何が嬉しいって、4回バスに乗ったけれど、全部子供料金で110円×4の440円で済んだ事だった。本来なら1,380円掛かっている所だ。後で解明しよう。
昼からは、同期の者が14人集まって、11月に行く旅行の話をした。私は去年係をしたが、もう無罪放免だ。何と楽な事か。飲んで食べたらいいだけで、ビールをしこたま飲んだ。
終わると何人かは帰ったがコーヒーの店に行って、私はオランジェンクーヘンとホットを注文した。私の解釈だが、オランジェンとは、何処かの国のオレンジを指す言葉だろうと思った。確かに、スライスされたオレンジが載っていたのだ。
愈々皆と別れて、私とシマさんとTさんの3人は、バスでTさんの家に行く事になった。私は、去年の始め頃から来ないかと誘われていた。そこで、シマさんと、同期の会の後で行く約束をしていた。
3人は三宮からバスに乗った。星和台南で降りる。大きな石が7つ並べられていて、「しあわせの村」と、一文字ずつ記されている。最初の石には、この村のマークだろうと思われるロゴが入っている。
2人は、バス代の事でぶつぶつ言っている。私が110円で、自分たちは480円だからである。神戸市は古稀の誕生日が来ると「敬老優待乗車証」を発行して、バスや地下鉄が子供料金で乗れる制度がある。
「僕なんか、ずっとこの料金の往復だ」
とTさんは言った。2人共、11月と12月が誕生日なので、まだ貰う事が出来ない。
「もうちょっとの辛抱だ。俺に言ってもしょうがないよ」
と、私は言った。誇らしい話でも何でもないが、子供料金で乗れる事になった時は、極短い時間、恥ずかしい気がしていた。今は、嬉しくて仕方がない。210円のバス賃も110円。このバスの480円も110円なのである。
「240円なら文句言わないけど」
と、それはどちらもの愚痴だった。実は半額になるのは分かるとして、480円でも110円は驚きだった。内心、凄い得をしていると思った。
そこから数分歩き、Tさんの家に入った。彼の趣味は誰にでも出来るものではなかった。凄い数の盆栽がある。彼が全部剪定しているそうだ。ある鉢などは、もう40年も世話していると言った。見事なものばかりだが、盆栽の店が経営出来る程に思われた。はした金では、この趣味は無理だ。
部屋に入ると、彼は木工細工もしているようで、幾つかの動物形を切って枠に嵌めるそれは、実に見事だった。
「幾ら?」
と言ったが、奥さんが、
「只であげてるんですよ」
と言った。私は、2歳の孫に欲しいと言ったが、今は貰えなかった。
シマさんが、2人でのお土産にと考えていた「能代(日本酒)」を渡した。酒の好きの彼は、きっと喜んでくれるだろう。
缶ビールを出して来た。プレミアムである。シマさんは、もう焼酎でないと飲まない風だった。私はその缶と鞄を持って、2階に上がった。
おお! 背の高さほどもある凄いスピーカーが両端に置かれている。「westlake hr7」、外国の製品だ。低音、中音、高音のスピーカーが幾つも付いている。1500万円するそうだ。それに、パワーアンプ「ボルダー」が更に1400万円と言う。
電柱から200ボルトを取り込み、トランスで100ボルトに落とす。ストレートワイヤーが300万円。コンセントも「オーディオリプラス」。トランスだって300万円。スタービプレーヤーも入れると、全部で3000万円では効かない代物だった。面白い話が、そのプレーヤーは、スロヴェニア製品である。何故か、親近感を覚えた。まるで私がスロヴェニア人であるかのように。
私は、一昨年の11月28日に、拙いオカリナのCDを、恰好よく言えばリリースした。もっと良く言えば、CDデビューをしたのだった。仲間は買ってはくれたが何も言ってくれないので、私はずっと落胆している。時間がなかったので、一発勝負で録音しているから、ピアノは上手くても私は大した事はなかったのだ。
だが、このTさんは、「どうせ大した事ないだろう」と思いながらも、このオーディオで聴いてくれたそうだ。初めの1曲を聴いて吃驚したそうだ。それで3曲(12曲入り)聴いた時、後を聴くのは勿体ないと思って、すぐに私に電話をくれたのだった。こんなに言ってくれるとは思わなかった。しかも、余り話した事もなかった彼だ。
そのオーディオにも、迫力ある音が出ていると言うのだ。そう言えば録音してくれたエンジニアが、NHKでもどこでもちゃんと流して貰えるようには作っている、と言っていたのだ。それが、正にここで証明された。上手い下手はさて置いて、ライブにいるような大音量とクリアさである。私の1万5000円のラジカセと何処を比較すれば良いのだろう。オカリナの音が、今まで聴いた事のない掠れまで取り込んで、私が吹いていないような音で迫って来た。
「こんなオーディオを持っている人は、関西ではいないでしょう」
と、販売した人に言われたそうである。私も、こんな凄い装置を、今日目の当たりにした。
