5時9分から39分まで、30分の走りだった。

曇天に躊躇したが、帽子は被らずに走り出した。すぐに雨かと思った。それは霧雨となって降っていたが、直に止んだ。

あんなに痛かった脹脛は、走っている内にそこの筋肉は当たり前のように使われるようになった。腰の方は走っている間は略何ともなくなったが、座っていて立った時、また背筋を伸ばした時が痛い。と言うか、すこし屈んだ形で暫く歩かないと真っ直ぐにはならない。走れるだけいいとしよう。そして、背筋も鍛える事にしよう。

後半になると決まって汗が額から流れ落ちる。それがまた爽快でもあるのだが、飴玉は忘れないのに、いつもタオルを忘れる。反対側を走る、いや歩いているおじさんが、首からタオルを提げている。

手拭いと言うには、何となく古めかしく露骨だ。タオルがいい。おじん臭くてもタオルを首に巻こう。ハンカチだったらポケットに入れられてスマートだが、ハンカチ王子程若くもない。ハンカチ王人?

明日タオルに気が付かなければ、そろそろ痴呆への道を歩く事になるかも知れない。いくら地方出身だからと言って、それも困るなあ。

スサノオノミコトが八俣大蛇を退治した時、尾の中から見事な刀が出て来た。それが三種の神器の一つに数えられている天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)である。後は八咫鏡(やたのかがみ)と八尺瓊曲玉(やさかにのまがたま)が知られている。

スサノオノミコトはこの功績により、アシナヅチとテナヅチの娘クシナダヒメを貰い、出雲国須賀の地に新居を建てて住んだ。その宮を建てる時、湧き上がる雲を見て、わが国最初の和歌を詠んだ。

私は、出雲の地を踏むと必ずと言っていい位、空の雲を見る。そして、この他では見られないような荘厳な湧く雲と共に、この歌が口を吐く。

八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を

話が飛んだが、私の三種の神器の事を言いたかった。タオルと飴と携帯。これが私の、超スロージョギングの時の三種となる。帽子は雨の時だけ必要だから、外して置こう。

神器と言うのは畏れ多い。私の場合は、三種の振起だ。ジョギングを奮い起こす原動力として欠かせない。

明日は、手で振り払うのではなく、ちゃんとタオルで、額の汗を拭いてみたいものである。