗七星が見えた。こんなに大きかったかなあと思いながら、感激していた。水を飲む方の2つの星の長さを約5倍に延ばした所に北極星がある。そんなに明るくはないが、韓国ドラマ「冬のソナタ」(韓国語ではキョウル・ヨンガ〖冬の恋歌〗がタイトル)では、ポラリスが印象的だ。

 

「冬のソナタ」のシナリオの第2話「はかない恋」7.山の尾根道のポラリスに関する台本のト書きと台詞を安岡明子の翻訳で載せてみよう。2003年頃の「冬のソナタ」を思い出したり夢中になったりした人もいるのではないだろうか。

 

 

山の中で道に迷ったユジン。必死で探すジュンサン、サンヒョク。先にジュンサンがユジンを見つける。暗い尾根道を手をつないでそろりそろり歩いていくユジンとジュンサン。

 

ユジン   「・・・どこだかわかって歩いているの?」

 

ジュンサン「不安?」

 

ユジン   (頷く)

 

ジュンサン「(指差して)あそこにWの形をした星・・・見える?」

 

ユジン   「カシオペア?」

 

ジュンサン「そう。その隣にポラリスが見える?」

 

ユジン   「ポラリス?」

 

ジュンサン「北極星のことだよ。あの北斗七星とカシオペアの間の大きな星のことだけど

        見える」

 

ユジン   「・・・うん、見える」

 

ジュンサン「これから山の中で道に迷ったら、まっ先にポラリスを探してごらん。それから

       (手本を示して)両手をこうやって広げて、羅針盤に見立てるんだ。さっき山小

        屋はカシオペアの方角にあったんだよ。だけど、今は・・・」

 

ユジン   「北斗七星の方がもっとよく見えるね」

 

ジュンサン「うん。だからあっちの方へ下りていけば、山小屋はあるだろう」

 

ユジン   「でも、星座は季節によって変わるんじゃないの?」

 

ジュンサン「いや、ポラリスは絶対に位置が移動しないんだ。だから、どこにいてもすぐ見

        つけられるだろう。(ユジンを見つめて)これから道に迷ったら・・・まっ先にポ

        ラリスを探してごらん。いつもその場所にあるはずだから」

 

ユジン   (ジュンサンを見る)

 

ジュンサン「行こう」   

 

 

家に着くと、北斗七星が手に届きそうな所に見える。柄杓の飲み口を5倍に延ばした所に、ポラリスが見えた。もう8時45分を過ぎた頃だ。雲はまだ北斗七星の左手辺りから覆い被さるように貼り付いてはいたが、出掛けた頃とは違って、星の数が少しは増えていた。これはチャンスだと思い暫く眺めていたが、全天が見えていないと、もう6等星位に暗くなっただろう彗星は、そう簡単には見つからない。外が暑いのを忘れていた。凄い汗である。堪らず家に飛び込んだのが、やっぱり9時前だった。

 

明日(30日)と明後日(31日)は最後のチャンスになるだろう。せめて雲がないか極少ないかのどちらかであって欲しい。8月になると太陽から離れ、地球から遠くなり、明るさも更に暗くなると言われている。この2日で目にしなかったら、ネオワイズ彗星はもう見られない事になる。そう思うと、それだけでどっと疲れて来る。