「昨日まで秋田に行っていて、今日はシマ唄の総会。シマさんも連続で大変ですね」
「えっ? シマさん、秋田に行っていたんですか。知らなかった」
私はシマさんの相方のMさんにそう言ったが、控え室でMさんは驚いた顔をした。
シマさんが今日(4日)の会場になる大会議室から戻って来た時、
「知らなかったんだって。バラしてしまった」
と、何の悪びれる事もない言葉が口を吐いた。てっきり話していたと思ったのだが。
1時から「シマ唄教室連合会総会」が始まる。総会と言っても最初からシマ唄が始まる。オープニングは「朝花節」で、シマさんとMさんの登場。
それからは会員の部で、
1.島かんちむぃ節
2.雨ぐるみ節
3.南の島
4.琉球舞踊(ゲスト)
5.黒だんど節、塩道長浜節
6.沖縄(奄美バージョン)
特別ゲスト
7.野茶坊節(シマさんの教室)
8.上がれ立ち雲節
9.綾蝶節
10.ヨイスラ節
11.琉球舞踊(同ゲスト)
師匠の部が始まる。
1.祝ぬ酒節、井之川ぬいぶぃがなし(シマさんとMさん)
※祝ぬ酒節は、徳之島には余り祝いの唄がないので、それではとシマさんが作った唄だ。
2.むちゃ加那節、長雨きりゃがり節
3.俊良主節、金かぶ節
※金かぶと言うのは、オナモミの事だそうだ。
フィナーレは「ワイド節」と「六調」で、これは気持ちを高揚させる。待ち構えていたかのように立ち上がって、次々に踊り出す人がいる。体に染み付いているんだと思った。「ワイド節」から「六調」になると、もっと調子が上がる。
控え室で、
「『六調』があるなら『七調』があってもいいのに」
と言ったら、周りの人が笑った。シマさんが透かさず言った。
「口八調」
何と絶好調ではないか。
後から6人で喫茶店に行ったが、5人はコーヒー。私は生ビールにした。5人とも飲めるのに、車だったり、遠慮したり、この後からも会に行く人がいたりで。
私は帰りにコープで焼酎のチュウハイと天ぷらと芋焼酎を買って帰って、一人だけの二次会を、クリムトの絵が流れているTVを観ながら飲んだ。
急に増えだした体重に驚き、昨日から自粛していたのに、もうこんな体たらくだ。シマさんからのおみやげの「いぶりがっこ」もあてにしながら飲んだ。マリーさんからのおみやげもあった。名誉総裁賞など数限りない受賞の栄に浴している、桔梗屋の「翁飴」と言う。餅の様に柔らかい飴だった。何とこの「翁飴」は、
♪ハー能代よいとこナー 能代よいとこ 春慶の出どこ 杉の出どころ 梨どころ 共に 白髪の翁飴
野口雨情作詞、中山晋平作曲で歌われてもいるものだ。
私はゲストで6番と7番の間で30分ばかりオカリナを演奏させて貰った。最初が恥ずかしい程の紹介で卒倒しそうだった。
「この紹介の十分の一もありません。吃驚したので一遍に喉が渇きました。失礼して・・」
と言いながら、黒烏龍茶のキャップを外して飲んだ。どっと笑われてしまった。
演奏曲は次の通りである。
1.赤とんぼ
2.秋桜(コスモス)
3.涙そうそう
4.ここに幸あり
5.黄昏のビギン
6.ボレロ
20分ちょっとを想定していたので、5番は急遽挿入。ボレロは昨年のオカリナフェスティバルで大失態を演じた曲だ。だから、今頃になって演奏曲に入れた事を後悔したが、これはリベンジの積もりだった。
その事を皆さんに話してから演奏したけれど、心は軽くならない。同じ所で失敗したらどうしようと思った。何より、同情を得ようとしている前口上が、皆さんに伝わるだろうか。聴衆は、結局ちゃんと演奏する事を当たり前として聴いてくれているのだ。失敗は許されないと思うと、もう開き直りしかなかった。
各曲不満な所は残ったものの、このボレロも、フレーズがおかしくなったと言う事はなかった。奇跡にも思われた。これが一番の難所だったのである。
ピーと口笛が鳴った。私に投げかけられた、初めての音だった。
暫くして、小さなアンコールが起こった。「平城山」を吹いた。
以上が、今日の私の様子である。
シマさんはこの連合会の会長なので当たり前の事だが、挨拶や語りは堂々としたものだった。演奏は言わずもがなである。紬がよく似合っていた。
コラボが出来たらいいと言う話になり、いつか2人で演奏出来る曲を考えてみたいと思っている。
いつでも演奏には緊張が伴うが、私はスポーツと良く似た所があると思っている。特にスケートや体操、シンクロナイズドスイミングなどだ。一瞬で奈落の底が待っている。失敗がなくて当たり前。その上に高度な技が加わらなければ賞賛は得られない。
自分側の考えの変革も必要だと言う事だ。
今回女子スケートで優勝した浅田真央は、こう考えている。つまり、今までは回転にばかり気を取られていたが、今回は他の滑りに力を入れたそうだ。その結果、回転も失敗しなかったし、高得点が得られた。
間違ってはいけないと拘り、心配をし過ぎるのは良くない事なのだと、この話から学ばせて貰った。
その上で彼女は反省する。もっと上の演技を目指したいと。
簡単な曲だけを選んでいたら、それは楽に演奏出来るだろう。簡単な曲が駄目な曲だと言っている訳ではない。自分に出来る範囲の曲のちょっとはみ出る曲に挑戦する事は、必要なのではないだろうか、と思ったのである。
