それはガーベラの花言葉だった。しかも、黄色いガーベラの。

恵那から2泊3日で来ていた娘夫婦は14日の夜は比較的早く、それでも夕食が普通よりは遅い、夜8時半過ぎに帰って来た。私は入浴も済ませ、帰って来るのを待ち構えていた。

恵那の旦那と飲む為だった。ビールは2日間飲んだ。こちらで用意していたのは、13日がキリンの一番搾り。14日がアサヒ スーパー・ドリームだったが、14日は気を遣ったのか、アサヒスーパードライを買って帰って来た。3種類飲んだが、どれも味わい深く、みんな好みの味だ。珍らしさも手伝って、私はアサヒスーパー・ドリームに今回軍配を上げた。

12時まで飲んで寝た。15日も早く、仕事で旧万博会場に5時に出掛けると言っていた。だが、流石に5時は無理だったようで、6時過ぎに2人は我が家を出た。夕方仕事を終えるとそのまま恵那に帰る強行軍だった。

私は演奏に必要なものの準備をした。竜が台地域福祉センターに行く為だった。8時過ぎから最後の練習をし、9時からは「題名のない音楽会」を聴き、難敵の1、2曲を吹くと10時前になった。演奏者は衣装も大切で、舞台衣装を買いにユニクロに出掛けた。10時オープンだから。

恰好いい事を書いたが、つまり娘のアドバイスで、プレーンな白いTシャツを買う為に。ゆっくり花屋さんの花を見る余裕もなかった。プレーンと言う事で、装飾も何もない真っ白なものにした。締めて1,080円のお買い上げである。

家に帰るとオカリナ、オーディオ、譜面台、鞄を玄関に置き、買ったばかりの白いTシャツを着、白いパンツを穿き、涼しげな薄青色の上着を纏った。靴下は、三ノ宮の靴下専門の店で何年か前に買っていた、新しい靴下を履く事にした。錨の模様が付いた面白いものだ。

ほんの少し時間があったので、パソコンでニュースを見たりブログを見たりしていた。11時30分前に車に乗った。2014年4月6日にKi君の誘いで実現した、同じ会場へ向かう為に。2年前のその日は雨が降り、霰が降り、曇り、晴れ、桜見所の話ではなかった。外で花見をしている人など、ある筈もなかった。

Ki君の家の前に車は置かせてもらい、2人で会場まで歩いた。地域の人達から、もう1度私の演奏が聴きたいと言う話があったそうだ。大した演奏ではなかったが、そうして覚えて貰っていた事が嬉しい。

1時30分から2時30分までの予定だが、先ず弁当をよばれた。お茶が一緒に付いていて喉を潤す事が出来た。会場ではテーブルが並べられ、沢山の人が同じ弁当を食べていた。外では餅つきをしている。熱い位のいい天気だった。皆よく働きよく協力する、雰囲気のいい自治会である。今年は会長は代わっているが、Ki君の人望の厚さと人柄の良さがその根底を流れている。

暫く話していると、もう餅つきも終わり、早く演奏を始めてもいいかと聞きに来た。1時半からといってあるなら時間通りがいいと思うが、30数分をどうするかと言う話があったようだ。1時からはどうかと聞いて来たが、1時半からと思って来た人は、半分近くは聴けなくなる。

それでも、主催者の前で建前を通す筋合いもない。そこで、15分からにして貰った。

餅つきが初めにあり、それで帰った人もあるようで、参加者は100人位だと聞いていたが、最終的には60人位になった。

外のテントを近付けて、窓を開いて聴いて貰えばと今の会長は言ったが、100人集まるとも思われず、それより音響の関係で窓は閉めて置いた方がいいので、それは止めて貰った。立つ人が出るのではとの懸念もあったが、最終的には、全員が椅子に座って聴く事が出来た。

兎に角演奏は気持ち良く出来た。気持ち良く聴いて貰えたかどうかは聞いてみなければ分からない。が、何とか終わった事にほっとしている。

最後に花束を頂く事になった。花がまき散らす香り。それは甘くも強烈だった。こんなに匂うものなのかと、改めて花の香りに感動していた。大きな束ねられた花束。両手でしっかり抱えられる感じの美しい花々。この匂いは、会場中に溢れた事だろう。

