薄暗い玄関に置いているダルマメダカ「初恋」。毎日、光の差し込む部屋に水槽を持ち込んで、朝から夕方までまだ布団で覆っていない炬燵のテーブルに置く。1匹のオスと2匹のメス。メスも1匹だけが抱卵する。水草に卵をくっ付けるとすぐに別の容器に卵だけを移す。

 

もう2度目だが、1日置くとその透明さは消え失せ、いかにも死んだと思わせる濁った色に変わる。これでは、卵の中で成長する姿は観られる筈もない。がっかりしながら、その訳を考える。

 

受精していないのではないか。先ずそれが考えられる。本体の水槽の水が汚れているのか。そうとは思えないのだが、それも理由にはなる。もう1つは、水温だ。メダカの卵が孵るのは、20度から28度位迄で、この範囲位以下でも以上でも無理だと言うのが通説である。

 

その為に、100均で温度計を買って来た。やっと20度だから、夕方から夜にかけてそれ以下になるには目に見えている。これでは稚魚を見る所ではない。それでも、水草に数個産み付けられた卵を別の容器に入れる。期待された朝、数個が固まって濁っている。これで250度を待てる訳がない。

 

250度と言うのは、25度の水温が10日間続いた累計が250度で、そこまで達したら孵化すると言う基準だ。25度より低い水温が続けば10日では孵らないし、それより高い水温なら10日にならなくても孵ると言う訳だ。

 

もう1つ考えられるのは、メスとオスのバランスだ。ダルマメダカの水槽にはメスが2匹、オスが1匹だ。メスとオスの相性もあるようだし、オスがやや多い方が孵化する率が高い。しかし、もう今更電熱器を使ったりしてまで孵す気もないので、卵を産めば別の容器に、期待もせずに移す繰り返しを行わなければならない。

 

数日前から思っていた事だが、後オスが2匹いれば上手く行くかも知れないと言う淡い思いだった。これから益々寒くなる。本来なら来年の春先を念頭に置かなければ産卵しても孵化は無理だ。

 

それでもと、私はメダカを売っているコーナーに出掛けた。ダルマメダカは1匹600円はする。ヒメダカは40円だ。だが、あの100匹近くいる中に、メスは殆どいない事は分かっている。それでも安いメダカのオス2匹かメスとオスを1匹ずつ買って帰るかのどちらかを選ばなければならない。

 

橙色に近い、ヒメダカより進化した「楊貴妃」を買う事にした。200円を切るからだった。結局はオス2匹を持ち帰った。稚魚が孵った時の事も考えて、粉状の餌も飼った。

 

同じ水槽に入れたが、今の所喧嘩もしていないようだ。この違った種類のメダカから、卵は孵るのだろうかとと言う疑問が残るにしても。

 

相変わらず、ダルマメダカのメスの1匹が、抱卵して泳ぎ回っている。明日は、水草のどこかに産み付けるのだろうか。諦めた気持ちで、明日もまた、別の容器に移してみよう。もう、濁った卵しか頭に浮かんで来ないけれど。