2012年2月9日の朝日新聞の朝刊に載った2人の声を紹介する。

「声」の欄に、リーダーシップのテーマで4人の声が載せられているが、その2人の文章を取り上げた。



情けない政界 黄門様いれば

中畦美代子(大阪府河内長野市)

最近の政界の様子を見ていると、もはやこれまでという感じがしてならない。国会答弁をまるでひとごとのようにやりすごそうとする民主党政権のやり方は子どもだましだ。そんな中、思い出すのが水戸黄門。民を守り、悪をこらしめる諸国漫遊、ぎりぎりの勝負どころで黄門さんが身分を明かし、悪人どもが恐れ入る。勇ましいだけではない。史実はともかく、こんな逸話もある。米俵に腰掛けて、おばあさんにどやされた黄門さん。「その米は自分たちが汗して作り、殿様に差し出す米だ」との言葉に、きちんと謝ったという。民の窮状に心を寄せる姿。これこそリーダーシップではないか。

為政者への国民の信頼が希薄になる昨今、黄門さんの再来を待ち望んでもかなわぬこと。せめて我々一人ひとりが悪政を許さぬ賢明さを身につけねばなるまい。庶民が権力にこびず、金の力にも屈しない信念の人となってこそ、民主社会の基盤は揺るぎないものとなる。



橋本市長は平成の伊達成実

長舩蒼一郎(兵庫県加古川市)

私は今、政治に興味を持っている。そして、疑問を抱いている。なぜ政治家には、日本国、日本国民のために身を削るという人がいないのか。野田佳彦首相が掲げる「増税」にも納得しかねる。自分たちはたんまり金を持ってるくせに、なぜ、低賃金で働く国民に税をおしつけるのだろう。

歴史が大好きな私は、数年前から専門雑誌を読み、学んできた。今の日本はリーダー不在だとつくづく思う。今こそ、「電力の鬼」といわれた実業家、松永安左エ門のような信念と、織田信長のような統率力を持つ首相がほしい。そして日本のために働く意欲を示してほしい。

私が期待したいのは、橋本徹大阪市長だ。革命を起こすような勢い。ズバズバとさわやかな発言。前だけを見つめるところは戦国武将の伊達成実のようだ。伊達政宗を支えた成実は勇猛さで知られた。橋本さんに敵は多い。だが気にしない。そこが他の政治家とは違うところ。希望の花は、大阪にあったようだ。この種が、風に乗って、日本中に花を咲かせますように。



この2人の「声」は、人物を挙げながらリーダーシップを論じ、今を嘆き、疑問を呈している。テーマが同じだから、内容にそんなに大きな違いも感じられないが、2番目に挙げた文章を最初に読んで、ここに残しておきたいと思ったのだ。

語彙は当然の事ながらそんなに多くはない。けれど、真っ直ぐな文章である。こんな文章が書けるのを凄いと思ってのことだった。敢えて外したが、括弧の住所の後には年齢が書かれてある。名前の最初には肩書きも記されている。

1人目の人の文章を云々する為のものではなく、ここでの目的は、2番目の人の年齢を際立たせる為のものだった。

中畦さんは主婦で68歳。長舩さんは小学生で12歳なのだ。中畦さんはともかく、小学生で書ける文章なのかと思う。

長舩君の冒頭の書き出しに、「(小学6年生の)私は今、」とあったのを付け加えておこう。

何か感じられる所があっただろうか。