自信の法則 ジェリー・ミンチントン

「夢をかなえる」

15 やりとげる (1)成功する方法を生まれつき知っている人はいない。それは試行錯誤を通じて学ぶものだ。 (2)失敗してもあきらめずに間違いから学ぶ。失敗は貴重な教訓であり、成功のきっかけになる。 (3)自分の過去の成功体験を思い起こす。そうすることによって自信が湧き、さらに大きな成功をおさめる努力ができる。

◆「もっとも才能に恵まれた人が、卓越した業績をあげるとはかぎらない。その他大勢から抜け出すのは、物事をやりとげる人である」メアリー・ケイ・ヌッシュ

☆ 困難に直面してもあきらめずにやりとげよう。結果が出るまで挑戦しつづけることが大切だ。





Just walk in the rain・・・。

王子動物園駅に着くと、雨の中を傘を差しながらピアノの先生SSさんの家に着いた。旦那のSさんが、焼肉パーティーをしようと言っていた。そんなお誘いならゴキブリホイホイのように、すぐに館に入って行くのが私の性格だ。

犬のチェリーちゃんは、どうも2階にいるらしい。吠える声が聞こえない。

SSさんは6月6日のシマさんの発表会に来てくれていた。伝えた時間よりは私の出番は遅くなったが、生徒さんのレッスンを変更するかして、聴いてくれた。シマさんの三線も素敵だったと言っていた。

私は音響のバランスを聞いたが、何の問題もなかったと言った。オカリナの音が大き過ぎるとか、MDの伴奏の音が大き過ぎるだとか、そんな事はないと言った。そこが演奏する者に取って一番気になる所である。先ずほっとした。

旦那が酎ハイの缶を2つと、でかいワイングラスを持って来た。蜜柑と梅の缶だった。氷の上に注ぐと、爽やかな泡が上った。久しく味わっていなかったテイストだ。結構楽しめたが、嫌味がないので幾らでも入りそうだと思った。

SSさんのお母さんはとても神経の行き届いた方で、文章も上手く、色んな事に精通している方だと聞いた。Sさんが言う位だから、間違いはない。私は一度管楽器コンクールに来て頂いて事がある。そして、嬉しい感想を用紙に書いて頂いた。囲碁にも心得がおありだ。私など、こてんぱんにやっつけられるだろうと思う。因みに旦那は、将棋に精通している。「出雲のイナズマ」も勿論の事知っていた。

旦那は、お母さんの事を、神戸の相田みつおと言って尊敬していた。私は昔、みつおでも千田みつおによく似ていると言われた事がある。

「チャン・ドンゴンに似ていると言われた事もありますよ」

と言った途端、2人から大爆笑を頂いた。つまり似ていないと言う事か。でも、殊勝にも、そう言ってくれた人はいた。

外でバーベキューをする筈だった。でも、外は雨。

旦那のリコーダーと私のオカリナとSSさんのピアノで、折角来たのだから何か演奏しようと言う事になった。「アランフェス協奏曲」でも良かったが、ピアノの譜面台に置かれた楽譜をさっと見て吹くのには、ちょっと目の焦点が合わなかった。それで、やや私は吹き易い「ブルタバ」を提案した。スメタナの「モルダウ」と言う方が、誰にでも分かりそうだ。

ウンタタタタタ ウンタタタタ、ここで最初のオカリナとリコーダーの音が入る。この楽譜はギターの伴奏しかないので、SSさんは即興でピアノ伴奏をした。それは私に取って大発見だった。上手いけれど、楽譜通りの伴奏しか出来ない人。また、勿論上手いが、臨機応変に即興で弾く事の出来る人。この2つの種類があると旦那は言った。因みにSSさんは後者である事が判明した。だから嬉しい大発見だったのだ。これからの発展に夢がある。

私は少し躓いた。けれど、SSさんは何回かやったら物になりそうだと言った。リコーダーとオカリナも違和感がない。気持ち良くハモっている。大して難しくはないのだが、完璧に演奏する為には、家での練習が求められる。時間が余りないので、パーティーに移る事になった。