Ki君は皆の片付けが終わるまでいて、私はそれまで待った。以前の会長だから、そのまま帰れなかった誠実さと責任感の故だろう。素晴らしい事だと思った。

Ki君の息子さん夫婦と女の子のお孫さん2人。6人で彼の家まで歩いた。荷物は手分けして持ってくれた。今日はひょっとしてこの夫婦家族も、私の演奏を聴きに来てくれていたのか。今更ながら、そう思った。一番前で4人並んで聴いてくれていた。

この状況では、Ki君と飲みに行く訳にも行くまいなと、珍しくも空気を読んだりした。

じゃあまた、と言う事で、車に乗ると只管家に向かった。家に帰れば残りのビールがある。恵那の息子と飲んだ芋焼酎もある。彼はいないが、時間を気にせず飲めると思うと、オカリナ演奏を終えた安ど感があった。

台所のテーブルに花束を置くと、その匂いはより一層強く甘く充満した。凄い芳香を放つ。

昨日の残りもあったから、あてには困らなかったが、前から食べてみたいものがあり、王将へ出かけた。それをあてにして飲みたかった。餃子弁当(650円)だった。餃子6切れ、唐揚げ2個、チャーハンで、塩もたれも入っている。中々の弁当だと思った。

或るライブで聞いて忘れられないMCがある。

「お母さんと2人の子供が商店街を歩いていました。お昼は何を食べようか考えていたのです。後ろを歩く2人の子供はチャーハンが食べたいと思いました。チャーハンがいいと決まるや、初めは小さい声だったのに、次第に周りにも聞こえる程の大きな声になって行きました。『チャーハン』『チャーハン』『チャーハン』。流石に母親は後戻りをして叱りました。『やきめしい!』」

待つ間上の方を見ると、ワインが3本写真になっていた。1本は1,000円ちょいで、赤、白、ロゼと並んでいた。餃子にはロゼが合うなどとも書かれていた。そう言えば、ロゼなんて最近とんと飲んでいない。美味しそうな気がした。

貰って帰れるか聞いたが、持ち帰りは出来ないと言われた。それで、帰りにローソンに寄った。ぐるっと見回したが、ロゼはなかったと思う。いつもはポリフェノールだとか何とか言いながら赤ワインを飲むが、ロゼに近いと思われる白ワインを選んだ。フランスで一番良く飲まれている初上陸のワインだそうだ。信じてはいないが、720mlが1,000円ならと、遂に買ってしまった。ご苦労さん会を1人でしたって悪くはなかろうと思い・・。

帰ると家中が花の匂いに包まれていた。玄関の下駄箱の上に所狭しと競って顔を覗かせていた。一体この匂いはと、花を嗅いでみた。ピンクのバラも匂った。カーネーションはそんな感じではない。他の2つとガーベラは匂いの対象外だ。

まるで君臨しているかのような、蕾と花開いたカサブランカがある。原因はこれだったのだ。そして、バラともコラボして、今迄に嗅いだ事もない強烈さでその存在をアピールするかのようだった。この部屋にまで微かに入り込んでいる。

ガーベラは色んな色があるが、その花言葉はその色に依って違うので、人に上げる時はその言葉に相応しいガーベラを上げると喜ばれるだろう。ここに混じっているのは、黄色いガーベラだった。それは究極の美・究極の愛。そう言われても、私にはその究極が何たるかが分からない。

赤い実が付いているようなものもある。カーネーションもバラもピンクで、カサブランカは紫色に近い。赤い添え物の役割りのものやガーベラは色が鮮やかだ。色のコーディネートがとても素敵だ。

部屋の戸を開けて玄関に行ってみると、途端にその強烈な匂いは、しかし甘く隈なく充満していた。



※このカサブランカだと書いていたのは、実はシベリアではないかとの思いが強くなりました。第一、皆さんが花粉の事を心配して下さるのですが、そんな感じが全くなかったのです。おしべの先に、あの独特の如何にもくっ付きそうな花粉がないのです。おしべと思われる先が、シュッと細長くなっているだけなのです。カサブランカは言葉の響きも良いので訂正はしませんが、よく似たシベリアと言う種類だと思います。