6月も最後の日となった。そして、1年も半分が終わる。

昼前から雨が降り出した。三宮から歩いて元町駅に近づくと、どうしても食べたいものがあった。それは、ファーストキッチンのエビフライバーグだった。これには、私は嵌っていた。

コーヒーと共に注文して早々に食べ終わると、講演会場へと向かった。

225席が用意されていた。大抵の講演会は、真ん中がすっぽりと空いていると言うが、今回は雨にも関わらず、200人の参加で、前からしっかり詰まっていた。

講演者は、落合恵子である。

「落合恵子氏講演会 命の感受性2012」

あの独特の髪を顕にして、彼女は登壇した。1時35分の事だった。初めて見る落合恵子に感動した。

何を恥ずかしいと思い、何を恥ずかしくないと思うか。

そう提起しながら、自然体で話が始まった。

断片的にしか書けないが、彼女の語録として記して行こう。

私は、社会的地位を信じない。そんな人達は、どれだけ嘘を吐いて来たか。

個人保護法は個人の為にあるのではなく、権力者の為に出来たものだ。

現状に合わせて行く人生を送ろうとは思わない。戦って行こうと思っている。

アメリカの女性がこう言っている。

「私から年齢を奪わないで下さい。働いて働いてようやく手にしたものだからです」

90代のアメリカ女性はこう言う。

「私の皺は私の地図そのものです。若いつるんとした地図に戻ろうとは思いません」

元気でいるコツは何か。

私には、苦しさは人には見せたくない虚栄心と自尊心がある。誰かの役に立っている、必要とされていると言う瞬間がある。

クレヨンハウスを経営しているが、3月11日の震災以来、子供達に本を贈ると言う話があった。だが、最初は本ではなく、医薬品や水や着物だと思った。本を送るようになったのは、4月半ばだった。

Hug & Read は、これからも定着して行くと思われる。

もっとたびたび、ゆっくり、長く抱きしめる。もっとたびたび、長く、ゆっくり本を読んでやる事が大事だ。

彼女は原発に言及した。

私は本当は、脱原発ではなく反原発だ。大飯原発を稼動すれば、日本国中の原発が稼動する。こんな酷い時代は残して行きたくない。この時代に、自分の事だけ考えていていいのかよ! と思う。

If I canと言う詩を書いた女性はこう表現している。

「一つの心が壊れるのを止められるなら、私が生きる事は無駄ではない」

私の健康法は、怒りの大元をなくす為に考える事だ。ちょっとだけでも戦う自分を作って行く事が、心の健康法だ。

体の健康の事は分からないが、いつも健康を考える事程不健康な事はない。

今100人のスタッフがいるが、私は毎年1月1日に遺言書を書いている。

不条理である事が、生きる事かも知れない。だが、微かな希望もある。それは、仲間がいると言う事だ。

健康法は、怒り続ける事。怒りを外に出す事。そう言って、1時間半の公演は終わった。

こうして実物に会うと、TVやラジオに出演している人物が、いきなり親しい者ででもあるかのように、次からまたフォーカスされたかのように、くっきりとした人物に見えて来るだろうと思った。

落合恵子。ちょっとだけでも話してみたかった。スプーン一杯だけでも。

「スプーン一杯の幸せ」。そんなやさしさの中に、激しい怒りの論理を秘めた女性であった。