夜10時を過ぎている。NHKEテレ大阪は、103歳の篠田桃紅、104歳日野原重明の対談が続けられている。
夕方6時から始まった、お世話になりっ放しの大先輩と我々後輩との会があった。元町のスクランブル交差点を渡って、当たり前のように会場への道を辿った。何故こんなに多い人間と出くわしているのに、話したり話されたりしないのだ。まるでパチンコ屋の中にいるような感覚があった。人間同士、どうしてこんなに人間の多い所で交わらないのだろう、と思った。
いつものように大丸デパートの北側の道を東に歩いて行った。何度も来ている店なのに、その通りの左に入る路地に、目的の店、割烹Mがない。随分歩いた。もしなかったらどうしよう。そんな不安が過ぎった。何故? こんな時に限って、携帯を忘れて来ている。もしこの店が分からなかったら、もう誰に電話を掛けたらいいのだろう。迷宮入りとなると思うと不安が募った。
かなり先まで行った道を、そんな筈はないと戻った。丁寧に、右の曲がり角を確かめながら。
何度も来た店だ。きっとあるに違いない。目を凝らすと、あった。不安が吹っ飛んだ。6時に20分前だった。店に入ると、2階に3人がいた。
「あけましておめでとうございます」
そう言われて返す言葉に困った。
「今年もよろしく」
それしかなかった。
6時が開会だ。18人の内、14人が来ていた。この集まりは凄い集まりだ。よくこんな仲間に恵まれたものだと思う。これも幸せだと言える。
現役の者もいる。今年で定年退職する者もいる。とっくに退職して、それでいて我々に君臨している先輩がいる。私でももう古稀なのに、そんな世界をずっと先に行っている先輩がいる。有難い事だ。そこまでは、大いに参考にして生きられると思うからだ。
シマさんも一緒だが、詳しくは彼のブログの写真が大いに参考になると思う。料理も、酒も、それは百聞は一見に如かずだからである。
久し振りに会う仲間もいる。現役の頃の繋がりが蘇る。まあ気の置けない仲間と言えるだろう。大先輩にしてそうだと言える。だからここまで来れたのだと思う。
近況報告の時間となった。私の話は長い。だが、その前の仲間の話が長かったので、「長い!」と言うヤジはなかった。そんな雰囲気を感じたら、こちらで上手くかわした。だが、何か返って来る。
最近、一人ひとりが完全な個体として感じられるようになったと言う事。皆それぞれが素晴らしいと言う事を言った。そして最近は、テレビで言う事が皆自分にずしんと来ると言う事も言った。
最近でなくて今日や昨日の事なのだが、佐渡裕さんが、師匠のレナードバーンスタインから、指揮の仕方を習った事がないと言う話。坂本冬美さんが猪俣公章さんから、歌っている時に泣いてはいけないと言われた話。長嶋茂雄さんが天才ではなく練習をよくしていて、練習は人に見せるものではないと言った話。皆自分には参考以上の話だ。
自分が少し変わったのではないかと思える程だった。
そして、今年は7月24日25日に決定した「オカリナフェスティバルin神戸」と、9月25日に行われる「YOSOMI好きなヤツコンサート」の宣伝をした。
シマさんは今回の幹事だったのか、かなり饒舌だった。お蔭で、ダブル宣伝ともなった。
いい会だった。飲み物は自由。芋焼酎がやけに旨かった。雑談歓談で終わった会だったが、2時間限定だったにも拘わらず、40分も過ぎた。それを咎められないのは、この店Mは、何十年も使って来たものだったからだ。高級だが、我々にしてみれば、贅沢な会場だ。
皆それぞれの道に分かれて、それぞれの方向に足を向けた。今回は風邪もまだ治った訳ではないし、明日も午前中から卓球の新年会があるので、シマさんと三宮迄歩いた。彼は北区へ帰る。私は、高速バスに乗る。
まだ、桃紅さんと重明さんとの話は続いている。
「仏教もキリスト教もどう生きるかに尽きるんですね」
と篠田桃紅さんは言った。かなり自分の信念と生き方を持っている人だと思った。話の内容よりも、どちらも100歳を超えているのが凄いと思った。
「どう生きるかに尽きるんですね」
私の命題でもあるのだ。