12月16日は朝8時30分に家を出た。兵庫にある保育所へ9時30分頃に着いた。一頻り所長さんと話し、10時を過ぎた頃から準備に取り掛かった。
赤いズボンを穿き、赤い上着を着ると、ベルトを締めた。白い髭を付け、赤い帽子を被った。白い長靴を履いて、主任さんと子ども達の待つ、広い部屋に入って行った。
「ワチニンコ。ヨタキタマ」
この保育所は、頼まれてからこれで3度目だ。大きな袋に子ども達の目は注がれていた。この言葉は、保育士さんにすぐに解読されてしまった。
「ワチニンコ」
子ども達からは、すぐに質問が相次いだ。
「何を食べているんですか」
「うーん、今朝はパンに卵とハムを乗せて食べました。皆と変わらないよ」
「皆と変わらないものを食べているんだね」
司会の保育士さんが言った。
インスタントラーメンだとか宇宙食だとか、食べなくても生きているとか、色々答え方はあると思うが、あんまりふざけてもと思った。
「どんな家に住んでいますか」
「そうだねえ、ボールを半分に切ったような形の、氷の家に住んでいます。中はとっても暖かいです」
「トナカイさんは何処にいるんですか」
「鳥でも飛べないダチョウのような鳥がいるように、動物でも飛べる動物がいて、サンタクロースのトナカイは飛べるんです。そして、ヘリコプターのように、空で止まっている事もできますよ。だから、今は雲の上に止めてあります」
子供は信じるから、あんまり酷い事も言えない。この位は、絵本などで子どもはよく知っているだろうから、ひょっとして納得してくれているのではないかと思った。
「いつも何処から見ているんですか」
「12月になると沢山の子どもを見なければならないので、高い空の上から見ているんです。いい子にプレゼントを届けないといけないので、クリスマスが近づくと、上から見下ろすんだよ。他の時は皆のように、家にいるからね」
答えるのも大変である。
「クリスマスは好きですか」
「これはねえ、クリスマスが好きだと言うより、それを楽しみにしている子どもが好きなんだね。プレゼントを届けるのは仕事だから、あんまり好きかどうか考えた事はないなあ」
ふーっ、終わった。そして、司会者の言葉によって、オカリナを吹いた。最初は、ぶっつけ本番で「あわてんぼうのサンタクロウス」をピアノの伴奏をして貰って3度繰り返した。これは、希望だったので。
次は、「崖の上のポニョ」をMDの伴奏で吹いた。もう何年も経っているが、子どもには評判がいい。歌ったり、手を叩いたりしている。どこの子も同じだと思った。
最後に、定番の「きよしこの夜」。これもMDによって、イカロスで吹いた。1コーラスは普通にアルト風に。2コーラス目は1オクターブ上を吹いた。3連目も吹く事になる。最後の纏めは、ソプラノC管で言えば、最高音のファを鳴らし、ミを伸ばして終わった。ここが吹きたいから「きよしこの夜」を吹くのだと思う位気持ちがいい。本当に落ち着く曲ではある。
クラス別に一人ひとりにプレゼントを渡し、集合写真を写した。一人私の髭を引っ張った兵がいた。ここの保育所でも、元気のいい子だとの事だった。子どもは突然何をし出すか分からないのだが、興味津々なのだろう。
その頃は、暖房は切ってあるにも拘わらず、汗びっしょりだった。一人休んでいて、106名の子ども達との楽しい一時だった。
いい顔をした子ども達と分かれて、事務室へと入って行った。子どもは私からプレゼントを貰ったものと思っているから、私への信頼感は抜群だった。
子どもが食べる昼食を頂いて、コーヒーを飲んで、帰る事にした。ここの所長さんは、夏のオカリナフェスティバルに、態々私の6分程の演奏を聴きに来て下さっていた。ちょっと褒めて貰って、おりこうさんと言って頭を撫でて貰っている犬のような気分だった。
お菓子の詰め合わせと、濁り酒の「五郎八」をおみやげに頂いて帰途に着いた。垂水に着くと「吉野家」が目に入った。子どもの食事ではちょっと足りないと思えるし、ここで食べたら満腹になりカロリーオーバーになってしまう。けど、牛丼の並とけんちん汁を。380円と120円で500円だった。紅生姜は、肉が隠れてしまう程かけたので、そんなに高い食事だとは思わなかった。
サンタクロースは、誰にプレゼントを貰うのだろう。家に帰るとオカリナの練習をした。そうか、そんな事が誰にも文句を言われずに出来る事がプレゼントなのか、と思った。