シマさんの三線と唄のCDも聴いた。三線の音が凄くクリアーだ。声だって、臨場感一杯である。
彼が作ったと言うプロはだしのCDを並べる棚は、何度も漆が塗り重ねられ、最初は買ったものだと思っていた。これも凄い彼の技術だったのだ。CDの数は数えていないが、それでも数百万はするだろう。もっとかも知れない。
彼が選んだジャズの曲は、ドラムが一番その威力を発揮していた。私も「ai kuwabara trio puroject」の4th albumを持って来ていた。痺れてしまった。川井郁子のアルバムも聴いた。何と至福の時だっただろう。こんな日常生活をTさんが送っているなんて、夢にだに思わなかった。私なら、毎日5時間は聴くだろう。耳が千切れる程聴くだろう。
もう帰らなければと思ったが、最後にシマさんと私のCDをもう1度聴かせてくれた。途中から奥さんも上がって来て、一緒に聞いていた。耳も確かで、思った事をはっきり言う人だった。
2時間近くいただろうか。彼がバス停まで送ってくれる事になった。シマさんはこの辺の地理には詳しい。或る場所で、彼とは分かれた。Tさんは、私をバス停まで連れて行ってくれた。最初のバス停ではなく、次も方面が違う。その次のバス停が3つの行先のあるバス停だった。
「貿易センター行き(三宮に行ける)」「新長田行き(JRにでも地下鉄にでも乗れる)」「名谷行き」。私はどれでも帰る事が出来た。名谷まで15分で行けると彼は言う。それが一番近い。
彼とは握手をして別れ、15分位待った。120系統のバスが来た。本当に名谷まで17分程だった。バス停星和台南は北区だが、こんなに近いとは思わなかった。
降りてバスを待つと3、4分でバスは来た。ラッキーだった。
運賃は私の場合、210円が110円になる。480円も110円になるのは初めて知った。初めの会に行く途中はJRにも乗った。それは大人料金で、半額にはならない。すると、今日は4回バスに乗ったが、家を出て垂水駅まで110円。Tさんの家に行くまでに乗ったバスも110円。そこから帰りも110円。名谷から家に向かうバスが110円。全部で440円で済んだ。これは嬉しい事である。
もしまだ敬老優待乗車証を貰っていなかったら、210円、480円、480円、210円で1,380円掛かっていた。幾ら得したかって? それは1,380円-440円で940円。つまり、約1,000円浮いた事になる。
敬老優待乗車証様々で、これからバスや地下鉄で出掛けて行くのが楽しみである。今日は、嬉しかった事が2つあった。オーディオとバスだ。
昼からは、同期の者が14人集まって、11月に行く旅行の話をした。私は去年係をしたが、もう無罪放免だ。何と楽な事か。飲んで食べたらいいだけで、ビールをしこたま飲んだ。
終わると何人かは帰ったがコーヒーの店に行って、私はオランジェンクーヘンとホットを注文した。私の解釈だが、オランジェンとは、何処かの国のオレンジを指す言葉だろうと思った。確かに、スライスされたオレンジが載っていたのだ。
愈々皆と別れて、私とシマさんとTさんの3人は、バスでTさんの家に行く事になった。私は、去年の始め頃から来ないかと誘われていた。そこで、シマさんと、同期の会の後で行く約束をしていた。
3人は三宮からバスに乗った。星和台南で降りる。大きな石が7つ並べられていて、「しあわせの村」と、一文字ずつ記されている。最初の石には、この村のマークだろうと思われるロゴが入っている。
2人は、バス代の事でぶつぶつ言っている。私が110円で、自分たちは480円だからである。神戸市は古稀の誕生日が来ると「敬老優待乗車証」を発行して、バスや地下鉄が子供料金で乗れる制度がある。
「僕なんか、ずっとこの料金の往復だ」
とTさんは言った。2人共、11月と12月が誕生日なので、まだ貰う事が出来ない。
「もうちょっとの辛抱だ。俺に言ってもしょうがないよ」
と、私は言った。誇らしい話でも何でもないが、子供料金で乗れる事になった時は、極短い時間、恥ずかしい気がしていた。今は、嬉しくて仕方がない。210円のバス賃も110円。このバスの480円も110円なのである。
「240円なら文句言わないけど」
と、それはどちらもの愚痴だった。実は半額になるのは分かるとして、480円でも110円は驚きだった。内心、凄い得をしていると思った。
そこから数分歩き、Tさんの家に入った。彼の趣味は誰にでも出来るものではなかった。凄い数の盆栽がある。彼が全部剪定しているそうだ。ある鉢などは、もう40年も世話していると言った。見事なものばかりだが、盆栽の店が経営出来る程に思われた。はした金では、この趣味は無理だ。
部屋に入ると、彼は木工細工もしているようで、幾つかの動物形を切って枠に嵌めるそれは、実に見事だった。
「幾ら?」
と言ったが、奥さんが、
「只であげてるんですよ」
と言った。私は、2歳の孫に欲しいと言ったが、今は貰えなかった。