SSさんは外を見て、天が味方したと言ったが、完全に止んでいなかったので部屋でする事になった。未知の世界、2階へと上がった。そこにはチェリーちゃんがいた。興奮したのか、ワンワン吠えた。それは私にだったが、一度会っている所為か、やがておとなしくなった。インコが籠から外を眺めている。

旦那が2本のボトルを開け、鉄板にラードを塗りつけた。フライパンやホットプレートなど肉の油の行き場所がない私の家のようではなく、この鉄板には隙間が開けられ、油が留まらないようになっている。美味い筈だ。それに肉がとっても柔らかく、アルコールによく合った。ワインとシークワーサーのリキュールの2本だったが、ワインはかなり美味しく飲めたし、シークワーサーは、南国の強烈な日差しを浴びたような味がした。

タレに好みがあるだろうと幾つか新しいものが出されたが、これはカルビを浸ける為のものだった。他の肉にはもう店で味付けが施されていて、タレは必要ない程だった。旦那の好みでいいと言った。旦那はあっさりしたものがいいと言っておろしタレを選んだ。それを美味しく頂いた。

韓国の焼肉で美味い店を知らないかと言う話になり、旦那はある店の事を話していた。ちょっと高いと言っていたが、日本語は余り上手くないらしい。それなら行って喋ってみる価値はあると思った。お勉強の出来る店だ。韓国ついでに、

「ペ・ヨンジュンなんてそんなにいいとは思わないわ」

とSSさんが言った。

「イ・ビョンホンの方がずっといいですね。ペ・ヨンジュンも『冬のソナタ』がなかったら、ここまで有名にはなっていなかったでしょう」

と私は言った。

実は、ここで大爆笑が起きたのが、先に書いた「私はチャン・ドンゴンに似ている」と言った事に端を発している。

「今は似ても似付かぬ顔になっているけど、23、4歳のの頃の写真を見ると、そう言ってくれた人がいたんです」

と言った。そうして、そのキャビネ版の写真をデジカメで撮っているものを、帰りに見せる嵌めになった。

チャン・ドンゴンに似ていたかどうかは分からないが、2人は「オー」と言って驚いて見せた。まいっか、と思った。出雲の妹が田舎にいた時に写してくれていた写真で、何年か前に私に送ってくれていたものだ。それを物好きにも、横浜の妹が携帯に撮って、チロルチョコレートの包み紙にして、そのチョコレートを30個程送ってくれた事があった。それにはブッたまげた。

オカリナのCDでも、もし作る時があったら、是非この失われた時の写真をカバーにしたいと思ったりする。でも、紛い品だと言って帰って来る恐れがある。その時は、「古と今の狭間で」と言うタイトルにすればいい。

旦那ももてたと言っていたから、相当なものだったろう。今でも親切だから、もてている事と思う。

喋ったり笑ったりして時は過ぎ、帰る時間が来た。2本のボトルはすっかり空いていた。昼間からいい気分で、あの坂道を楽々下りて行った。お邪魔する時は、この坂はダイエットが出来ると思っていた。Sさんの家に着いた時は、息せき切っていた位だったから。

今日の出来事は、Sさんのブログにも書かれる事だろう。そしていつかまた、誰にでも見られてしまう内緒のお誘いがかかるかもしれない。

SさんにもSSさんにも言い忘れたが、私は今まで気障だと思って着けた事もないチェーンを首に提げている。どうしても見えてしまうのだが、この鎖の先には「メテオライト」がぶら下がっているのだ。46億年以上前の、この地球上にはない物質の隕石なのだ。これを着けていると、パワーが湧いて来る。そして何よりも、気の遠くなる程昔のある星の欠片が、私と共にある事に感激する。だから、何も光物が好きで着けているのではない事を説明しておきたかった。

SさんもSSさんもどちらもとても元気そうだ。それだけで嬉しい事である。特にSSさんは会うたびに若く、どうしても30代にしか見えない。これからも伴奏をして貰える事を祈っている。

「もし出雲で、私が育てて貰った事の感謝の演奏会を開く時があったら、出雲へ来て下さいね」

とSSさんに言った。

「どうぞどうぞ」

と旦那が言った。

「その時は、一緒に来て貰うんですよ」

と私が言った。