八坂神社を右手に、北に歩いたのはもう何十年も前の事だっただろうか。今日の日差しは、汗ばむ程の暖かさだった。それは、秋晴れの風を誘っていた。

昨日のますえさんのコンサートを聴き、京都の匂いに目覚め、私は京都に憧れた。

JR京都駅の中央口を出ると、真正面に京都タワーが聳えていた。久し振りの京都は、巨大な都会だった。

京阪の駅で、外国人夫婦に呼び止められた。

Do you speak English?

Ah, only a little I’m afraid.

つまり、行き先までいくら払ったらいいかと言う事だった。2人で300円だと言うと、5,000円を出した。私がそのお金で切符を購入すると、お釣りを4,700円渡した。

I’m a stranger here.

と言ったら笑っていた。

京阪の祇園四条駅で降りると、階段を上った。すぐ、南座があった。もう、10時前なのに、行列が出来ているのを見た。妙に興奮するようだった。

少し歩くと、こんな所に都路里がある。余りにも有名だが、朝飯も食べずに来たので、土産話にもなると思い、ここでスイーツを食べる事にした。女性で満員の状態だった。

「大原女」とか「都路里ぜんざい」が目に付いたが、皆「都路里パフェ」を注文し、盛んに写真を撮っていた。栗や小豆が入っていて、抹茶仕立てだ。ここでは有名なパフェだそうだ。段々しつこくはなるが、それでも美味い事には変わりがなかった。

八坂神社まで歩くと、初めて中に入ってみた。スサノオの尊とクシナダ姫が祀られている。今まで素通りしていた事が悔やまれる位のスケールの大きさがある。有名な枝垂桜の木もあった。

円山公園にある長楽館は、旧村井別邸と書いてあった。そこで食事が出来る。

私の今日(16日)の目的は、三つの坂を歩いてみる事だったのだ。ますえさんのブログに触発されての事だった。

一念坂を歩き、二寧坂を歩き、参寧坂の石段を上る。人力車に乗った2人組みの修学旅行と思える女学生の姿に、幾つか出会った。是非食べたかった「冷やしぜんざい」を探したが、見つからなかった。豆腐屋も数件あったが、目指すものではなかった。ますえさんのブログをいい加減に見ていた所為だったと思った。

が、このネネが通った坂を歩けただけで感動ものだった。参寧坂の石段は、そんなに険しくはなかった。結構な観光客で溢れている。

八坂の塔は、思ったより大きくて迫力がある。

北の政所の終焉の地、77才で亡くなったと言う圓徳院があった。風情を感じながら、京都の魅力の一部を存分に感じた事だった。

もう昼過ぎである。何処かで食べなければならないが、上品な店が見つかった。弁当風だが、それも美味しかった。「古都梅」と言う店で、着物を着た女性が数人働いていた。京都の感じが滲み出たこの店を後にすると、有名なカレーうどんの店に出合った。胃袋が3つもあれば、そこでも食べただろう。

お茶屋のある通りを歩きながら、祇園の雰囲気に浸った。京都の魅力の緒についた気がした。時間がある限り、京都巡りをしようと思う。一つずつ、時間を掛けて、この素晴らしい京都を探索したい。

上賀茂神社。

車折神社。

晴明神社。

これらは芸能人がよく訪れる神社だが、私も巡ってみたい。一つずつ、一つずつ、丹念に。

不思議な地を訪れた気分を胸に抱き、京都から、大阪を過ぎ、神戸に着いた。京都には、限りない魅力が充満している。それは、古い歴史と共に、静かに静かに、古く新しく変貌を遂げようとしていた。