シマさんが、2人でのお土産にと考えていた「能代(日本酒)」を渡した。酒の好きの彼は、きっと喜んでくれるだろう。
缶ビールを出して来た。プレミアムである。シマさんは、もう焼酎でないと飲まない風だった。私はその缶と鞄を持って、2階に上がった。
おお! 背の高さほどもある凄いスピーカーが両端に置かれている。「westlake hr7」、外国の製品だ。低音、中音、高音のスピーカーが幾つも付いている。1500万円するそうだ。それに、パワーアンプ「ボルダー」が更に1400万円と言う。
電柱から200ボルトを取り込み、トランスで100ボルトに落とす。ストレートワイヤーが300万円。コンセントも「オーディオリプラス」。トランスだって300万円。スタービプレーヤーも入れると、全部で3000万円では効かない代物だった。面白い話が、そのプレーヤーは、スロヴェニア製品である。何故か、親近感を覚えた。まるで私がスロヴェニア人であるかのように。
私は、一昨年の11月28日に、拙いオカリナのCDを、恰好よく言えばリリースした。もっと良く言えば、CDデビューをしたのだった。仲間は買ってはくれたが何も言ってくれないので、私はずっと落胆している。時間がなかったので、一発勝負で録音しているから、ピアノは上手くても私は大した事はなかったのだ。
だが、このTさんは、「どうせ大した事ないだろう」と思いながらも、このオーディオで聴いてくれたそうだ。初めの1曲を聴いて吃驚したそうだ。それで3曲(12曲入り)聴いた時、後を聴くのは勿体ないと思って、すぐに私に電話をくれたのだった。こんなに言ってくれるとは思わなかった。しかも、余り話した事もなかった彼だ。
そのオーディオにも、迫力ある音が出ていると言うのだ。そう言えば録音してくれたエンジニアが、NHKでもどこでもちゃんと流して貰えるようには作っている、と言っていたのだ。それが、正にここで証明された。上手い下手はさて置いて、ライブにいるような大音量とクリアさである。私の1万5000円のラジカセと何処を比較すれば良いのだろう。オカリナの音が、今まで聴いた事のない掠れまで取り込んで、私が吹いていないような音で迫って来た。
「こんなオーディオを持っている人は、関西ではいないでしょう」
と、販売した人に言われたそうである。私も、こんな凄い装置を、今日目の当たりにした。
シマさんの三線と唄のCDも聴いた。三線の音が凄くクリアーだ。声だって、臨場感一杯である。
彼が作ったと言うプロはだしのCDを並べる棚は、何度も漆が塗り重ねられ、最初は買ったものだと思っていた。これも凄い彼の技術だったのだ。CDの数は数えていないが、それでも数百万はするだろう。もっとかも知れない。
彼が選んだジャズの曲は、ドラムが一番その威力を発揮していた。私も「ai kuwabara trio puroject」の4th albumを持って来ていた。痺れてしまった。川井郁子のアルバムも聴いた。何と至福の時だっただろう。こんな日常生活をTさんが送っているなんて、夢にだに思わなかった。私なら、毎日5時間は聴くだろう。耳が千切れる程聴くだろう。
もう帰らなければと思ったが、最後にシマさんと私のCDをもう1度聴かせてくれた。途中から奥さんも上がって来て、一緒に聞いていた。耳も確かで、思った事をはっきり言う人だった。
2時間近くいただろうか。彼がバス停まで送ってくれる事になった。シマさんはこの辺の地理には詳しい。或る場所で、彼とは分かれた。Tさんは、私をバス停まで連れて行ってくれた。最初のバス停ではなく、次も方面が違う。その次のバス停が3つの行先のあるバス停だった。
「貿易センター行き(三宮に行ける)」「新長田行き(JRにでも地下鉄にでも乗れる)」「名谷行き」。私はどれでも帰る事が出来た。名谷まで15分で行けると彼は言う。それが一番近い。
彼とは握手をして別れ、15分位待った。120系統のバスが来た。本当に名谷まで17分程だった。バス停星和台南は北区だが、こんなに近いとは思わなかった。
降りてバスを待つと3、4分でバスは来た。ラッキーだった。
運賃は私の場合、210円が110円になる。480円も110円になるのは初めて知った。初めの会に行く途中はJRにも乗った。それは大人料金で、半額にはならない。すると、今日は4回バスに乗ったが、家を出て垂水駅まで110円。Tさんの家に行くまでに乗ったバスも110円。そこから帰りも110円。名谷から家に向かうバスが110円。全部で440円で済んだ。これは嬉しい事である。
もしまだ敬老優待乗車証を貰っていなかったら、210円、480円、480円、210円で1,380円掛かっていた。幾ら得したかって? それは1,380円-440円で940円。つまり、約1,000円浮いた事になる。
敬老優待乗車証様々で、これからバスや地下鉄で出掛けて行くのが楽しみである。今日は、嬉しかった事が2つあった。オーディオとバスだ。