ESPERANZAの演奏を聴きに行った。と言っても、特別に聴かせて貰ったもので、今回は誰でも聴けるコンサートではなかった。

ある団体が設立30周年を記念して講演会を開き、その後の1時間、フルートが主旋律とベースが伴奏の演奏が行われた。オカリナも2曲位あったが、何と言ってもフルートがメインだった。

ブログで知ったBO夫婦。私は貼り付けなどが出来ないが、是非覗いて欲しいと思っている。B夫、O妻のコンビで、犬のアツシ君も一緒に出場して来る。食べ物の事が殆どで、これだけでも大変楽しく、羨ましく拝見出来る。B夫さんは、料理の達人でもある。

さて、拝聴を許された私は、講演は聞かなくて、3時50分から始まるESPERANZAの演奏に間に合えばよかった。ただ2人はこの後も演奏予定があり、終わってからは会えない可能性があり、3時15分頃からでも顔が見られたらいいと思い、その時間に西山記念会館に着いた。

携帯で連絡すると、1階まで下りて来て、2階の控え室に案内してくれた。B夫さんもいて、今回は親しく話す事が出来た。プライベートな内容なので、話は割愛する。若者の言葉を使って言えば、2人とも格好いい。素敵な夫婦なのだ。

講演が終わり拍手が聞こえて来たので、私は1階に下り、そこから大ホールへと入って行った。


西山記念会館は、川崎製鉄の初代社長西山弥太郎氏を記念して建てられたものである。氏に纏わる品々が展示されている。従四位とか勲二等とかが、総理大臣池田隼人や佐藤栄作の名前で授与されている。囲碁は実力が認められ、五段の免許状が陳列されてあった。


「トークコンサート『愛という名の奇跡』」が始まった。O妻さんは21歳の時難病と言われたクローン病に罹り、中学校からやり始めたフルートを断念せざるを得ぬ状況に陥れられた。フランスへ留学するほんの一歩手前の事だった。その失望の様子や病の事などは、O妻さんのブログなどから知って頂けたらと思う。

毎年依頼に応えて夥しい程の演奏旅行をし、もう沖縄を除いて全部回ったと言う。それらに就いては、本人の写真入りのブログを読む方が、格段に楽しい。

最初の曲は忘れたが、正確に、ビブラートの美しくかかった素敵な音だった。トークコンサートと銘打っているだけあって、ただ音楽を聴かせるだけではなく、大切な事を伝え歩いている。

次の曲が「情熱大陸」だった。O妻さんのフルートは、優しいけれど力強く、逞しく、頼もしい音がする。上手いのは当たり前だが、魂の籠もった、聴かせる音なのだ。

「30年前位に流行った曲を演奏します。あの頃こんな事をしていたなあと、思いながら聴いて下さい。『いとしのエリー』です」

「出会いが自分を作って来ました。それによって好みがはっきりして、私が出来てきました」

「放課後の音楽」は竹で出来たオカリナと陶器のオカリナで演奏した。

「私が失望している時、こんな事を言ってくれる人がいました。『君は何をやっているんや。自分の人生やで。自分の力で生きようと思わなかったら、前へ進めへんで』」

「私は一人ぼっちだと思っていました。けど、周りに看護婦さんや友達、家族がいる。一人ではないんだと思いました。そう思える事が、生きる勇気に変わって行ったのです」

「病気をしなかったら、どんなに幸せになれたでしょう。でも、病気をしなかったら、こんなに幸せになれなかったと思います」

「クローン病は20年前には6000人いました。今は3万人です。これは、小学生や中学生にもいる事が分かったからです」

もう予定の1時間に15分と迫っている。オカリナで続けて3曲を演奏した。「故郷」「見上げてごらん夜の星を」「涙そうそう」。演奏出来る事を感謝して、と言って。

最後は、曲名を忘れたが、ヘッドライト何とかだった。O妻さんの話は素敵で、B夫さんのベースも目を見張るものがあり、それでも伴奏に徹し、表に出ようとはせず、只管O妻さんのフルートを支えている。B夫さんは知る人ぞ知るベースマンだから、そちらの活動もある。

「皆さんの一番大切な人は誰ですか」

とO妻さんは聞いた。大切な人は1人や2人ではない。一番大切な人? 私も色々考えていた。O妻さんのそれは、B夫さんだった。それを、奇跡の出会いだと言っていた。こう言えるのが、人生で一番幸せな事ではないかと思った。それが言えるのが凄い。

いい加減な、間違った事を書いているかも知れない。でも、より鮮明になった事がある。それは、フルートが上手い事。ベースの実力は並ではないと言う事。2人が出会っていなかったら、ここまで魂の揺さぶられるコンサートはなかっただろう事。そんな事を思った。

挨拶しないで、そのまま1分程の阪神春日野道駅から三宮に着いた。春日野道駅の1つ先が三宮駅だ。阪急西口に来た時、携帯が鳴った。O妻さんからのお礼の電話だった。お礼を言わなければならないのは、私の方なのに。

いつかゆっくり、お二人と話が出来たら幸せだろうな、と思った。



BO夫婦のブログはこちら。

http://blogs.yahoo.co.jp/esperanzaokuda/51898374.html