明後日は満月だが、今日(15日)は中秋の名月だ。皓々とした名月が見たいが、この雲の厚さでは、月の所在があの辺だと分かる程度にしか見えない。少し欠けているだろうが、それでも見えたら美しいだろうと思う。

明日でも、見られたらそれも名月。明後日見られたら、正に名月だ。中秋の名月が満月と重なった年は、毎年ではないのである。

団子は買っていないが、買い置きのおでんでウイスキーを飲んだ。焼酎もいい。日本酒もいい。ワインもビールもいい。だが、普段あまり飲まなかったウイスキーが好き。それを飲んだら、また書きたくなった。正確に言うと、朦朧とした頭で言えるのは、今迄の書き溜めたものを載せると言う事だった。

私は20年も前、作詞研究会に入っていた。ここから輩出された作詞家に、特に坂口照幸さんを挙げる事が出来る。有名な多くの歌手に、多くの詞を提供していたのだ。

鳥羽一郎の歌詞に応募した。メロ先と言って、テープにメロディーだけが入れられて送られて来た。それに詞をはめ込むのがメロ先で、先ず歌詞を作り、それにメロディーをつけるのが、詞先である。

私はそれに言葉を埋め、提出した。グランプリを獲ればCDになると言うものだった。スタッフにも覚えて貰えるようになっていたが、そう簡単に作れるものではない。だが、この時はグランプリの次に入った。2位以下なんて、この世界では1000位でも同じ事だと思った。

その時の作品は、1度載せたかも知れない。もう忘れてしまったし、それ以後、作詞の意欲を失い、退会した。現役の仕事をしながら、そんな趣味的な事にも手を出していた。

その時、横浜の妹が鳥羽一郎の奥様を知っていると言うので、図々しくも歌詞を書いて届けて貰った事があった。無しの礫は当たり前の今見れば情けない程下らない詞だが、その詞が残っていた。酔うと、考えられないものが目に触れる。

馬鹿な奴だと思って読んで見て頂きたい。やっぱり馬鹿だと思われると思う。丸出し馬鹿とは私の事だが、馬鹿は死ななきゃ治らないと言うのは本当だ。



   冬子

1.甘えた素振り 見せながら
  俺の心を 引き付ける
  どんなことさえ 可愛くて
  抱き寄せる手に ほつれ毛が
  何も言わずに 傍にいて欲しい
  冬子 冬子 冬子
  出船見送る 犬吠崎(みさき)

2.控えた紅の 色と香が
  俺の心を 狂わせる
  少し下がって ついて来る
  そんなところが 憎いほど
  言葉少なに うなだれる項(うなじ)
  冬子 冬子 冬子
  花粉流れる 九十九里浜

3.傘を差し出す 細い指
  俺の心を 燃えさせる
  薄い望みと 悟(し)りながら
  あなた好きよと 瞳(め)を閉じる
  命かけても さよならはしない
  冬子 冬子 冬子
  雨に打たれる 銚子の港



もう、嫌になってしまう。単語をくっ付けただけの何とつまらない詞だろう。酔いがすっかり醒めてしまうまでに載せて、やっぱりなあと項垂れる、そんな定番の幻滅を感じる事にしよう。