「えっ? シマさん、秋田に行っていたんですか。知らなかった」
私はシマさんの相方のMさんにそう言ったが、控え室でMさんは驚いた顔をした。
シマさんが今日(4日)の会場になる大会議室から戻って来た時、
「知らなかったんだって。バラしてしまった」
と、何の悪びれる事もない言葉が口を吐いた。てっきり話していたと思ったのだが。
1時から「シマ唄教室連合会総会」が始まる。総会と言っても最初からシマ唄が始まる。オープニングは「朝花節」で、シマさんとMさんの登場。
それからは会員の部で、
1.島かんちむぃ節
2.雨ぐるみ節
3.南の島
4.琉球舞踊(ゲスト)
5.黒だんど節、塩道長浜節
6.沖縄(奄美バージョン)
特別ゲスト
7.野茶坊節(シマさんの教室)
8.上がれ立ち雲節
9.綾蝶節
10.ヨイスラ節
11.琉球舞踊(同ゲスト)
師匠の部が始まる。
1.祝ぬ酒節、井之川ぬいぶぃがなし(シマさんとMさん)
※祝ぬ酒節は、徳之島には余り祝いの唄がないので、それではとシマさんが作った唄だ。
2.むちゃ加那節、長雨きりゃがり節
3.俊良主節、金かぶ節
※金かぶと言うのは、オナモミの事だそうだ。
フィナーレは「ワイド節」と「六調」で、これは気持ちを高揚させる。待ち構えていたかのように立ち上がって、次々に踊り出す人がいる。体に染み付いているんだと思った。「ワイド節」から「六調」になると、もっと調子が上がる。
控え室で、
「『六調』があるなら『七調』があってもいいのに」
と言ったら、周りの人が笑った。シマさんが透かさず言った。
「口八調」
何と絶好調ではないか。
後から6人で喫茶店に行ったが、5人はコーヒー。私は生ビールにした。5人とも飲めるのに、車だったり、遠慮したり、この後からも会に行く人がいたりで。
私は帰りにコープで焼酎のチュウハイと天ぷらと芋焼酎を買って帰って、一人だけの二次会を、クリムトの絵が流れているTVを観ながら飲んだ。
急に増えだした体重に驚き、昨日から自粛していたのに、もうこんな体たらくだ。シマさんからのおみやげの「いぶりがっこ」もあてにしながら飲んだ。マリーさんからのおみやげもあった。名誉総裁賞など数限りない受賞の栄に浴している、桔梗屋の「翁飴」と言う。餅の様に柔らかい飴だった。何とこの「翁飴」は、
♪ハー能代よいとこナー 能代よいとこ 春慶の出どこ 杉の出どころ 梨どころ 共に 白髪の翁飴
野口雨情作詞、中山晋平作曲で歌われてもいるものだ。
私はゲストで6番と7番の間で30分ばかりオカリナを演奏させて貰った。最初が恥ずかしい程の紹介で卒倒しそうだった。
「この紹介の十分の一もありません。吃驚したので一遍に喉が渇きました。失礼して・・」
と言いながら、黒烏龍茶のキャップを外して飲んだ。どっと笑われてしまった。
演奏曲は次の通りである。
1.赤とんぼ
2.秋桜(コスモス)
3.涙そうそう
4.ここに幸あり
5.黄昏のビギン
6.ボレロ
20分ちょっとを想定していたので、5番は急遽挿入。ボレロは昨年のオカリナフェスティバルで大失態を演じた曲だ。だから、今頃になって演奏曲に入れた事を後悔したが、これはリベンジの積もりだった。
その事を皆さんに話してから演奏したけれど、心は軽くならない。同じ所で失敗したらどうしようと思った。何より、同情を得ようとしている前口上が、皆さんに伝わるだろうか。聴衆は、結局ちゃんと演奏する事を当たり前として聴いてくれているのだ。失敗は許されないと思うと、もう開き直りしかなかった。
各曲不満な所は残ったものの、このボレロも、フレーズがおかしくなったと言う事はなかった。奇跡にも思われた。これが一番の難所だったのである。
ピーと口笛が鳴った。私に投げかけられた、初めての音だった。
暫くして、小さなアンコールが起こった。「平城山」を吹いた。
以上が、今日の私の様子である。
シマさんはこの連合会の会長なので当たり前の事だが、挨拶や語りは堂々としたものだった。演奏は言わずもがなである。紬がよく似合っていた。
コラボが出来たらいいと言う話になり、いつか2人で演奏出来る曲を考えてみたいと思っている。
いつでも演奏には緊張が伴うが、私はスポーツと良く似た所があると思っている。特にスケートや体操、シンクロナイズドスイミングなどだ。一瞬で奈落の底が待っている。失敗がなくて当たり前。その上に高度な技が加わらなければ賞賛は得られない。
自分側の考えの変革も必要だと言う事だ。
今回女子スケートで優勝した浅田真央は、こう考えている。つまり、今までは回転にばかり気を取られていたが、今回は他の滑りに力を入れたそうだ。その結果、回転も失敗しなかったし、高得点が得られた。
間違ってはいけないと拘り、心配をし過ぎるのは良くない事なのだと、この話から学ばせて貰った。
その上で彼女は反省する。もっと上の演技を目指したいと。
簡単な曲だけを選んでいたら、それは楽に演奏出来るだろう。簡単な曲が駄目な曲だと言っている訳ではない。自分に出来る範囲の曲のちょっとはみ出る曲に挑戦する事は、必要なのではないだろうか、と思ったのである。