5月17日(日)は前日と打って変わって良く晴れ、夏の様相を呈していた。

Ki君と山陽電鉄の別府(べふ)駅で待ち合わせ、歩いてそんなに遠くない別府公民館に着いた。12時半過ぎてから彼と簡単にリハーサルをする事にした。CDの出し入れや音量調節などの大役をお願いしている。と言うか、彼の方からその役を申し出てくれていたのだった。

所が、テーブルにCDを並べいざ音出しと言う時にCDの音が出ない。周りにも専門家はいない。皆であれやこれやつまみを回したりボタンを押したりしたが、どうしても鳴らない。途方に暮れていると、受付をしてくれる若い女性がやって来て、順序良く初めからやり始めた。暫くして、だが、鳴らなかった。確かに機能はしているようだ。CDの回っている音も、耳を欹てると音がしていると言う。

2時開演。1時半開場。もう、1時になっている。音が鳴らなかったら、とんでもない演奏になるだろう。焦る気持ちと何とかなるだろうと言う気持ちが錯綜する。誰かが、何気なく他のボタンを押した。突然鳴り出した音に、驚きと共に安堵の気持ちが漂った。緊張の糸が切られて、がっくりと首を落とした。いとも簡単な結末だった。

会場は大きな花瓶に花が飾られ、周囲はぐるりと紙飾りで連なっている。私の名前が書かれた「出会いと仲間づくり オカリナ演奏in別府」の大きな垂れ幕が下がっている。講師の席がお決まりの場所に用意されていた。主催者側の素敵な準備だった。「別府公民館登録団体定期研修会」と銘打つ、年に1度の大切な研修会だ。


ここからは概要だけにして、事細かに書く事は止めよう。その方が、訪問者の負担を軽減出来る。様子を長々書くよりは、反省点を挙げて置こうと思う。

マイクと立ち位置と音の通りがいつも気になる所だ。もう席に着いている2人の婦人に、自然な形で問いかけていた。色々言ってくれた。十分参考になった。自分で自分の音がどのように響いているかは分からないのである。こんな時誰かがCD伴奏で演奏してくれたらそれを後ろで聴いて、ある程度判断出来るのにと思っている。

ついつい喋り過ぎてしまって、前半に時間を取ってしまった。後半が思い遣られる。案の定、前半の「出会い」に就いては何とか喋れたものの、後半の「仲間づくり」が表面を撫でるように飛ばし飛ばし進むのは勿論の事、演奏も焦りながらのものとなった。

正面に丸い時計が掛かっている。2時から3時30分迄の予定が、最後の曲になった頃には10分も超過していた。終わったのが45分。言いたい事がまだまだあったが、それも話せずに、残念な気持ちで終わった。公民館だから、時間は或る程度守らなければならない。そんな時、「2時間位いいですよ」とでも言ってくれたらと思うが、主催者の顔は笑っていても心は焦っていた事だろう。

椅子は200位並べていると言っていた。満席は気持ちがいいものだが、良かったと思えるのは、この人達が誰も席を立たなかった事だ。これだけが、この日の救いだったと言える。

「備えあれば憂いなし」と言うが、私の頭の中にそれは修正された。「備えあっても憂いあり」と。


色々ハプニングから反省まであったが結論は、いい経験をさせて貰ったと思えた事だった。例え問題点や反省点が出て来ても、その事実を素直に受け入れて今後に生かそうとする事の方が、後悔や憂いを何時までも後に引き摺る事よりもずっと大事な事だと思った。

この日迄用意周到に携わって頂いた人には勿論の事、聴きに来て下さった方々には、心から感謝したい。

因みに、これが演奏曲である。

 1.故郷の原風景

 2.聖母たちのララバイ
 
 3.かあさんの歌

 4.白鳥

 5.津軽海峡・冬景色

 6.崖の上のポニョ

みんなで歌いましょう

  ,箸覆蠅離肇肇

 ◆】扱醋

  涙そうそう

 ぁ々盥算闇生

 ァ仝龍

 7.リュブリャーナの青い空

 8.千の風になって

 9.さくらさくら

10.さとうきび畑

11.荒城の月

12.また君に恋してる

13.恋のバカンス

そんな訳で、とてもアンコールまでには至らなかった。

親切で、笑顔で受け入れて下さったスタッフの方々と別れ、次は2台の車で8人が割烹「おおにし」に向かう。


5時から、高校時代の慕われていた女性国語教師が3月14日にお亡くなりになり、その偲ぶ会をする為に有志が集まった。全部で9人で、1人はその前の会が終わり次第、こちらに合流した。

私は3年生の時担任して頂き、違う学年の時担任して貰った者、国語の授業を受けた者である。写真や手紙を持参した者もいて、暫くそれらを眺めた。そして、旧交を温めたのである。

刺し身が特に美味く、新鮮さが伝わって来る。瓶ビールを飲んだり、芋焼酎を飲んだりした。女性は1人だけだったが、オカリナは以前習っていて興味があったと言った。今も好きだが、手先を骨折してから、右手の或る指を曲げると痛くてとても演奏までは出来ないと、残念そうに言った。今度神戸のオカリナフェスティバルにゲストで呼んでいる人に習っていたと言うのだから、世間は狭く、驚かされる事が多い。

寝屋川から2時間半かかって来た者や、岡山から車で2時間半かかって来た者もいた。岡山からの彼と女性は烏龍茶を飲んでいた。

2時間制限のその店を出ると、女性を含めた4人とは別れ、5人はカラオケへと向かう。


ワンドリンクは費用に入っている。私は、ジンライムを注文した。ライブでは必ず飲む事にしているものだ。

皆歌い慣れている。上手いと思ったし、私の知らない曲もよく知っていた。

飲んで騒いで、丘に登らずに加古川駅から4人は上り電車に乗った。西明石でKi君と私は降り、普通に乗り換えた。垂水駅で降りるとバス停に走った。静まり返って閑散とした異様な風景だ。10時29分が最終で、腕時計を見ると10時30分だった。安物だがお気に入りの電波時計だから時間は正確だ。行く手を見ると、オレンジ色のバスが背中を向けて、ゆっくりと角を曲がるのが目に入った。1分違いで乗り遅れてしまった。

両手は重い荷物で塞がっている。もう、歩く気力もなかった。タクシーに乗った。運転手さんと喋り続けて家の近くで降りると4、50歩歩いた。

流石に疲れ、PCを開いたがブロブは書けなかった。時間配分だけではないが拙い所があったのは全て私に依るもので、主催者や司会などはKi君のCD出し入れに至るまで完璧で、私の問題だけだった事に不思議と安堵した。その気持ちは、私が処理すればいい事だったからである。

忘れてもいいし、全て事実として受け入れてもいいし、それで済む事だ。曲に就いては音が間違ったりずれたりしたし、話は十分に終える事が出来なかったりしたが、別段後悔までする必要のない事だったからだ。楽しんで貰えていたらいいのだが・・。