朝起きて、歯を磨いて、顔を洗って、頭の形を決めて、ご飯を食べて、バスに乗った。
こんな作文を小学生、特に低学年はよく書くと思う。でも、私の今日(10日)の朝はこうだった。
8時10分過ぎに家を出て、名谷駅までバスに乗った。そこから地下鉄で大倉山まで行き、文化ホールへと。9時半から実行委員会があった。それが終わると、新大阪まで新快速に乗り、そこからは各駅停車で次の駅の東淀川駅で降りた。
いつもは駅のすぐ前の食堂で天ざる蕎麦を食べるのだが、常々気になっていた店「㠀人(しまんちゅ)」へ初めて入ってみた。結構広くて、向かい合わせの席、4人掛けの席、10人近く座れる席などが10も並んでいた。
入った理由は、シマさんに連れられて奄美で食べた鶏飯がここにあったからだ。だが、
「1時過ぎて暇になったら作ります」
と言われた。これではブログのネタにもならない。しかし、
「では結構です」
と言って席を立つ訳には行くまい。
「では、店の前に書いてあった新商品を下さい」
と言った。
「ああ、牛バララーメンですね」
「はい、そうです」
それは、牛のバラ肉が結構入っていた。餡かけになっていて、熱い位だ。具は、人参と蕪だった。朝方雪がちらっと舞った程だから、寒い体がすぐに温まって、外に出るとコートを手に持つ程だった。
1時からオカリナの練習をする事になっている。まだ1時間もあった。そこで、「ミスタードーナッツ」でコーヒーを飲んで時間を潰す事にした。お腹はあのラーメンで十分だったが、ドーナッツがあるのに食べない訳には行かない。ポンデリングを始め、2個食べる事にした。コーヒーはお代わり自由だ。
歩道が丸見えの横に長い席に座った。1人だから、4人座りのボックス席は避けた。行き交う人がまるで動物園の檻のようによく見える。それに、女性が間歇泉のようにではなく不規則に右から左から歩いて過ぎる。個性的でセンスのある女性を見て、路上のファッションショーのようだと思った。綺麗な女性が多いのも或る発見でもあった。
まだ時間は30分も経っていない。コーヒーのお代わりをするのと同時に、今度は小さなまん丸いドーナッツ8個入りのものを貰った。時間潰しの為には仕方がなかった。
30人以上のファッションショーを見た。こちらが檻の中なのだろうが・・。男性は、年配の無職風のおじさんや、昼食を食べる前か後かの背広だけの寒そうに背中を丸めた中堅の男達だった。
もう1時に15分前だ。練習会場に行った。もう来ていた。何と、1時間前には来ていたと言った。ラーメンだけで済んだものを、また2キロは増えているだろう。
次の予定があるので、5時にそこを出た。まあ4時間練習をしたが、今迄で一番長い時間だった。
次は三宮のチキンジョージへ行く。6時30分開場、7時30分開演だ。6時には三ノ宮に着いていた。こんな中、外で待つのは辛い。松屋に入った。しじみ汁と漬物付きの牛丼を注文した。味は吉野家とは違うが、それは好き好きだろう。
しじみ貝は小さくはなかったが、中の身は滅法小さかった。宍道湖などのものとは違って余り美味しいとは言えないが、全部身は食べた。漬物の皿に貝殻を入れ、全部食べたら再び汁椀に戻した。
チキンジョージには6時20分頃に着いた。私が1番だった。それから、2人の女性が来た。1人はよく知っていた。知っていた人は80歳にはなっていなくて、初めて会った人は80歳を超えていた。どちらも若く見え、品のある顔形だった。
1番に入ったので70人は準備されている席の何処でもより取り見取りだった。2人の女性と一緒の席に座る事になった。最前列の次の席を選んだ。大きなスピーカーの側は、3人共避けた。大ホールですぐその傍だった事のある3人は、その時ガンガン響いて、聴く場合ではなかった事が共通していた。
ヴォーカルの小林エミの「Birthday Live」だったのである。私が親しくさせて貰っているお寿司屋さんの女将の妹だ。知ってから14、5年になる。エミさんは高校生の頃からオールディーズやジャズを歌っている。佐川満男とも一緒に歌う程の仲良しでもある。
エミさんの同級生も沢山駆けつけている。ギター松下誠、ベース藤岡敏則、サックス春名正治、ピアノ・キーボード倉田信雄、ドラムス宮崎まさひろのメンバーだ。エミさんの自然体のMCはとても面白い。貫録と言おうか、ハイヒールモモコに似ている。だが、テレビ番組の「よ~いドン!」などに出たら、多分堂々としたものだろう。
61歳になると言う。2月10日は、エミさんの誕生日だ。私は、毎年行ける時は聴きに行っている。元気が貰えそうな、凄い張りのある声をしている。喉の鍛え方が違うのだ。
バックのメンバーも活躍している人が多い。倉田信雄もさだまさしのバックをずっと続けていて、今年は西日本を中心に巡業するそうだ。「さだ商店」? とか言うチーム名で。
7時30分から8時30分まで演奏し15分の休憩。8時45分から9時55分で一応終わったが、アンコールで再び歌い始めた。聴きたかったが、葛藤の末10時5分に私1人、その場を去った。最終の高速バスに乗る為だった。JRなら幾らでもあるが、垂水駅まで行っても、そこからのバスは10時30分で最終バスとなる。そのバスには間に合わない。そうなると、あの寂しい路地などを通ったりして、家まで1時間10分を歩く事になる。2,500円に近くなるタクシーなどには乗りたくないのだ。
高速バスには乗る事が出来た。これは楽ちんだった。ひらっと目の前を花びらが散ったようだった。桜の花びらのようではなく、雪柳の花びらのように小さかった。一瞬の事だったが、確かに一片の雪だった。
チキンジョージを出た時の寒さと言ったらなかった。多分、今年中で一番寒いと感じた瞬間だった。
月が朧になっているが、何だか真ん丸に近い。明日が望月なのだろう。
星座占いの今日の運勢は90点だった。いちいち信じる訳ではないが、点数が良いと気分も良く、点数が低いとテンションも下がるのが不思議だ。影響されるのだろうか。
ただ恋愛運と言うのがあって、それが5つのハートが全開だった。恋愛がどうのと思ったり、そこに書いてあることを考えたりする積もりもないが、「抜群の恋愛運」とはどう言う訳なんだろうとは思ってみた。それは路上のファッションショーだったり、朝バスに乗る時にいた女学生が履いていたいた靴が私と同じ数日前に買った「ニューバランス」と同じだったり、新大阪から各駅の電車を待つ時にいた矢張り女子学生が履いていた靴が、Nのマークの入った「ニューバランス」だったりしたのだった。恥ずかしくて側には寄れなかったが、そんな事さえ抜群の恋愛運と言える事だったのではと思う。
断って置くが、恋愛などと言うにはほど遠い毎日である。
同じ靴。路上のファッションショー。ライブを一緒に聴いた80歳前後の2人の婦人。「抜群の恋愛運」と言う言葉の意味が分かるようである。点数など気分の問題だろうが、それでも今日は女性日和だった。電車の中の向かい合ったボックス席でも、私は通路側に座っていたが、窓際に寄って行って私の横に座ったのは若い女性だったし、私の前に座ったのは目鼻立ちのはっきりした女性だった。
8時から22時45分まで鉄砲玉だったが、約15時間の出ずっぱりだった。会社員だったら2日分働いた時間だっただろう。忙しくも面白い1日だった。