大阪駅桜橋口から数分で行ける所に、「劇団四季」の大阪四季劇場はある。見たのさえ初めてだった。咳が酷いと言っても昨日程ではなく、願っていたが故に、行かない訳には行かなかった。「CATS」はPianoさんのブログで知って、行ってみたいと言う気になっていた。

8階に上がると更に上の階、その一番最後の席に位置した。凄い俯瞰状況だ。

ゴミ捨て場であろう。大きなタイヤ。薬缶。手提げの懐中電灯。何と、運動会などで使うライン引きもある。丸いステージの前は、ゴミの山だ。

1時半になると、途端に真っ暗になる。すると、下で観ている人にはここで見ている数は見られない程、黄色い猫の目があちこちで光っては動く。猫の目を持って通路を動いているのだが、光る目しか見えない。

猫がステージ上のゴミ捨て場に1匹また1匹と集まり出して、猫になり切った動きをする。そして、集まると踊り出す。凄い動きだ。1時間の上演の後20分の休憩を挟み、又1時間演じる。台詞はなく、歌で代弁されている。

オペラのようなストーリー性は始めよく分からなかったが、チラシを見ながら自分なりに纏めると、

「満月の夜、24匹の猫が集まって来る。それは人間に飼い馴らされる事を嫌った猫たちだった。強かに生きる。強靭な思想と無限の個性、行動力持つ猫。それがジェリクルキャッツだ。今宵は長老猫が、最も純粋なジェリクルキャッツを選ぶ日だ。猫たちは人生を歌い踊りながらアピールする。それは、最初皆から嫌われた娼婦猫だった。彼女はそこで2度も『メモリー』を歌った。年少の子供猫が、去って行こうとする汚れ傷ついた心や体のグリザベラの純粋性を感じ引き留めた。皆もそれに気が付いたように仲間に入れた。天上に上り新しい人生を生きる事を許されたグリザベラは、天に上って行った」

と言う、深く広いストーリー性はそんなに感じられなくても、その踊りは初めから終わりまで圧巻だった。猫になり切った演技、そして纏まった時の統一性や、個性的な各自の表現力は見事としか言いようがない。

劇団四季の「キャッツ」の事もチラシから纏めてみると、

「ブロードウェイを始め大ヒットした『キャッツ』。1983年に劇団四季が初めて上演して以来30余年、通算公演回数は9,200回。総入場者数は910万人を超え、驚異的な記録を更新し続けている、奇跡のミュージカルだ」

と言う事になる。今回13年振りとなる大阪公演は、圧倒的な人気を誇っているが、むべなるかな、である。もう1度行くかと問われれば、チャンスがあれば行っても良いと思えるものがある。


4時に終わり、阪神デパートの8階に上がってみた。福岡、熊本、鹿児島3県の物産展があるからだ。財布のジッパーをしっかり締めたまま歩いてみた。鹿児島県の「かからん団子(よもぎ)」が3個入ったものを買ってしまった。2枚の葉で挟まれた団子からは、今にも蓬の匂いがしそうだった。

横には餡子蓬餅が並んでいて、蓬懐かしさに、それも1個だけ買った。頼りないチャックだ。

おお、九州3県銘酒バーが嫌でも目に入る。幻の焼酎と言われる「森伊蔵」があるではないか。これでも安い方で、975円。だが、1杯30mlしかない。グラスに10cmちょっとだ。これで限定50杯と言う販売である。単純計算しても、1升58,500円の焼酎と言う事だ。

もう1つは、「森伊蔵楽酔喜酒」。これは2003年物で、20杯限定。20mlで3,240円。同じく単純に計算して、1升が291,600円の焼酎と言える。実際1升が幾らかは調べたら分かる事だが、それよりも手に入らない代物と言う印象の方が強い。

ここも商売だから少しは高いだろうと思う。だが、ここまで高価な焼酎は、飲んだ事はない。勿論私は、「森伊蔵」30ml975円を飲む事にした。オンザロックにしたのは間違いかも知れなかったが、その味は値打ちの味がした。もう、「森伊蔵」は、飲む事はないだろう。素晴らしい体験だった。

後は3種飲み比べを注文。これは日本酒だ。あては塩もなかった。コロッケを1個買い、それがまた美味いジャガイモだった。「三井の寿」「庭のうぐいす」「旭菊」。どれもとろりとしていたが、「三井の寿」は甘口に近く、「庭のうぐいす」は辛口に近く、「旭菊」は生酒のような味だった。

この数日、アルコールは全く飲みたくもなかったが、こうしていいミュージカルを観た後は、飲んでみたい気にさせてくれた。起爆剤は、「森伊蔵」だった。餡子蓬餅の美味かった事。ああ、八女茶も300g1,080円の量り売りを買っていた。これがまた、何と美味い事。