朝食前に走らないと脂肪は燃焼しないと語られた事により、7時過ぎてから走り出した。隣りの人と話せる位の速さが有酸素運動を引き起こすので、適当だと言う。但し、20分以上ジョグしないといけないらしい。
つまり、超スロージョギングでいいのだ。それなら、私は4キロ弱を40分かけて走ればいい。陸上競技の中でも、マラソンなんて私の頭にはなかった。どれだけ辛く苦しい競技か。学校では、2~300mも走ったら、歩いていた位だから、私の中にはマラソンはない。
短距離競争とか幅跳、高跳、三段跳は得意な種目だった。それがよりによってジョギングをする事になろうとは。それは退職後、ダイエットの為に実行した事だった。ある健康の雑誌に、「超スロージョギング」の勧めがあった。歩くような速さで走ればよいと書いてあり、そこに飛び込んで行った。
段々速くなり、最高は4キロ弱が26分だった事がある。誕生日などは、最高記録を作ってやろうと思った程だ。だが、結局は速さではなく30分を切る事を目標にした。今、それはゆっくりな走りになっている。本当に苦しい走りで、今は40分を超える事はないが、それよりちょっと短い時間で回る事が屡々だ。けれどそれが脂肪を燃焼させるには、最適ではないだろうかと思える。
シャリンバイの直方体の長い絨毯に、白い花が咲いていた。えっと思い、走りながら近くに寄って見ると、ティッシュを丸めたものだった。誰かがそこに捨てたのだろう。そう思ってシャリンバイを観ながら走ると、もうゴミ、ゴミ。
しかし、明日はジョギングが出来ない。4回目の「YOSOMI好きなヤツコンサート」があるのだ。午後1時からだが、9時には行って椅子並べやリハーサルをしなければならない。余程時間があれば走れるだろうが、多分そんな余裕はないと思う。
何が書きたいか、って? いい質問である。
オカリナを一緒に練習している美女5人が、私にくれたものがある。なんと「大吟醸 龍力 コメのささやき」。一升瓶だった。原料米は「兵庫県特A地区産山田錦100%」で、アルコール分は17度以上18度未満となっている。何の名誉か分からないが、メンバーとしては、男も1人いる。
本田商店の代表銘柄龍力は、飲んだ事はないが、私はよく知っていた。
「明日は頑張って下さい。聴きに行きます。これは前夜祭に飲んで下さい」
と言うものだった。家に帰って開けてみたら、龍力の名が目に飛び込んで来た。それが「大吟醸 龍力 米のささやき」だったのである。
近くの孫達が帰り、少し遠くの孫達を送って、この酒の封を切った。「前夜祭」なんて私はそんな事はした事がない。が、オカリナフェスティバルで、前夜祭をやる所もある。私は、明日が本番なのに、前日にそんな派手な祭りを1人でやるのは好まない。
でも、考え方を変えると、前の日にちょっと晩酌しただけの事だ。早速ガラスコップに並々と注いだ。
美味い! 美味い!! 美味い!!!
もうちょっと飲みたい。飲むだろうか。飲むだろう。そう言うか言わないかの間に、立ち上がった。そして、今戻った。手に、もう洗ってボードに返していたガラスコップを持って。あてなんて要らない。大吟醸はフルーティーで、ジュースのような爽やかさがある。
だが、この辺で止めて置かなければ、朝起きれなかったら大変だ。明日はまた、明日の酒が飲める。
明日は、心からの演奏をしようと思っている。1人でも、遠くから来て下さる方々の為に、その日その時間を、楽しく、精一杯共有したいと思っているからだ。
そりゃあ、今はお歳を召している方々だが、美女の片鱗は十分に表れている。かつては、美女として持てはやされただろう5人の酒は、米のささやきならず、美女のささやきとして、私の五臓六腑に染み渡っている。
明日は頑張りたい。最後の宣伝とお願いになるが、是非聴きに来て頂きたい。人間の人間たる所以を、私は交わりと感謝だと思っている。だから、頑張らなくっちゃあと考える。
「ありがとうございます。またお会いしましょう」
と言えるように。
目の前に、一升瓶がある。福岡から転勤して来た家族に、まだ歓迎会を開いていない。それで、このお酒を是非彼に飲ませたい。この酒で、ささやかな宴会をしたい。けれど心配なのは、その日まで緑色の瓶の中の振動が残っているかどうかである。
ああ、もう1杯だけ。