赤いズボンを穿き、赤い上着を着ると、ベルトを締めた。白い髭を付け、赤い帽子を被った。白い長靴を履いて、主任さんと子ども達の待つ、広い部屋に入って行った。
「ワチニンコ。ヨタキタマ」
この保育所は、頼まれてからこれで3度目だ。大きな袋に子ども達の目は注がれていた。この言葉は、保育士さんにすぐに解読されてしまった。
「ワチニンコ」
子ども達からは、すぐに質問が相次いだ。
「何を食べているんですか」
「うーん、今朝はパンに卵とハムを乗せて食べました。皆と変わらないよ」
「皆と変わらないものを食べているんだね」
司会の保育士さんが言った。
インスタントラーメンだとか宇宙食だとか、食べなくても生きているとか、色々答え方はあると思うが、あんまりふざけてもと思った。
「どんな家に住んでいますか」
「そうだねえ、ボールを半分に切ったような形の、氷の家に住んでいます。中はとっても暖かいです」
「トナカイさんは何処にいるんですか」
「鳥でも飛べないダチョウのような鳥がいるように、動物でも飛べる動物がいて、サンタクロースのトナカイは飛べるんです。そして、ヘリコプターのように、空で止まっている事もできますよ。だから、今は雲の上に止めてあります」
子供は信じるから、あんまり酷い事も言えない。この位は、絵本などで子どもはよく知っているだろうから、ひょっとして納得してくれているのではないかと思った。
「いつも何処から見ているんですか」
「12月になると沢山の子どもを見なければならないので、高い空の上から見ているんです。いい子にプレゼントを届けないといけないので、クリスマスが近づくと、上から見下ろすんだよ。他の時は皆のように、家にいるからね」
答えるのも大変である。
「クリスマスは好きですか」
「これはねえ、クリスマスが好きだと言うより、それを楽しみにしている子どもが好きなんだね。プレゼントを届けるのは仕事だから、あんまり好きかどうか考えた事はないなあ」
ふーっ、終わった。そして、司会者の言葉によって、オカリナを吹いた。最初は、ぶっつけ本番で「あわてんぼうのサンタクロウス」をピアノの伴奏をして貰って3度繰り返した。これは、希望だったので。
次は、「崖の上のポニョ」をMDの伴奏で吹いた。もう何年も経っているが、子どもには評判がいい。歌ったり、手を叩いたりしている。どこの子も同じだと思った。
最後に、定番の「きよしこの夜」。これもMDによって、イカロスで吹いた。1コーラスは普通にアルト風に。2コーラス目は1オクターブ上を吹いた。3連目も吹く事になる。最後の纏めは、ソプラノC管で言えば、最高音のファを鳴らし、ミを伸ばして終わった。ここが吹きたいから「きよしこの夜」を吹くのだと思う位気持ちがいい。本当に落ち着く曲ではある。
クラス別に一人ひとりにプレゼントを渡し、集合写真を写した。一人私の髭を引っ張った兵がいた。ここの保育所でも、元気のいい子だとの事だった。子どもは突然何をし出すか分からないのだが、興味津々なのだろう。
その頃は、暖房は切ってあるにも拘わらず、汗びっしょりだった。一人休んでいて、106名の子ども達との楽しい一時だった。
いい顔をした子ども達と分かれて、事務室へと入って行った。子どもは私からプレゼントを貰ったものと思っているから、私への信頼感は抜群だった。
子どもが食べる昼食を頂いて、コーヒーを飲んで、帰る事にした。ここの所長さんは、夏のオカリナフェスティバルに、態々私の6分程の演奏を聴きに来て下さっていた。ちょっと褒めて貰って、おりこうさんと言って頭を撫でて貰っている犬のような気分だった。
お菓子の詰め合わせと、濁り酒の「五郎八」をおみやげに頂いて帰途に着いた。垂水に着くと「吉野家」が目に入った。子どもの食事ではちょっと足りないと思えるし、ここで食べたら満腹になりカロリーオーバーになってしまう。けど、牛丼の並とけんちん汁を。380円と120円で500円だった。紅生姜は、肉が隠れてしまう程かけたので、そんなに高い食事だとは思わなかった。
サンタクロースは、誰にプレゼントを貰うのだろう。家に帰るとオカリナの練習をした。そうか、そんな事が誰にも文句を言われずに出来る事がプレゼントなのか、と思った。