「ラジオ深夜便」の1月号は、もう何処にも無かった。創刊150号と言う事もあるが、それはそんなに問題ではない。このラジオを聴き出したのはつい最近だし、本を買ったのも2月号からだからである。

ただ2月号には小野リサの「あなたの忘れ物」の楽譜が付いていた。森山良子の「想いの届く日」は、3月号ではなく1月号に付いていたのだ。載っていると書かなかったのは、千切り取れるようになっていたからなのだ。

無くて元々と思いながら、元町の海文堂へ寄ってみた。何と、そこにはあったのだ。勿論見える所にはなく、探して貰っての事だった。言葉では言い表せない、たったこれだけに、様々な思いを抱いたのだ。「これでしょうか」と言われるまでの時間は、心臓の中が見えるかのように、期待と失望の間を揺れていた。

簡単に「嬉しかった」と言えば済む事なのだが。

この曲は、1935年に発表された映画と同名の主題歌「El Dia Que Me Quieras」である。タンゴの巨匠カルロス・ガルデルの名曲なのだ。

森山良子は、バイオリニストの古澤巌さんのアルバムでこの曲を聴き、ノスタルジックで情熱的なのに感動して、自分で詞を書いて歌ってみたいと思ったそうだ。それがこの「想いの届く日」なのだ。小野リサの曲と共に、3月末まで歌われる。

彼女は常に青春の人なのだろうか。歳には関係の無い歌詞を紡ぎ出していると思う。


想いの届く日

君を夢に見て目覚める朝には
やわらかな陽射しに揺れる花が歌う
君を胸に描き眠りにつく夜は
孤独の闇も甘い恋を囁く

黒い瞳が振り向き笑えば
ささやかな人生も満ちてゆく
いつか二人が愛し合うとき
それが運命と気づくでしょう

あふれる想いを今届けよう
息づく恋を届けよう
ほほに映した月影のメランコリー
憂いのすべてをこの愛で包もう

響き合う心 触れ合う指先
二人の恋が今はじまる
星が奏でるジェラシーのラプソディー
抱き寄せて踊ろう 人生が終わるまで


ああ今宵も朝まで、「ラジオ深夜便」は私を眠らせようとはしない。スローロリスのように私は夜行性の人間に変えられて行くのだろうか。

ざっと今宵の深夜便だけでも、番組表を並べてみよう。ラジオの虜となった朦朧とした明け方までの営みが、夜10時に寝て朝5時半に起きる良き習慣を、いとも簡単に崩壊させて行くことを想像するのに難くはない。


24日 アンカー柴田祐規子

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止められない、止まらない、カッパえびせんのような深夜便。罪作りだと思いませんか。