人戀ふはかなしきものと平城山に もとほりきつつ堪へがたかりき
古もつまを戀ひつつ越えしとう 平城山のみちに涙おとしぬ

北見志保子のこの和歌2首が、平井康三郎の手によって琴の響きを入れて作曲されたのが「平城山」である。志保子は、奈良に住んでから大正9年にこの歌を作っている。

古とは、仁徳天皇の皇后磐之媛が、天皇が八田媛を迎えた事によって怒って筒城宮へ帰ったが、その皇后の哀しみを歌っているその時代の事である。つまとは勿論夫の事だ。

志保子の夫は橋田東声だが、その弟子である12才下の浜忠次郎に恋をした。離婚をしての結婚は不釣合いの為、彼は親によってフランスに留学させられたが、数年後に帰った時に離婚し結婚した。

浜忠次郎は、千代田生命の社長もしているサラブレッドなのだ。

この曲をオカリナで演奏しようと、今日(27日)は、アンコールとして用意していた。こんなに激しく吹ける曲も少ないが、私の避けて通れぬ曲の一つだ。

結局、時間も20分と定められていて、アンコールはなかった。

西舞子のケアセンターで演奏するように依頼があったから、今日は5曲用意した。小規模多機能を備えたケアセンターだから、利用者さんは20人程だが、皆よく聴いて頂いた。

5曲は、余り喋らなかったら20分で終わるように組んでおいたが、ついつい喋り過ぎて時間をオーバーし、「平城山」の期待はあっさりと弊(つい)えた。「○○○祭り」での依頼だから、私だけゆっくり吹いている訳には行かなかった。

「赤とんぼ」を吹いた途端に、前列の左端の女性が泣いた。私は吃驚して、演奏しながら一人ひとりの顔を見た。にこやかな顔で聴いている人。目が潤んでいる人。唇を動かして声を出さずに歌っている人。様々だ。男性は2、3人。

後ろにはグリーンの仕事着を着た女性スタッフが6人、立って聴いていた。

2曲目の「秋桜」は、皆よく知っているようだった。スタッフは体を揺すりながら聴いている。みんなの顔が好意的なのが感じられた。

3曲目は、長い説明をしてしまった。「涙そうそう」。半分位の人が、歌っている。これは素敵な事だった。スタッフも、声を上げて歌った。

4曲目に入ると、私は「みなさん、歌って下さいね」と言った。「ここに幸あり」だ。案の定、いい声で歌っている。選曲はとても大事だと思う。

5曲目、最後の曲は「かあさんの歌」である。オカリナを吹くとどうしても真ん中か右方向を見て吹いてしまう。左を極力向いて吹いたりもしたが、左端の女性は、まだハンカチを出して眼を拭いていた。オカリナの響きと音の威力に、私も無垢な世界へと入り込んでいた。

拍手は沢山貰ったし、終わった後何人かのスタッフから、音を褒めて貰った。これは嬉しい事だった。何故なら、一種の評価でもあるからである。

勿論満足感があった訳ではないのだが、特に反省材料も浮かばなかった。強いて言えば、時間がオーバーした事は反省に値する。でも、それを咎める者はいなかった。その代償が、褒めて貰えた事だと勝手に解釈している。


ブログ周辺でシュークリームやソフトクリームの話が出ている。昨日シュークリムを買いに行って並んでいたら、2人前の男性が、6個あったそれを全部買ってしまった。私は1つでよかったのだが。

順番が来た。「シュークリームありますか」、小さい小さい声で聞いた。店員はケースを覗いた。「売り切れです」と言った。どうして覗くのだろう。分かっている筈なのに。

「ああ、そうですか。ではいいです」と言って店を出た。

今朝、シュークリームを買いに行った。9時過ぎなのになかった。私の後の人が聞いた。「シュークリームは予約なんですか」と。1個120円のシュークリームが、なければない程未練に変わって行く。当然、ソフトクリームの看板は撤去されていて、ない。私は仕方なくプリン2個ととマロンの乗せられたケーキを1個買った。甘いものが欲しい時もあるからだ。


今日の演奏の帰りに、ローソンに寄った。ラジオでガリガリ君のプリン味を、トークの中で盛んに宣伝していた。4種類のアイスをスタジオで食べながら。アイスが食べたい思いに駆られていた時だったから、運転しながら真剣に聞いた。それが、ローソンへと駆り立てた。

ガリガリ君のプリン味はなかった。宣伝していた「雪見だいふく」はあった。それは、トリプル生チョコレートの期間限定品第1弾だった。従来のものとそれを買った。もう一つ目に付いた、「PARM」。森永乳業販売の抹茶のアイスクリームだ。何個か入っていると思ったが、でかいのが1個入っていた。これは美味かった。「祇園辻利宇治一番茶使用」と書いてある。

ここまでアイスの世界は広がっている。ソフトも捨てがたいが、私はアイスを愛す。冷凍庫の中には、もう本来の雪見だいふくしか残っていない。

えーい、このブログが終わったら食べるぞー。何だか、平城山の哀しみは私の思いから消え去っている。