172日目のジョギングは、久々の早朝だった。

ループを一回りしてからの帰り道、低い位置に沢山のプラタナスの実が生っている。どうも変だと思ったら、同じ位の大きさの、緑色の無花果の実だった。それでも変だ。今頃再び実が生って、冬にでも熟すのだろうか。

何もかもが狂い始めていた。

卓球に行った。11時15分には帰る積もりだった。行かなくても良かったが、ホトトギスの苗を貰うのが、今日は主目的だった。

そこそこ練習してから、4株貰った。紫色と青色のホトトギスだった。群生すると言うが、兎に角植えて置こう。


今日のザ・シンフォニーホールは、アナスタシア・チェバタリョーワのヴァイオリン・リサイタルだ。正直言って、殆ど知らないヴァイオリニストだが、その実績は輝かしく、1994年第10回チャイコフスキー国際コンクール・ヴァイオリン部門で最高位を獲得している。8年前位からは日本では、大阪センチュリー交響楽団で、小林研一郎指揮でチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲で共演している。

もう一つ、センチュリー響とのシリーズ《新世紀浪漫派》では、金聖響の指揮でメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を共演した。

スリムなアナスタシアのヴァイオリンは、千住真理子とはまた違った趣がある。ユーリ・バシュメットとヴィクトル・トレチャコフの以下の言葉が、その姿を物語っているようだ。

「アナスタシアの演奏は、詩情豊かで、繊細な芸術的感性に満ち、きらめく技巧と輝かしい感性がある」

「アナスタシアは、驚くほど美しい音色と完璧なテクニックで傑出している。これは、才能であり、深い感性と思考を持つ輝かしく個性豊かな音楽家である」

その指の動きは尋常ではない。弓の先から競り上がる音は、繊細極まりない。私は、演奏終了後にCDを買った。そんな積もりはなかったのだが。

おまけに、300円のプログラムも、休憩中に買ってしまった。出来るだけCDだけは買うまいといつも思うのだけれど、その度に素晴らしい演奏を目の当たりにするのだった。

原田英代のピアノ伴奏も年季が入っており、聴き応えがあった。1階の前から9列目の席だったからよく見えるが、双眼鏡で覗くと、右腕にピップエレキバンが貼ってあるのが見えた。右手の甲には、針をした跡を覆っているのだろうか、ブルーの模様の入ったセロテープを千切ったようなものが3枚貼ってあった。

誰にも見えなかっただろうそんなものまで、双眼鏡は演出してくれた。嬉しくも、人間を感じずにはおれなかった。

11月5日、加古川ウェルネスパーク アラベスクホール(兵庫)

11月6日、ザ・シンフォニーホール(大阪)

11月7日、横浜みなとみらいホール(神奈川)

11月9日、浜離宮朝日ホール(東京)

では、曲目がそれぞれ、少しずつ違う。今回のプログラムである。

J.S.バッハ:G線上のアリア

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調《春》op.24
1.Allegro
2.Adagio molto espressivo
3.Scherzo:Allegro molto
4.Rondo:Allegro ma non troppo

ブラームス:ハンガリー舞曲第2番ニ短調

休憩

サラサーテ:ツィゴイネルワイゼンop.20

マスネ:タイスの瞑想曲

バッジーニ:妖精の踊り

エルガー:愛のあいさつ

サラサーテ:カルメン幻想曲op.25

目は開いたまま、淡々と弾いているように見える。5歳からヴァイオリンをやり始めた余裕のようなものが感じられた。

アンコール曲は、2曲。

「二つのギター(編曲:丸山貴行/秋場敬浩)」

「黒い瞳(編曲:丸山貴行/秋場敬浩)」

CDには、このアンコール曲が入っているのを購入した。

チャイコフスキー、ラフマニノフ、それに何よりもロシア民謡が収録されている。これこそアナスタシアの真骨頂なのだ。ロシア民謡となれば、彼女の右に出る者はいないのではないかと思える程の迫力だった。

満足の度合いが、クレッシェンドしたヴァイオリンの演奏。アナスタシアの恐るべき技巧がそこにあった。

女子バレーが中国に善戦している。この1対1からの3セット目が、天王山となるだろう。ああ、サーブミス。オウ イメイがコート外に。オー、25対20で3セットを取った。このまま勝たせたい。4セット目で勝たせてくれるだろうか。

9時からは、2011日本アカデミー賞5部門受賞の「悪人」が放映される。これは観たいと思っている。

それからだ。アナスタシアのCDを聴くのは。忙しい11月6日も、後3時間となった。