一糸は纏った姿で体重計に乗った。超スロージョギングを始めてから23日目となるが、その時から5.5キロ減っている。勿論ジョギングだけの結果ではない。

今朝は4時56分に出たが、忘れ物をした。取りには帰らなかった。ちょっとの間後悔した。あの梅肉エキスの入った飴玉だった。

この3週間で、私の生活ががらりと変わった。今までは夜中の1時頃に寝て、7時頃起きるような日常だった。それが、10時には寝床に入る癖が付いた。小刻みに目が開く事はなくなったが、それでも4時には起きられる状態になる。

ポータブルラジオのスイッチを入れた。橋幸夫と吉永小百合の「いつでも夢を」が流れていた。終わるとダイヤルをくるくる回す。或る人の話を聞くコーナー、NHKラジオ深夜便に辿り着いた。その人の話は、気持ちを逸らす事はなかった。

間違っていたら悪いけれど、木曽団体有林連絡協議会会長柴原秀満さんの話だった。こんな人生もあるのだと、最後まで聞き入った。「林業の仕事をしていて、淋しいなんて思った事は一度もないです。木が好きなんです」。

「面とは向かって言えないけど、妻には感謝しています。妻が作ったもので、不味いと言った事は一度もありません。実際美味しいですが、美味いと言うと喜ぶから、いつも美味いと言います」。

その奥様と、50年経ったら世界旅行をしようと言って頑張って来たそうだ。が、自分の山がダムを作る為に国に差し出さなくてはならなくなった。国の為だから考え直して譲ったが、係りの人には世界旅行の費用にしようと思っている事を言ったそうだ。それでも百数十万円にしかならなかった。「世界旅行には2千万円はかかるからね。妻と約束を破ったのはこれだけです」。

こう言う話に惹かれるようになったのも、この超スロージョギングが齎したものなのだろう。歳もあるかな。きっと今までなら素通りしている所だ。何かが変わり始めている。

今日はさして変わった事はない。走っている時に考えたのは「何故ジョギングをするのか」と言う事だった。登山愛好家は、「そこに山があるから登る」と言う。それと同じ事だった。「ここにジョギングがあるから走る」と。それだけの事だった。だが、途轍もなく大きな人生の変革。あの「壮快」(7月号)と出会っていなかったら、全く考えられなかった世界だ。喜びに満ち溢れたジョギング。(私の人生にまでは言及していない)

雨の日や風の日や寒い日や暑い日があるように、私もその中を走り続けるだろう。今は、止める事など考えられない。ジョギングをすること自体が考えられなかったのに。

着いたのが5時25分だった。29分の、速いジョギングになっていた。

すぐ体重計に乗った。600グラム増えている。ジョギングの服装とそれに含まれた汗の重みの所為だ。再び脱ぎ捨てて、汗で湿った一糸だけを纏って、もう一度乗り直した。800グラムの減少。つまり、汗が出て、200グラム減った事が分かった。この時点で、あの5月19日から5.5キロ減った事になる。

体重を減らそうと躍起になっているのではない。それは、勝手に付いて来た事だからだ。でも、一番の目標とする一つが変わっていない。あの西瓜腹である。腹を摘まむと相変わらず百科事典だ。微々たる変化と言えば、表と裏の表紙が取れたような感じだろうか。依然として分厚い。赤い西瓜が黄色い西瓜に変わった、驚きはあっても何も量的には変わっていない程度だ。

私は、特にそんなに食べなくても気にならなくなった。朝はジュースだけ。昼はカレーライス。晩は作られたもの。外に出て食べる時は、垣根を作らずに飲んで食べる積もりだ。

それと梅干しを昼と晩に1個ずつ食べる。水分は青汁だ。

もう一つ、腕立て伏せ20回。腹筋20回。レッグマジック1分をやっている。筋肉を作らないと脂肪も燃焼しないからだ。オカリナへの良い影響が出ているのかどうかは分からないが、腹筋を利用して音が出せる事と肺活量が増えてくれることを期待している。

昨日は或るオカリナの先生が、指導している教室の後で私のオカリナを見せて欲しいと言う事で、訪ねた。指導が終わった後の教室で先生と見せ合ったり吹き合ったりするだけだと思っていた。すると5人の生徒さんが残っていて吃驚したが、私のつまらない話や演奏を聴いてくれた。それだけ、オカリナが好きな人が多いと言う事だ。

後は、先生ともう一人の三人で、昼食となった。ご馳走になってしまったが、私はビーフカレーセットにした。

還暦が過ぎたのだから、もう一度生まれ変わっても当然か、と思った。