気合いを入れて、家を飛び出したのは5時だった。すっかり明るい空の下で、100本と下らないあの橙色の花達が、私に声援を送っているようだった。弾けた声が聞こえて来た。

この最初の下り坂は傾斜に任せて走るのだが、今日の私は違った。それに意識を上乗せして、普段より速いペースを心掛けた。出る前から、今日はどこまでやれるのか、記録更新に挑戦しようと意気込んでいた。

空に2機、ジェット機の行った跡が残っていた。そのレールのような飛行機雲の幅は4、5メートルのように見える。実際は50メートルは離れているだろう。それも突然斜め上の視線の先で消えている。

草の匂いが懐かしく、何度も走りながら深呼吸した。ループを回り、再びUターンに差し掛かる前に、後このループは3回回る、と暗示をかけてみた。後1回で良かったが、そうすればこの苦境を少しは解消出来るのではないかと思った。それも束の間だった。結局、自分との闘いでしかない。

もう帰りの第4コーナーまでの直線は、少しの下り坂を過ぎると、ずっと上り坂になる。これが大変なのだ。意識朦朧と言う言葉が浮かんだが、そこまではまだなった事はない。心臓が破れないだけ、マシである。

1分少々は信号で止まった。あの車道4車線を、今日ばかりは赤で突っ走ろうとも思った。だが、この縺れる足では、そんな事は出来なかった。幾ら記録の事が過ぎったとしても、命には替えられない。

第4コーナーまでが遠い。石川遼選手なら2オンするだろうなと思いながら、重い脚を進めた。いつも、止まろうと思う瞬間がある。

だが、私は感謝していた。私を生んでくれた母に。そして、父や祖母に。それに繋がる夥しい数の先祖や祖先に。この私と言う一つの命がここにある奇跡に感謝した。私の存在理由をここに導いた偉大なるMONOにも。今日は私の誕生日だったのだ。6月5日午前6時55分、産声を上げただろうその時を想像してみる。

遂に家の前まで戻ってきた。すぐに携帯を出して見た。26分。おお、記録更新だ。ホーシュさん曰く、(私の)世界新記録が誕生した。私だけのコースだから、いつでも世界記録だと言う。

明日からはまたスローで走りたい。今日は苦しかった。

およそだが、マラソンの世界記録保持者は大体どの位の時間でこのコースを走るのか計算してみた。私は26分の、(私の)世界記録を樹立した。けれど、マラソンランナーと言うのは怪物だ。42.195km走った時間から計算しても、それは約12分だった。比べるまでもない。

さてっと。ジュースを作って、風呂に入って、オカリナを吹いて、題名のない音楽会を聴いて、卓球に行って、午後はピアノのコンサートに行こう。帰って来たらまたオカリナの練習をして、体重計に乗ろう。

突拍子もなく体重の話? ああこれは、ジョギングから帰って体重計に乗ってみたら、朝一だからと言う事もあるが、超スロージョギングを恐る恐る始めてから(5月19日)、4キロ以上減っている。これは約10ポンドのボ-リングのボールが体から落ちた事になる。1ポンドは凡そ453.59グラムだから、そんな感じかな。だがだが、西瓜腹は健在だ。




誕生記念と言ってもおこがましいが、4月2日の風見鶏の館でオカリいなおさんが録音して下さった動画を再掲して置きたい。間違いだらけの未熟な演奏だが、まだ聴いて頂いていない方は、是非お聴き頂ければ幸いだ。


2011.4.2 風見鶏の館にて

オカリナ演奏  オカリナの詩
ピアノ伴奏   S.Sさん
録音録画提供 オカリいなおさん


万華鏡(オリジナル) http://blogs.yahoo.co.jp/ocariinao/2746161.html    

白鳥           http://blogs.yahoo.co.jp/ocariinao/2886398.html

千の風になって    http://blogs.yahoo.co.jp/ocariinao/2836956.html

夕焼け小焼け     http://blogs.yahoo.co.jp/ocariinao/2807185.html

浜辺の歌        http://blogs.yahoo.co.jp/ocariinao/2862982.html


You Tubeでは、去年のオカリナフェスティバルin神戸での演奏が聴いて頂ける。「故郷の山や海」の入力で。